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犬とハモニカ の商品レビュー

3.2

111件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    43

  4. 2つ

    14

  5. 1つ

    5

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2022/09/19

六編の短編集。 江國さんの作品が醸し出す静かでゆったりとした世界観が好き。さまざまな人間の営みのほんの一時期を切り取って、心地よく読ませてくれる文章がいい。 特に好きだったのは、「犬とハモニカ」。 国際空港の到着ロビーを行き交う人々の人生を描いた短編。 ちょっとホラーな雰囲気の...

六編の短編集。 江國さんの作品が醸し出す静かでゆったりとした世界観が好き。さまざまな人間の営みのほんの一時期を切り取って、心地よく読ませてくれる文章がいい。 特に好きだったのは、「犬とハモニカ」。 国際空港の到着ロビーを行き交う人々の人生を描いた短編。 ちょっとホラーな雰囲気のものや好みではないものもあったのですが、江國さんの文章だと自然に読めてしまうのが不思議。 個人的に他作品と比べると合わなくて、物足りなく感じたのが残念だった。

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2021/07/28

本作品には初めて触れたが、江國香織の文章に漂う、生ぬるい、何かの食べ物の匂いがする空気感に身を浸しているのが心地良くて、何度も読み返したくなる。「ピクニック」「アレンテージョ」が好きだった。「短編小説を書くことは、いつも旅に似ています」と著者がコメントしているけれど、読んでいるこ...

本作品には初めて触れたが、江國香織の文章に漂う、生ぬるい、何かの食べ物の匂いがする空気感に身を浸しているのが心地良くて、何度も読み返したくなる。「ピクニック」「アレンテージョ」が好きだった。「短編小説を書くことは、いつも旅に似ています」と著者がコメントしているけれど、読んでいるこちらも短い旅をしている気分になれる一冊。

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2020/03/19

風景描写が好きです。この本を読んでいるとわたしもこう感じているな、と気づくことができます。呼吸を思い出すように。

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2020/01/15

1つだけ、夕顔っていう源氏物語の現代語訳(たぶん)が肌に合わず途中で読むのやめちゃったけど、全体的に面白い短編集だった

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2018/10/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

甘やかな夢のような日々。 己の幸せを噛み締め、笑い合い、快楽を貪る。 けれど夢から覚めると冷たい現実と孤独が待っている。 あの情熱は何だったのだろうか、と途方に暮れ放心しながらも現実を受け止めるより仕方ない。 6編の短編は国や時代は異なるけれど、甘美な夢と寂しい現実の落差に思い悩むのはいつの世も何処でも同じ。 中でも『源氏物語』の『夕顔』の現代語訳が面白い。 元々内容は知っているけれど、光源氏の女性に対する「お戯れ」を「チューインガムほどの気晴らしにもならない」とする辺り、少々手厳しい。 江國版光源氏はちょっとあっさりしてるかな。 嫉妬に狂った六条御息所の江國版も読んでみたい。

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2018/08/10

全然違う人種や国の人たちの物語。ただ単に、あーそうか、世界にはいろんな人がいていろんな生き方があっていろんな考え方があるんだなと思った。 先日、空港のセキュリティにならんでいた前のおばさんも彼女の世界があって二度と会うこともないんだなとなんだか切ない。

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2020/02/03

短編集。犬とハモニカは、川端康成文学賞受賞。騒然とした空港にさまざまな人が降り立ってくる。この心模様を軽快なタッチで表現しています。 ピクニック、外で見るほうがあなたが見える。あらゆる動物は気配で自分の存在を主張するという彼女。ピクニックが好きな二人。風、芝生、自分という存在を意...

短編集。犬とハモニカは、川端康成文学賞受賞。騒然とした空港にさまざまな人が降り立ってくる。この心模様を軽快なタッチで表現しています。 ピクニック、外で見るほうがあなたが見える。あらゆる動物は気配で自分の存在を主張するという彼女。ピクニックが好きな二人。風、芝生、自分という存在を意識するということ。なんかわかります。 アレンテージョ、ゲイの二人のポルトガルへの旅行。旅だね。独特の雰囲気、世界観が、読み手にも旅を感じさせます。

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2018/06/09

さまざまな国のさまざまな人の悲しみと喜びが交差する国際空港での人間模様を描いた『犬とハモニカ』など6つの短編。 5年越しに付き合っていた不倫相手と別れた直後の男の心理的変化を書いた『寝室』 恋に溺れた女性の不安や孤独をみずみずしい感性で書いた『おそ夏のゆうぐれ』 結婚して5年。公...

さまざまな国のさまざまな人の悲しみと喜びが交差する国際空港での人間模様を描いた『犬とハモニカ』など6つの短編。 5年越しに付き合っていた不倫相手と別れた直後の男の心理的変化を書いた『寝室』 恋に溺れた女性の不安や孤独をみずみずしい感性で書いた『おそ夏のゆうぐれ』 結婚して5年。公園でピクニックをして妻の手料理を食べるのが習慣になっている一見幸福そうな夫婦の心理的な溝を書いた『ピクニック』 源氏物語を現代風に訳した『夕顔』。 同性愛カップルのひと夏のバカンスを繊細かつユーモラス書いた『アレンテージョ』 どれもじっくりと読み返したくなる味わい深い素敵なお話でした。アレンテージョのなかに出てくるシュールな8人の老女は実在だそうだけど、正体が気になります。

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2018/05/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編小説は、話から話へ旅をするように思う。 様々な人がそれぞれの物語を持って立つ空港、五年越しの恋人と別れて妻を新鮮な目線で眺める男性、恋人の一部を飲み込んだ女性、自分の妻を魔女だと感じている夫がその妻とするピクニック、「源氏物語」の夕顔の話を江國さんが訳した一編、全てにおいて誠実でそれ故に不実だという恋人を持った男性のその恋人との旅の出来事。 どれもわたしの好きな江國さんの言葉や文章で語られる、特別だけれど(誤解を恐れずに言えば)ありふれた、すてきな一編だった。 個人的には「おそ夏のゆうぐれ」が好き。 孤独は誇りだった、なのに彼が現れたことで何かが決定的にわたしの中で変わってしまった。 苛立ちを感じるのに、その一方でどうしようもなく彼を感じている自分がいる。 その感覚をこんなに美しい日本語にできる人を、わたしは江國香織さんしか知らないようにすら思ってしまうから。

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2018/04/13

再読了。 6つのお話。 人はひとりでは寂しいから寄り添う相手を求めるけど 心はひとりを求めて孤独を求める。 それが心地よくて よく晴れた青空を見上げてる気分になれるから好き。 解説にある「短編小説を書くことは、いつも旅に似ていますます」 読み返す度に色を変える青空を見上げられて嬉...

再読了。 6つのお話。 人はひとりでは寂しいから寄り添う相手を求めるけど 心はひとりを求めて孤独を求める。 それが心地よくて よく晴れた青空を見上げてる気分になれるから好き。 解説にある「短編小説を書くことは、いつも旅に似ていますます」 読み返す度に色を変える青空を見上げられて嬉しいです

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