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ソクラテスの弁明 の商品レビュー

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72件のお客様レビュー

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2025/01/11

前に読んだ倫理学の本(の中の登場人物)がプラトンの「国家」を絶賛してきたので、じゃあ読んでみようかと思ったら、とんでもない大作だったので、もう少しライトなものからにしようと、「饗宴」と本作を手にとった。 以前、岩波かなんかで読もうとして、たったの100ページちょっとなのに挫折し...

前に読んだ倫理学の本(の中の登場人物)がプラトンの「国家」を絶賛してきたので、じゃあ読んでみようかと思ったら、とんでもない大作だったので、もう少しライトなものからにしようと、「饗宴」と本作を手にとった。 以前、岩波かなんかで読もうとして、たったの100ページちょっとなのに挫折したことがあるが、いつものように光文社古典新訳文庫だととても読みやすくて助かった。 東大総長が卒業式で「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」と言ったとか言わなかったとか諸説あるが(JSミルの言葉を不正確に引用した式辞原稿のこの箇所は結局は本番では読まれなかったが原稿を紙で貰っていたマスコミが本番発言と照合もせずに誤報を飛ばした、というのが真実であるらしい、閑話休題)、その有名なソクラテスが自分の死刑裁判で最後に何を語ったか、と言う点、興味があったのだが、高名な「無知の知」はここで語られていた。 ポリスを馬に自分をアブに喩えていたのが面白い。 相手が怒っている事実そのものが、自分が真実を語っている証拠だ、という主張は、論理学的真実は無いけれど、人間心理的には高い確率で当たっているよなあ、と思った。 P59 死というものを誰一人知らないわけですし、死が人間にとってあらゆる善いことのうちで最大のものかもしれないのに、そうかどうかも知らないのですから。人々はかえって、最大の悪だとよく知っているつもりで恐れているのです。実際、これが、あの恥ずべき無知、つまり、知らないものを知っていると思っている状態でなくて、何でしょう。 P65 その大きさゆえにちょっとノロマで、アブのような存在に目を覚ませてもらう必要がある馬、そんなこのポリスに、神は私をくっ付けられたのだと思うのです。

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2025/01/03

古典を読むのは大変だった。 紀元前の人たちが、このような論理的思考が出来ることが意外だし、もう少し自分も頑張りたい

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2024/12/14

自分はインドのOSHO(ラジニーシ)が語るように、哲学とは思考の中をぐるぐる回るだけで真理に到達することはないようなスタンスでいたのですが、この本を読んで感銘を受けました。ブッダの生き様や教えに出会って受けた刺激のように、ソクラテスも超クールでかっこいいですし、彼は哲学という範疇...

自分はインドのOSHO(ラジニーシ)が語るように、哲学とは思考の中をぐるぐる回るだけで真理に到達することはないようなスタンスでいたのですが、この本を読んで感銘を受けました。ブッダの生き様や教えに出会って受けた刺激のように、ソクラテスも超クールでかっこいいですし、彼は哲学という範疇では語れないほどの人物なのではないでしょうか。

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2024/09/22

難しそう、と言う理由だけで読んでいなかったのを後悔しました。講談社文庫、岩波文庫からも出版されていますが、最も現代語に近いとおもわれる光文社バージョンをまず読んでみました。(…実は講談社バージョンを最初に買ったのですが、引越しの際実家に持って帰ってどこに行ったかわからなくなってし...

難しそう、と言う理由だけで読んでいなかったのを後悔しました。講談社文庫、岩波文庫からも出版されていますが、最も現代語に近いとおもわれる光文社バージョンをまず読んでみました。(…実は講談社バージョンを最初に買ったのですが、引越しの際実家に持って帰ってどこに行ったかわからなくなってしまいました…) 難しいと思わずに、青年にこそ読んでほしい。ソクラテスほどの哲学者でありながら、知識、知恵に対して何と謙虚な姿勢であることか!! まずは自分の態度知識に対して恥いるばかりです…。

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2024/05/26

哲学書の古典だと身構えていたが、法廷を舞台にしたエンタメ小説かと思うくらいの読みやすさ。 特にメレトスの告発を鮮やかに論破する「新しい告発への弁明」は、日曜劇場のような爽快感。 加えてソクラテスは、彼が死刑に抗わなかった理由にまで一本の筋を通していて、さながら少年漫画の主人公のな...

哲学書の古典だと身構えていたが、法廷を舞台にしたエンタメ小説かと思うくらいの読みやすさ。 特にメレトスの告発を鮮やかに論破する「新しい告発への弁明」は、日曜劇場のような爽快感。 加えてソクラテスは、彼が死刑に抗わなかった理由にまで一本の筋を通していて、さながら少年漫画の主人公のなのだ。

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2024/05/08

2000年前に生きた哲学者の言葉に時代を超えて感銘を受ける。自分の死をもって裁判員の愚かさを指摘するソクラテスはまさに偉人。そして健気に彼の言葉を書き残したプラトンのお陰で私たちが彼の考えを知ることができる。感謝。 無知の知はよく知られているが、人を裁こうとすると、より一層人から...

2000年前に生きた哲学者の言葉に時代を超えて感銘を受ける。自分の死をもって裁判員の愚かさを指摘するソクラテスはまさに偉人。そして健気に彼の言葉を書き残したプラトンのお陰で私たちが彼の考えを知ることができる。感謝。 無知の知はよく知られているが、人を裁こうとすると、より一層人から裁かれることになるというのはまずもって現代でもその通り。人を呪わば穴二つということだろう。 また彼の死に対する考え方も新鮮だった。死をまだ経験したことがないのに恐れるということは知らないことを知っていると考えている証拠だと。死はあらゆる善のなかで最上のものかもしれないのに。 確かにそうだ。だけど自分が殺される直前になってもそのように信念を貫き通せる人がどれくらいいるかということだ。

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2024/02/09

自分の死(死刑判決)をもって自らの哲学を体現するという哲学者としての生き方がまさに「徳」と感じた。この作品から感じること、考えることを発信することは野暮な気はするが、言葉一つでここまで心を動かせることに感銘を受けた。 同世代の友達はこれを読んで何を思うだろうか。

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2024/01/06

メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1743539462544695631?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

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2023/10/21

 ソクラテスは、「徳」について、様々な人と対話する生活を送っていた。しかし、70歳頃、「不敬神」で告発され、裁判にかけられる。神への不信で訴えられたが、実際は、対話によって生まれた中傷や妬みが原因だとソクラテスは主張する。私たちは物事を知っていると思う市営に強い批判をぶつけている...

 ソクラテスは、「徳」について、様々な人と対話する生活を送っていた。しかし、70歳頃、「不敬神」で告発され、裁判にかけられる。神への不信で訴えられたが、実際は、対話によって生まれた中傷や妬みが原因だとソクラテスは主張する。私たちは物事を知っていると思う市営に強い批判をぶつけている。  「不知」と「非知」の区別を主著氏、多くの人が分かったつもりになっているという発言は、個人的に耳が痛くなる忠告だった。アテナイの人も現代の私たちも何事も分かったつもりで日々を過ごしていることが多いのではないだろうか。現代でいえば、ソクラテスは曖昧に日々を過ごしている人からは嫌われる人物だったのであろう。しかし、本書が語り継がれている事実がある限り、「知ること」の重要性は変わらない。

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2023/09/10

ギリシアで誕生した人類初の哲学者と言われるソクラテスに関する本。知を愛し求めるという哲学について学び始めるきっかけとして良い本だと思う。 無知の知という言葉だけは知っていたが、その日本語表現自体が適切ではないということが驚きであった。 自分は知らないことを知らないと思っている、自...

ギリシアで誕生した人類初の哲学者と言われるソクラテスに関する本。知を愛し求めるという哲学について学び始めるきっかけとして良い本だと思う。 無知の知という言葉だけは知っていたが、その日本語表現自体が適切ではないということが驚きであった。 自分は知らないことを知らないと思っている、自覚している、ということが、少なくとも知ったかぶりをしている人よりは知恵がある、という解釈から、知らないことを認知する、メタ認知は大事だと感じる。そういう認知があるからこそ、知ろうとする行動につながる。知っているということはそれを明確に証明できてこそである。知っている、と、思っている、では違う。無知の知、ではなく、不知の自覚、という表現が相応しい。 死を知らないからこそ、死を恐れない、また正しいことをして死を恐れない、むしろ間違ったことをして生き続けるよりは死を貫くというところにソクラテスがデルフォイで受けた神託を契機とした哲学の探求があるのだと思った。

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