善人長屋 の商品レビュー
西條奈加さんの本で初めて読んだ本でしたが、とても読みやすい文体で、国語の教科書に選ばれても遜色ないと思いました。 物語は人違いで現れた善人・加助を中心に、善人長屋と呼ばれる千七長屋に住まう人たちとのドタバタ活劇。 笑いあり、涙あり、差別問題の警鐘も? 続編の「閻魔の世直し」...
西條奈加さんの本で初めて読んだ本でしたが、とても読みやすい文体で、国語の教科書に選ばれても遜色ないと思いました。 物語は人違いで現れた善人・加助を中心に、善人長屋と呼ばれる千七長屋に住まう人たちとのドタバタ活劇。 笑いあり、涙あり、差別問題の警鐘も? 続編の「閻魔の世直し」、「大川契り」も読まなきゃ損です。
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二つ名とは反対にそれぞれ裏の稼業を持つ店子と差配一家。 差配の娘、お縫と新たに店子になった加助を中心に様々なエピソードが描かれ、江戸時代の庶民の暮らしや価値観にふむふむとなる筆致。 シリーズも読んでみたい。
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私は、現代ものしか無理って思ってたけど、コレなら読めた。江戸時代、町人文化は、なんとか受け入れられそうなので、このシリーズ続けようかな
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善人ばかりだと言われる長屋の住人はみな裏稼業を持つ者ばかり。唯一の善人加助が持ち込む難題をみんなで解決する連作短編集。 面白かった。悪人なのに人情あふれる人達。それぞれの過去や江戸時代らしい設定とストーリー展開。素晴らしく良かった。
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母親がドラマを観ていたけれどわたしは観ていなかったので事前情報ほぼ無しで読み始めたけれど、相変わらず西條さんの時代物は素敵だなぁと。ちょっと加助さんが自分にはくどかったけど、そういった読者の気持ちを他の登場人物が代弁してくれるあたりよかったです。
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金春屋ゴメス以来の西條奈加 さん。 市井の人情モノ。 秋の夜長に 渋いお茶と ちょっと甘いものを 嗜みながら 一章ずつ 惜しみながら読みたい一冊 ゛悪党゛たちが 繰り広げる゛善行゛の物語 一編一編のストーリーに破綻が全くないのは ストーリーテラーとしての筆者の腕の見せ所 心さ...
金春屋ゴメス以来の西條奈加 さん。 市井の人情モノ。 秋の夜長に 渋いお茶と ちょっと甘いものを 嗜みながら 一章ずつ 惜しみながら読みたい一冊 ゛悪党゛たちが 繰り広げる゛善行゛の物語 一編一編のストーリーに破綻が全くないのは ストーリーテラーとしての筆者の腕の見せ所 心ささぶられ 心ほっこりさせられます
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「西條奈加」の連作時代小説『善人長屋』を読みました。 「柴田錬三郎」の作品に続き、時代小説です。 -----story------------- 善人ひとりに、凄腕の悪党たちが大わらわ! 痛快! 人情滴る本格時代小説。 善い人ばかりが住むと評判の長屋に、ひょんなことから錠前...
「西條奈加」の連作時代小説『善人長屋』を読みました。 「柴田錬三郎」の作品に続き、時代小説です。 -----story------------- 善人ひとりに、凄腕の悪党たちが大わらわ! 痛快! 人情滴る本格時代小説。 善い人ばかりが住むと評判の長屋に、ひょんなことから錠前職人の「加助」が住み始めた。 実は長屋の住人は、裏稼業を持つ“悪党”たち。 差配の「儀右衛門」は盗品を捌く窩主買(けいずか)い。 髪結い床の「半造」は情報屋(ねたもと)。 「唐吉」、「文吉」兄弟は美人局(つつもたせ)。 根っからの善人で人助けが生き甲斐の「加助」が面倒を持ち込むたびに、悪党たちは裏稼業の凄腕を活かし、しぶしぶ事の解決に手を貸すが……。 人情時代小説の傑作! ----------------------- 今年、時代小説『心淋し川(うらさびしがわ)』で第164回直木三十五賞を受賞した「西條奈加」の作品を読んでみたくなり本書を選択、、、 『善人長屋』シリーズの第1作にあたり、2010年(平成22年)に刊行された作品です。 ■善人長屋 ■泥棒簪 ■抜けずの刀 ■嘘つき紅 ■源平蛍 ■犀の子守歌 ■冬の蝉 ■夜叉坊主の代之吉 ■野州屋の蔵 ■解説 末國善己 真面目で気のいい人ばかりと噂の善人長屋… しかし陰に回れば、大家も店子も裏稼業の凄腕揃い、、、 そんな悪党の巣に、根っからの善人「加助」が迷い込んだ… 人助けが生き甲斐で、他人の面倒を買って出る底な しのお人好し……。 「加助」が持ち込む厄介ごとで長屋はいつも大騒動… しぶしぶ店子たちは闇の稼業で鳴らした腕を揮う! 江戸下町を舞台にした人情味たっぷりの時代小説… 根っからの善人「加助」が親切心から持ち込んでくる厄介事を、差配の「儀右衛門」を始めとする善人長屋の小悪党たちが、裏稼業で鍛えた知恵と経験、スキルを活用して解決するという痛快な展開、、、 もちろん、「加助」には裏稼業のことを知られないようにしなくちゃいけないので、いつもの裏稼業よりも苦労しながら… 悪党とは名ばかりの善人たちの奮闘が微笑ましいし、ミステリ要素もあって愉しめました。 何が善で、何が悪なのか… 改めて考えさせられましたね、、、 火事で亡くなったと思っていた「加助」の妻子の消息が明らかになる『夜叉坊主の代之吉』と『野州屋の蔵』は切なかったですねー ドラマ化しても良いと思いますね… 面白かったので、次も『善人長屋』シリーズを読もうと思います。
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表紙の絵が、物語をいい感じに表している! こんな雰囲気の9つの連作短編。 「善人長屋」と呼ばれている長屋に住むのは 実は裏稼業を営んでいる連中ばかり。 裏の顔を隠すため 表ではなるべく模範的に生きているわけ。 ところが、手違いでそこに 本物の善人・加助が住み着いてしまい 困った...
表紙の絵が、物語をいい感じに表している! こんな雰囲気の9つの連作短編。 「善人長屋」と呼ばれている長屋に住むのは 実は裏稼業を営んでいる連中ばかり。 裏の顔を隠すため 表ではなるべく模範的に生きているわけ。 ところが、手違いでそこに 本物の善人・加助が住み着いてしまい 困った人を連れてきては 「ここなら助けてくれる」とやるもんだから…。 差配(大家)は盗品転売を生業とする儀右衛門。 その娘のお縫ちゃんは、家業も長屋も嫌。 けれど、もめごとをおさめるために力を貸す 美人局の兄弟や詐欺師の夫婦など 店子たちの姿を見ているうちに だんだん意識が変わっていくのです。 持ち込まれるもめごとと解決のしかたに ちょっとミステリ要素があって そこもおもしろかった!
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設定が絶妙。 本棚のカテゴリを「時代もの」としたが、ミステリーとしても面白く、人情ものだけれど、起こっていることは案外と社会派な題材だったりして、さらっと読めるけれどなかなか深い一冊だった。 特に、最後に「善人」加助の物語を知ることで、作品全体の深みが一層増す構成は秀逸。 続編を...
設定が絶妙。 本棚のカテゴリを「時代もの」としたが、ミステリーとしても面白く、人情ものだけれど、起こっていることは案外と社会派な題材だったりして、さらっと読めるけれどなかなか深い一冊だった。 特に、最後に「善人」加助の物語を知ることで、作品全体の深みが一層増す構成は秀逸。 続編を読みたい。
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2023.6.3 読了。 善い人ばかりが住むと評判の通称「善人長屋」こと千鳥長屋に住む住人たちは、故買屋、情報屋、美人局など様々な裏稼業を持っていた。ある日堅気の加助が住人として住まうようになり、根っからの善人である加助は次から次へと人助けが必要とする者を持ち込み長屋の住人たち...
2023.6.3 読了。 善い人ばかりが住むと評判の通称「善人長屋」こと千鳥長屋に住む住人たちは、故買屋、情報屋、美人局など様々な裏稼業を持っていた。ある日堅気の加助が住人として住まうようになり、根っからの善人である加助は次から次へと人助けが必要とする者を持ち込み長屋の住人たちは問題解決に巻き込まれていく。 ☆3.7くらい。 「善人長屋」に住む住人たちに加助が加わったことでなんとも憎めない悪党たちの人情時代小説になっていた。悪党と言っても(江戸の制度では重罪になるが)それぞれが自分の志を持ち、悪党の技術を持って更なる悪党たちを懲らしめる、というような「銭形平次」っぽい物語だった。 善人長屋の住人たちも悪事に手を染めなければならなかった致し方ない理由もあってもっとその辺りのストーリーを深掘りしてほしかった。 個人的には「源平蛍」と「犀の子守歌」が好きだった。 根っからの善人でいざこざを巻き起こす加助にも善人にならなければならない哀しい胸の内を抱えていたことがラストでひっくり返されるように明かされるのも、明るく幸せなだけで終わらせない人生の深さみたいなものが描かれていてそこもまた良かった。
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