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善人長屋 の商品レビュー

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38件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

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2021/12/06

裏の顔を持つ善人が住む千七長屋に紛れ込んだ加助がもたらす騒動を面白おかしく描いたお話。 最後のお話、ハーッピーエンドで終わると思いきや土俵際のうっちゃり。 面白く読み終えました。 次作にも期待です。

Posted byブクログ

2021/11/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

目次 ・善人長屋 ・泥棒簪 ・抜けずの刀 ・嘘つき紅 ・源平螢 ・犀の子守歌 ・冬の蟬 ・夜叉坊主の代之吉 ・野州屋の蔵 ブログをはじめたばかりの頃、読書家の女子高生から相談されたことがあります。 読書好きのおばあちゃんと本の話をしたいけれど、時代小説はハードルが高くて手が出ない、と。 その時にお薦めしたのが西條奈加の「金春屋ゴメス」。 限りなく時代小説っぽいけれど、異世界ものだから読みやすいと思うよ。 その後彼女は、私以上に時代小説にのめり込み(それ以外の本もよく読んでたけど)、おばあちゃんと本の話も弾んだらしいです。 なのに私はしばらく彼女の本から遠ざかっていました。 久しぶりに読んで、「めっちゃ上手くなってるじゃん!」←何様? すっごい読みやすい。 善人長屋の差配の娘お縫いは、この二つ名が腹立たしい。 だって善人長屋に住んでいるのは、裏稼業を持つ悪党たちばかりなんだもの。 なんとか住人たちに足を現わせたいと思っているのだけれど、世の中はそんなに単純ではなくて…。 長屋の住人達は、悪党ではありますが悪人ではありません。 だから困った人を見ると手を差し伸べたいという気持ちは、もちろんある。 しかし、下手に出しゃばった真似をして、本業(というか裏稼業)に支障が出たら身の破滅。 だから普通に善いことはするけれども、面倒には巻き込まれないようにしていた。 そんな時、新たに長屋の住人となったのが、錠前職人の加助だ。 人を信じることしかできず、自分の身を投げ出してまで人を救おうとする加助を見て、周りは何とか手助けをする羽目になる。 それが身の破滅に繋がるかもしれないのに。 善行を施すのに命がけの綱渡りというドキドキ。 もちろん困った人を助ける話は読んでいて心地よい。 加助の登場がまた面白くて、本当は錠前外しの泥棒が中山道の赤坂宿(今の岐阜県大垣市)から身を隠すためにやってくるはずが、タイミングよく江戸の赤坂見附界隈から錠前職人がやってきたもので、勘違いから住みついてしまうのだ。 火事で死に別れたはずの加助の妻を見かけた後半から、一気に話はきな臭くなってくる。 私は単純に妻子を見つけ出し、加助は長屋を出ていってハッピーエンドになるのだと思ったのだけど、そうは作者がおろさない。 人の心というのは複雑極まりない。 差配の娘お縫いも、最初は善悪でしか物事を考えられなかったが、それでは解決できないことも世の中にはたくさんあると、世間を知ることで成長していく。 大事なのは善か悪かではなく、困難に陥っている人を救うことだ。 もちろん善は大切だけど。

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2021/11/23

情に厚い者たちが住む「千七長屋」は「善人長屋」というふたつ名を持つ。 しかし店子たちには、決して知られてはならない裏稼業があった。 その長屋へ堅気の加助が住み込むことになる。 真の善人が持ち込む騒動に皆が振り回される。 鍛冶屋の「源平蛍」が秀逸。

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2022/07/10

″真面目で気のいい人ばかり″と噂の「善人長屋」。 しかし陰に回れば差配も店子も裏稼業の凄腕揃い。 そんな悪党の巣に、根っからの善人、加助が迷い込んだ。人助けが生き甲斐で、他人の面倒を買って出る底なしのお人好し・・・。加助が持ち込む厄介ごとで長屋はいつも大騒動、しぶしぶ店子たちは闇...

″真面目で気のいい人ばかり″と噂の「善人長屋」。 しかし陰に回れば差配も店子も裏稼業の凄腕揃い。 そんな悪党の巣に、根っからの善人、加助が迷い込んだ。人助けが生き甲斐で、他人の面倒を買って出る底なしのお人好し・・・。加助が持ち込む厄介ごとで長屋はいつも大騒動、しぶしぶ店子たちは闇の稼業で鳴らした腕を揮う! 心淋し川で注目した西條奈加さんの本を読んでみようと思いどんな作品があるかと探すと、上の7行の善人長屋の帯に書かれていた文言で今作に興味が沸いた。 まぁ1話完結しながら少しずつ話が進むんだろうなと思ったがその通り。 そして想像より面白かった。 読み進める毎に深まる登場人物のキャラクターが面白くて、微笑ましくもあったり目頭が熱くなったり しながら楽しめた。 閻魔の世直しがシリーズの次巻らしく楽しみが増えました。 2021/06

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2020/12/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2020/12/11 裏稼業持ちばかりが集まる「善人」長屋。 やましいことがあるからいい顔する善人。 だからと言ってみんな悪党じゃないんだよね。 裏稼業があるだけ。 おせっかいが過ぎるけど昔はこうだったのかな。 続きも読もう。

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2020/01/23

住人全員が裏の顔を持つという長屋の面々が繰り広げる裏の特技を活用した人助け、という構成の短編集。 短編なので奥深さに欠けるものの毎回趣向が異なる仕掛けが施されており、かつ人情味溢れる物語は読んでいてとても楽しい。

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2019/06/23

西條奈加さんの作品はいくつか 読ませていただいたのですが 初めて読んだ「まるまるの毬」ほどには 心は動かなかったのですが。 この作品はたくさんの悪党(善人?)たちが 細かく描き分けられていて すごく高い完成度! 物語も作りこまれていて ただただ面白い。 シリーズ3作。続きを...

西條奈加さんの作品はいくつか 読ませていただいたのですが 初めて読んだ「まるまるの毬」ほどには 心は動かなかったのですが。 この作品はたくさんの悪党(善人?)たちが 細かく描き分けられていて すごく高い完成度! 物語も作りこまれていて ただただ面白い。 シリーズ3作。続きを読むのが楽しみです。

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2019/08/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

善人長屋とふたつ名を持つ長屋。実は住人は、皆、裏家業を持つ人ばかり。そこに、根っからの善人、加助が越してきた。長屋の住人を、ふたつ名のとおりいい人達だと信じてる加助は、あれやこれやと人助けやおせっかいを持ち込む。ほとんど病気(笑)長屋の人達は、毎度、このやっかいごとに困り果てながらも、技と知恵を生かして、助けてやります。テンポもよく、現代の犯罪と重なるところもあり、考えさせられながらも楽しめました。いつも、みんなの技でうまくいってるところに、間が悪く、何も知らない加助さんが登場し、読んでる方も、困った人だなと思いながら、またかと笑えます。最後の2編は、加助さんの奥さんの話でしたが…加助さんには、幸せになってもらいたかったです。何が悪で、何が善なのか…。

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2018/01/28

お縫ちゃんをはじめ、長屋の面々のキャラが最高! 登場人物たちの会話も小気味よいので楽しい。 儀右衛門さんを中心に、案を練り、裏の特技で解決していく…。面白い、スカッとする、しみじみする、短編集。 こんな長屋があったら住んでみたいなぁ(笑)。 お縫ちゃんと文吉さんの仲がどう進むかも...

お縫ちゃんをはじめ、長屋の面々のキャラが最高! 登場人物たちの会話も小気味よいので楽しい。 儀右衛門さんを中心に、案を練り、裏の特技で解決していく…。面白い、スカッとする、しみじみする、短編集。 こんな長屋があったら住んでみたいなぁ(笑)。 お縫ちゃんと文吉さんの仲がどう進むかも楽しみ。 次巻も期待!

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2017/10/21

悪盗だけど悪人じゃない。 そんな長屋の人達が、とても魅力的でした。 度を越すほど善人の加助には 「自分一人の力で助けることができないなら、人助けなんてするな!」 と言いたくなるほどイラッとしますが、そこに目をつぶれば、とても楽しい作品だと思います。 善人にイラッとするなんて...

悪盗だけど悪人じゃない。 そんな長屋の人達が、とても魅力的でした。 度を越すほど善人の加助には 「自分一人の力で助けることができないなら、人助けなんてするな!」 と言いたくなるほどイラッとしますが、そこに目をつぶれば、とても楽しい作品だと思います。 善人にイラッとするなんて、私って性格がかなり悪いのかも(笑)

Posted byブクログ