善人長屋 の商品レビュー
母親がドラマを観ていたけれどわたしは観ていなかったので事前情報ほぼ無しで読み始めたけれど、相変わらず西條さんの時代物は素敵だなぁと。ちょっと加助さんが自分にはくどかったけど、そういった読者の気持ちを他の登場人物が代弁してくれるあたりよかったです。
Posted by
金春屋ゴメス以来の西條奈加 さん。 市井の人情モノ。 秋の夜長に 渋いお茶と ちょっと甘いものを 嗜みながら 一章ずつ 惜しみながら読みたい一冊 ゛悪党゛たちが 繰り広げる゛善行゛の物語 一編一編のストーリーに破綻が全くないのは ストーリーテラーとしての筆者の腕の見せ所 心さ...
金春屋ゴメス以来の西條奈加 さん。 市井の人情モノ。 秋の夜長に 渋いお茶と ちょっと甘いものを 嗜みながら 一章ずつ 惜しみながら読みたい一冊 ゛悪党゛たちが 繰り広げる゛善行゛の物語 一編一編のストーリーに破綻が全くないのは ストーリーテラーとしての筆者の腕の見せ所 心ささぶられ 心ほっこりさせられます
Posted by
「西條奈加」の連作時代小説『善人長屋』を読みました。 「柴田錬三郎」の作品に続き、時代小説です。 -----story------------- 善人ひとりに、凄腕の悪党たちが大わらわ! 痛快! 人情滴る本格時代小説。 善い人ばかりが住むと評判の長屋に、ひょんなことから錠前...
「西條奈加」の連作時代小説『善人長屋』を読みました。 「柴田錬三郎」の作品に続き、時代小説です。 -----story------------- 善人ひとりに、凄腕の悪党たちが大わらわ! 痛快! 人情滴る本格時代小説。 善い人ばかりが住むと評判の長屋に、ひょんなことから錠前職人の「加助」が住み始めた。 実は長屋の住人は、裏稼業を持つ“悪党”たち。 差配の「儀右衛門」は盗品を捌く窩主買(けいずか)い。 髪結い床の「半造」は情報屋(ねたもと)。 「唐吉」、「文吉」兄弟は美人局(つつもたせ)。 根っからの善人で人助けが生き甲斐の「加助」が面倒を持ち込むたびに、悪党たちは裏稼業の凄腕を活かし、しぶしぶ事の解決に手を貸すが……。 人情時代小説の傑作! ----------------------- 今年、時代小説『心淋し川(うらさびしがわ)』で第164回直木三十五賞を受賞した「西條奈加」の作品を読んでみたくなり本書を選択、、、 『善人長屋』シリーズの第1作にあたり、2010年(平成22年)に刊行された作品です。 ■善人長屋 ■泥棒簪 ■抜けずの刀 ■嘘つき紅 ■源平蛍 ■犀の子守歌 ■冬の蝉 ■夜叉坊主の代之吉 ■野州屋の蔵 ■解説 末國善己 真面目で気のいい人ばかりと噂の善人長屋… しかし陰に回れば、大家も店子も裏稼業の凄腕揃い、、、 そんな悪党の巣に、根っからの善人「加助」が迷い込んだ… 人助けが生き甲斐で、他人の面倒を買って出る底な しのお人好し……。 「加助」が持ち込む厄介ごとで長屋はいつも大騒動… しぶしぶ店子たちは闇の稼業で鳴らした腕を揮う! 江戸下町を舞台にした人情味たっぷりの時代小説… 根っからの善人「加助」が親切心から持ち込んでくる厄介事を、差配の「儀右衛門」を始めとする善人長屋の小悪党たちが、裏稼業で鍛えた知恵と経験、スキルを活用して解決するという痛快な展開、、、 もちろん、「加助」には裏稼業のことを知られないようにしなくちゃいけないので、いつもの裏稼業よりも苦労しながら… 悪党とは名ばかりの善人たちの奮闘が微笑ましいし、ミステリ要素もあって愉しめました。 何が善で、何が悪なのか… 改めて考えさせられましたね、、、 火事で亡くなったと思っていた「加助」の妻子の消息が明らかになる『夜叉坊主の代之吉』と『野州屋の蔵』は切なかったですねー ドラマ化しても良いと思いますね… 面白かったので、次も『善人長屋』シリーズを読もうと思います。
Posted by
表紙の絵が、物語をいい感じに表している! こんな雰囲気の9つの連作短編。 「善人長屋」と呼ばれている長屋に住むのは 実は裏稼業を営んでいる連中ばかり。 裏の顔を隠すため 表ではなるべく模範的に生きているわけ。 ところが、手違いでそこに 本物の善人・加助が住み着いてしまい 困った...
表紙の絵が、物語をいい感じに表している! こんな雰囲気の9つの連作短編。 「善人長屋」と呼ばれている長屋に住むのは 実は裏稼業を営んでいる連中ばかり。 裏の顔を隠すため 表ではなるべく模範的に生きているわけ。 ところが、手違いでそこに 本物の善人・加助が住み着いてしまい 困った人を連れてきては 「ここなら助けてくれる」とやるもんだから…。 差配(大家)は盗品転売を生業とする儀右衛門。 その娘のお縫ちゃんは、家業も長屋も嫌。 けれど、もめごとをおさめるために力を貸す 美人局の兄弟や詐欺師の夫婦など 店子たちの姿を見ているうちに だんだん意識が変わっていくのです。 持ち込まれるもめごとと解決のしかたに ちょっとミステリ要素があって そこもおもしろかった!
Posted by
設定が絶妙。 本棚のカテゴリを「時代もの」としたが、ミステリーとしても面白く、人情ものだけれど、起こっていることは案外と社会派な題材だったりして、さらっと読めるけれどなかなか深い一冊だった。 特に、最後に「善人」加助の物語を知ることで、作品全体の深みが一層増す構成は秀逸。 続編を...
設定が絶妙。 本棚のカテゴリを「時代もの」としたが、ミステリーとしても面白く、人情ものだけれど、起こっていることは案外と社会派な題材だったりして、さらっと読めるけれどなかなか深い一冊だった。 特に、最後に「善人」加助の物語を知ることで、作品全体の深みが一層増す構成は秀逸。 続編を読みたい。
Posted by
2023.6.3 読了。 善い人ばかりが住むと評判の通称「善人長屋」こと千鳥長屋に住む住人たちは、故買屋、情報屋、美人局など様々な裏稼業を持っていた。ある日堅気の加助が住人として住まうようになり、根っからの善人である加助は次から次へと人助けが必要とする者を持ち込み長屋の住人たち...
2023.6.3 読了。 善い人ばかりが住むと評判の通称「善人長屋」こと千鳥長屋に住む住人たちは、故買屋、情報屋、美人局など様々な裏稼業を持っていた。ある日堅気の加助が住人として住まうようになり、根っからの善人である加助は次から次へと人助けが必要とする者を持ち込み長屋の住人たちは問題解決に巻き込まれていく。 ☆3.7くらい。 「善人長屋」に住む住人たちに加助が加わったことでなんとも憎めない悪党たちの人情時代小説になっていた。悪党と言っても(江戸の制度では重罪になるが)それぞれが自分の志を持ち、悪党の技術を持って更なる悪党たちを懲らしめる、というような「銭形平次」っぽい物語だった。 善人長屋の住人たちも悪事に手を染めなければならなかった致し方ない理由もあってもっとその辺りのストーリーを深掘りしてほしかった。 個人的には「源平蛍」と「犀の子守歌」が好きだった。 根っからの善人でいざこざを巻き起こす加助にも善人にならなければならない哀しい胸の内を抱えていたことがラストでひっくり返されるように明かされるのも、明るく幸せなだけで終わらせない人生の深さみたいなものが描かれていてそこもまた良かった。
Posted by
善人長屋の差配と店子たちは、みんな裏稼業を持つ悪党たち。とはいえ、それなりの信条も情もあって、根っからの悪党というわけではない。むしろみんな良いキャラで好感が持てる。彼らが人助けをする羽目になるのだが、そのために裏稼業の特殊スキルを使うのが面白い。チームプレーも良い。 テレビドラ...
善人長屋の差配と店子たちは、みんな裏稼業を持つ悪党たち。とはいえ、それなりの信条も情もあって、根っからの悪党というわけではない。むしろみんな良いキャラで好感が持てる。彼らが人助けをする羽目になるのだが、そのために裏稼業の特殊スキルを使うのが面白い。チームプレーも良い。 テレビドラマ化もされたようだが、たしかにキャラが立っているのでドラマ化しやすそうだと思った。続編も出ているので読みたい。
Posted by
住人全員が小悪党、故に慎ましやかに生活に気を配っているというのに、何故か根っからの善人が問題ばっかり持ち込むようになるという( ^ω^ ) 各話ハッピーエンドでダレそうな所を最後にちょっと苦々しい展開を持ってきてあって流石でした 善人が善人たる所以にもぞっとさせられたり 長屋の住...
住人全員が小悪党、故に慎ましやかに生活に気を配っているというのに、何故か根っからの善人が問題ばっかり持ち込むようになるという( ^ω^ ) 各話ハッピーエンドでダレそうな所を最後にちょっと苦々しい展開を持ってきてあって流石でした 善人が善人たる所以にもぞっとさせられたり 長屋の住人達同様、加助の幸せを願わずにはいられません
Posted by
悪党が住む善人長屋に、超お人好しの本物の善人が住んだことから厄介事の嵐! 一つ一つのエピソードは短くて読みやすい。 それに悪党と言っても悪人じゃないのがいい。 それぞれの事情があり、長屋全体で助け合って暮らしてるのが優しい気持ちになる。 本物の善人、加助さんのお話もまた苦渋も入っ...
悪党が住む善人長屋に、超お人好しの本物の善人が住んだことから厄介事の嵐! 一つ一つのエピソードは短くて読みやすい。 それに悪党と言っても悪人じゃないのがいい。 それぞれの事情があり、長屋全体で助け合って暮らしてるのが優しい気持ちになる。 本物の善人、加助さんのお話もまた苦渋も入った納得の結末だった。
Posted by
軽快、爽快、江戸人情長屋。 事前の情報なしで、読み始めて、善人の集合住宅と思っていたら、最初の数ページで、裏切って(まあ、そうでもないんだけど)NICEタイトル。 裏稼業を持っている(表もちゃんとある)、住民達の長屋。そこに、正真正銘の善人が紛れ込んでしまう。設定だけでも、面白そ...
軽快、爽快、江戸人情長屋。 事前の情報なしで、読み始めて、善人の集合住宅と思っていたら、最初の数ページで、裏切って(まあ、そうでもないんだけど)NICEタイトル。 裏稼業を持っている(表もちゃんとある)、住民達の長屋。そこに、正真正銘の善人が紛れ込んでしまう。設定だけでも、面白そうな感じでしょ。ドラマの時代物を見ているような気楽さとテンポの良さ。 「犀の子守歌」は、性同一性障害について扱うのだけれど、なるほど、どんな時代にもどんなお家柄でも、現実的に起こりえた話だなって。今まで、あまり考えた事がなかったので、新鮮でちょっと衝撃を受けてしまった。
Posted by