光圀伝 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
お見事! ただ史実をまとめたような話とは違う 途中2回ほど涙 大義とは 史誌を編纂する意味とは 大義を果たすため、共に苦労を分かち合う人たちとの心の交流、 またその仲間を自分の手で打たなければならない苦しみ 『天地明察』の算哲も出てくるなど非常に面白かった
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13.07.14 読破。 激情たる情熱を滾らせる光圀。 その情熱を1つの目標に向かわせようとする所が非常に心打たれた。 少しでも見習いたい。 まずは、仕事に自分の情熱をぶつけたい。 悶々としているくらいなら、行動にうつすべきだ!
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★★★★☆ 徳川御三家の水戸光圀の一代記。ちょくちょく前作の天地明察の主人公とクロスオーバーするあたりグッときた。 こういうベタな小説好き! 歴史小説の冲方さんは、非常に読みやすい。 ----------------------------------------------...
★★★★☆ 徳川御三家の水戸光圀の一代記。ちょくちょく前作の天地明察の主人公とクロスオーバーするあたりグッときた。 こういうベタな小説好き! 歴史小説の冲方さんは、非常に読みやすい。 --------------------------------------------------------------------------------------- なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのか―。老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。血気盛んな“傾奇者”として暴れ回る中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。やがて学問、詩歌の魅力に取り憑かれ、水戸藩主となった若き“虎”は「大日本史」編纂という空前絶後の大事業に乗り出す―。生き切る、とはこういうことだ。誰も見たこともない「水戸黄門」伝、開幕。
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久々の冲方作品。 感動!あまりにも素晴らしき一冊。先の楽園のカンヴァスと共に、鮮やかに記憶に残る物語。 冲方作品の魅力はその人物たち。吉川作品を彷彿とさせる剣豪と和尚、若き光圀とのやりとりは、まさに過去のあの二人を彷彿とさせる。「冲方、実にあざとし」。そして、あまりにも魅力的な...
久々の冲方作品。 感動!あまりにも素晴らしき一冊。先の楽園のカンヴァスと共に、鮮やかに記憶に残る物語。 冲方作品の魅力はその人物たち。吉川作品を彷彿とさせる剣豪と和尚、若き光圀とのやりとりは、まさに過去のあの二人を彷彿とさせる。「冲方、実にあざとし」。そして、あまりにも魅力的な読耕斎と泰姫。才能に溢れ、情熱と意志を持ち、天の時を得て光圀の元に現れる二人。その一挙手一投足は実に痛快。 長編ではあるが、次々に躍り出る英傑達。迷う時、その生き様は必ずや喝を入れてくれるだろう。 「頑張れ、世子どの」
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真っ向勝負の歴史小説で気持ち良く読めました。前半生部分は、自由闊達なストーリー展開と人物造形が楽しめました。後半生部分は、歴史上の事実や事跡を丹念に追いかけながら示される作者の歴史解釈が楽しめました。戦国時代も遠くなり徳川幕府が施策を文治主義に転換していく過程で、儒教思想(堅苦し...
真っ向勝負の歴史小説で気持ち良く読めました。前半生部分は、自由闊達なストーリー展開と人物造形が楽しめました。後半生部分は、歴史上の事実や事跡を丹念に追いかけながら示される作者の歴史解釈が楽しめました。戦国時代も遠くなり徳川幕府が施策を文治主義に転換していく過程で、儒教思想(堅苦しくて好きではありませんが…)の影響と光圀と周囲の人たちの果たした役割が上手に語られています。光圀の蒔いた種が勤皇思想を育て、後々の幕府終焉の発端に至るという経緯に、歴史の皮肉をあらためて感じさせられました。
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誰もが知っている徳川光圀=水戸黄門の、本当の人となりとはどんなものだったのか?冒頭からしてドラマで見かける好々爺のイメージは木っ端微塵にされ、そして圧倒されるがままに光圀の半生の奔流に飲み込まれていく。 親や兄への思慕と不信を持ちながら、自信の志のままに自分勝手にけれど自分にどこ...
誰もが知っている徳川光圀=水戸黄門の、本当の人となりとはどんなものだったのか?冒頭からしてドラマで見かける好々爺のイメージは木っ端微塵にされ、そして圧倒されるがままに光圀の半生の奔流に飲み込まれていく。 親や兄への思慕と不信を持ちながら、自信の志のままに自分勝手にけれど自分にどこまでも素直に光圀は生きる。やがて持ちえた「大義」をまっとうせんとする彼のもとには、彼にほれ込んだ者達が集まってくる。あるいは光圀が引き込んでくる。そうしていつしか彼は彼の引け目をクリアしていき、さらなる大目標へも突き進んでいく。けれそのためには、あまりに人の生は短い。度重なる別れがそのことを突きつける、彼の心を突き刺してくる。けれども、光圀は幾度と立ち上がり、亡者の想いをも背に乗せて、あくまで歩みを止めない。人の世は短くはかない、だからそれゆえにその人の思いを次につなげることの大事さを知りゆき、さらに「史書」のために尽力をつづける。 その、実直な生き様が、力強い筆運びによって、ときに痛快にときに哀切に迫ってくる。話のボリュームをこれでおさめるために、もっと盛り込もうと思えば盛り込めただろうと思われる合間合間の描かれなかった挿話も知りたいと思えるほどに、魅力ある人物伝だった。 もちろんすべて真実だとは思わない。けれども、そんなのは問題ではなくて、ただただ、描かれている光圀がとても、とても素敵だったということだけが重要で、つまりが、すごく面白かったのです、ということだけを、力強く言いきりたい。 人一人は本当に小さい存在だ。けれども、人がつなげていくこの世界は、こんなにも大きくなっているのだ、と、改めて思わされた。
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あまりの厚さに躊躇したけれども この作家の語り口は好きなので 読み始めたら引き込まれた まったく知らない一面で 優れた人は苦悩の深さも人一倍なのだなと感じた
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大奥の水戸嫌いという言葉は知っていたが、江戸の初期からもうそんな状態だったのがうかがえて、なるほどと思った。 父の頼房や正之にも興味が出てきた。
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長子ではないにもかかわらず、徳川御三家の水戸家の世子となって しまったが故に「なぜ自分なのか」と葛藤に悩む若き日の光國。 ”傾奇者”として荒れた青年時代を過ごすが、詩歌や歴史書などを通じて 己の”義”を貫き通す人生を歩み始める。 しかし"義"を通す為には様々な...
長子ではないにもかかわらず、徳川御三家の水戸家の世子となって しまったが故に「なぜ自分なのか」と葛藤に悩む若き日の光國。 ”傾奇者”として荒れた青年時代を過ごすが、詩歌や歴史書などを通じて 己の”義”を貫き通す人生を歩み始める。 しかし"義"を通す為には様々な苦難が立ちはだかっていた・・・。
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とても面白かったです。長編であり、内容もかなり難しいですが。天地明察より重く、そこがまた面白いですね。
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