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アグルーカの行方 の商品レビュー

4.1

41件のお客様レビュー

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2024/08/18

探検家がどういうことをしているのかが分かる本。 極限状態を生き抜く生命力に平伏します。 同行した荻田氏もかなりのもので、思わず笑ってしまう一幕もあります。 こういう探検家が居ないと、人類は広がらなかったので(ごく少数でも)必要な人種なのだと思います。

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2023/09/04

北西航路の探検に向かい全滅した部隊とイヌイットの中でアグルーカとして伝わる男の話をベースにしながら、作者自身がそのルートをたどる話。 全滅した部隊の極限状態における行動と作者自身が北極で行う行動が段々リンクして、当時の人たちの気持ちさえもわかるような気がしてくる。 探検そのもの...

北西航路の探検に向かい全滅した部隊とイヌイットの中でアグルーカとして伝わる男の話をベースにしながら、作者自身がそのルートをたどる話。 全滅した部隊の極限状態における行動と作者自身が北極で行う行動が段々リンクして、当時の人たちの気持ちさえもわかるような気がしてくる。 探検そのものに魅入られた人たちの話でもある。

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2022/12/17

prime videoでザ・テラーをみてフランクリン隊の悲劇を知ったので読んだ。 自身の冒険とフランクリン隊の調査をかさねての描写が生々しかった。 読み終わってもうすこしフランクリン隊のことを知りたくなった。

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2022/11/15

アグルーカと呼ばれた男たちは、一人ではなかった。そのことが、さまざまな憶測と伝聞を生み、真実が靄の中に包まれていく。 最後まで息も吐かせない冒険の数々とミステリー。 角幡さんの極地行の初期作品なので、珍しく同行者がいるのも面白い。そして、後の『極夜行』につながる、GPSや衛星電話...

アグルーカと呼ばれた男たちは、一人ではなかった。そのことが、さまざまな憶測と伝聞を生み、真実が靄の中に包まれていく。 最後まで息も吐かせない冒険の数々とミステリー。 角幡さんの極地行の初期作品なので、珍しく同行者がいるのも面白い。そして、後の『極夜行』につながる、GPSや衛星電話への疑問なども盛り込まれていて、読み応え満点。 あと、ツンドラの夏は蚊が酷い、と亡くなった祖父(遺骨収集のためにシベリアに行ったことがある)が言っていたのを思い出した。極地は季節を問わず、人を寄せ付けない所らしい。

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2022/04/09

2012年発行、集英社の単行本。1840年代の北西航路を発見するための冒険で全滅したフランクリン隊と、その伝説に沿って冒険したノンフィクション。フランクリン隊はどのような軌跡をたどってなぜ全滅したのか。私の認識だと同時代の探検ではかなり悲惨な部類にはいるのではないか。それだけに興...

2012年発行、集英社の単行本。1840年代の北西航路を発見するための冒険で全滅したフランクリン隊と、その伝説に沿って冒険したノンフィクション。フランクリン隊はどのような軌跡をたどってなぜ全滅したのか。私の認識だと同時代の探検ではかなり悲惨な部類にはいるのではないか。それだけに興味があって読んでみた。内容はノンフィクション部分が多かったが、定説の全滅した地点より南に向かっていた生き残りの伝説を追っていて、作者は現地の状況からありうるものとして書いている。証拠はもう見つからないだろうが、興味深い。

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2021/11/28

★時間軸で深みをつくる北極圏探検記★160年前の英国人隊が探り壊滅した北西航路を2人でたどり、追体験する探検記。未踏の地がほぼなくなった現在、ただの探検記は成立しない。あえて苦境の中に身を置くことで、歴史書だけでは分からない当時の人々の思いを探る。縦軸の歴史と、横軸の探検記をかけ...

★時間軸で深みをつくる北極圏探検記★160年前の英国人隊が探り壊滅した北西航路を2人でたどり、追体験する探検記。未踏の地がほぼなくなった現在、ただの探検記は成立しない。あえて苦境の中に身を置くことで、歴史書だけでは分からない当時の人々の思いを探る。縦軸の歴史と、横軸の探検記をかけ合わせた。 食料を調達するために鳥を撃つのは抵抗はなく、卵を奪ったり魚を釣ったりするのは問題ない。ただ、牛を撃つのは大きな躊躇を感じる。体の大きさ、相手の抵抗が生命の実感を生むのか。銃を使う時点で差はないのかと思っていた。善悪の差ではないのは著者も十分に分かっているが、極限の地でもその感覚が生じるのか。 現代でも、こうした探検を成し遂げる体力と知力と精神力、そして準備は素晴らしいとしか言いようがない。氷の中の生活や食事といった迫力のある描写はわくわくする。せっかくなのでもう少し写真も見たかった。しかし、極地で暮らしている人にとっては、生活圏をスノーモービルも使わずにわざわざ徒歩で数十日も探検する外国人はどのような存在なのだろうか。 探検のなかでGPSを使う葛藤が興味深い。白一面の北極圏のなかでその日の目的地に辿り着いたかどうかの判断は表示される座標だけ。目的地に達した視覚的な実感はまったくないというジレンマを抱えている。それがなかった当時の探検の過酷さは比ではない。 隊が確認されている氷と雪の中の行程という前半だけかと思ったら、湿地帯を進む後半の二段構えになっている。そのことは最初に記さず、ただ冒頭の地図では全体像が示されているので、違和感があった。書物の構成はなかなか難しい。

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2020/06/12

北西航路を開拓することに全力を注いでいた19世紀の英国、フランクリン船長率いる探検隊が北極で失踪します。 彼らに何があってどこへ消えたのか、今でも謎のままなのです。 著者と同伴者による実際の探索・探検、文献等による検証・研究によって構成されています。 後者の検証・研究も大変興味深...

北西航路を開拓することに全力を注いでいた19世紀の英国、フランクリン船長率いる探検隊が北極で失踪します。 彼らに何があってどこへ消えたのか、今でも謎のままなのです。 著者と同伴者による実際の探索・探検、文献等による検証・研究によって構成されています。 後者の検証・研究も大変興味深いのですが、前者の探索・探検があまりにも壮絶なためにそちらを読んでいる間は気が抜けませんでした。 イヌイットに伝わる“アグルーカ”と呼ばれる人物をヒントに真相に迫ります。 手に汗握る内容ですがとても読みやすく、心から楽しめた冒険譚です。

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2020/01/11

アグルーカとは「大股で歩く者」というイヌイットの言葉。約160年前に129人全員が死亡したという英国の探検隊のルートをたどる著者たち2人の冒険行が、過去と重ねつつ語られるところが、この本の面白いところ。イヌイットの中に語り継がれるフランクリン隊の生き残り3名のリーダーだったという...

アグルーカとは「大股で歩く者」というイヌイットの言葉。約160年前に129人全員が死亡したという英国の探検隊のルートをたどる著者たち2人の冒険行が、過去と重ねつつ語られるところが、この本の面白いところ。イヌイットの中に語り継がれるフランクリン隊の生き残り3名のリーダーだったというアグルーカが実は誰だったのか。隊は本当にこの段階で、全滅していたのか?北極海を行くということが、陸を行く以上に乱氷、そして温度上昇による足元の氷解の恐れとの闘い。北極クマ、そして飢餓との闘い。飢餓の中で出会った麝香牛の一群。その中の一頭を撃ち殺したところが、出産直後で小さい子牛が群れから離れて生き残る場面。その子牛が怒りをぶつけるかのように、叫んで突進してくる場面はあまりにも悲惨な印象に残る出来事だった。クマや狼との心の交流も面白い。過去多くの探検家たちが命を落とし、その痕跡をたどりながら、フランクリン隊や他の探検隊の死因が鉛中毒、脚気、飢餓などが分かってくる怖い世界。

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2018/05/06

GWに読了。 19世紀の北西航路を探す旅で乗組員が全滅したミステリー。その航路を追いながらその謎を追ったけど、結局は「生きる」旅になってた。そして奇しくもそれは、19世紀のフランクリン隊と同じ景色を見つめる旅になったんだろうと思う。スゲー面白かった。生きていく罪悪感と、明確な理由...

GWに読了。 19世紀の北西航路を探す旅で乗組員が全滅したミステリー。その航路を追いながらその謎を追ったけど、結局は「生きる」旅になってた。そして奇しくもそれは、19世紀のフランクリン隊と同じ景色を見つめる旅になったんだろうと思う。スゲー面白かった。生きていく罪悪感と、明確な理由もなき冒険を求める生存感の両立。

Posted byブクログ

2018/02/04

極北で、かつて姿を消した大英帝国海軍探検隊の軌跡を追ったルポルタージュ。 生きていることの意味が生々しく表れる、筆者がジャコウウシを仕留めるシーンは、この本のハイライト。私は思わず一旦キンドルからめをそむけてしまった。

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