幸せの条件 の商品レビュー
「大切なのは、誰かに必要とされることじゃなく、自分の必要なのは何か、自分自身で見極めること・・・」 誉田さんって、いろいろ書くんだなぁ。農業とか、バイオエタノールだなんて、びっくり。・・・それにしても、いろんな作家さんが震災のことを書いてるな。忘れちゃいけないのに、忘れかけてて、...
「大切なのは、誰かに必要とされることじゃなく、自分の必要なのは何か、自分自身で見極めること・・・」 誉田さんって、いろいろ書くんだなぁ。農業とか、バイオエタノールだなんて、びっくり。・・・それにしても、いろんな作家さんが震災のことを書いてるな。忘れちゃいけないのに、忘れかけてて、思いがけない形で思い出させられて、本読みでよかったなって思うけど、今でもブアッと映像や写真で見た光景が押し寄せてきて、一瞬ページをめくる手が止まってしまう。でも、辛くても、泣きながらでも、読む。その先には希望や勇気や救いがあると信じながら。
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警察ものではない作品で、いつもの元気少女パターンでもない、今までとは異なる惰性で生きている感じの女性を主人公に据えて、その成長譚として描いているので、とっつきはあまり良くないが、農業にのめりこんでいくあたりから話が進む。また今現代を描く作品の常として避けて通れない大震災を話に盛り...
警察ものではない作品で、いつもの元気少女パターンでもない、今までとは異なる惰性で生きている感じの女性を主人公に据えて、その成長譚として描いているので、とっつきはあまり良くないが、農業にのめりこんでいくあたりから話が進む。また今現代を描く作品の常として避けて通れない大震災を話に盛り込んでおり、こういう作品も福井敏晴が直截的にタイムリーに扱った以降、ぼつぼつと出始めているが、扱いが難しいので皆、試行錯誤状態であり、本作でも作中で登場人物に体験させており、これをきっかけに更に農業に前向きに取り組むということで、割と上手く話に織り込んでいる。話としては会社にお前の代わりは幾らでもいる言われた女性が、代わりとならない自分がしたいことを選ぶことが重要であるということがテーマとなっており、それがたまたま農業だったということではあるが、日本が抱える農業の問題とかを上手く盛り込み、話の結末は尻切れトンボ的ではあるものの、敢えて考えさせるようにしているのかもしれない。確かに作者にとっての新境地ではあったが、やはりネガティブな少女よりもポジティブな少女を描いた方が、この作者には合っているように思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
広告などで『ストロベリーナイトの誉田哲也の新境地!!』とぶち上げられていたが いろんな意味で煽り文句に偽りなし、な印象だった。 先ずは主人公の梢恵ちゃんのキャラ造形。 ぽーっとしていてヘタレで素直で、今までの誉田作品にはいないタイプ。 (強いて言うなら武士道シリーズの早苗ちゃんがいちばん近いかな) 若い男子はなんだかなーってのが多かった。特に彼氏は何だありゃって感じ。 その代わりっちゃー難だが、30代以上のそこそこ年齢行った人たちが素敵だった。 特に、片山社長とか、茂樹さんとか、 オヤジ特有の理不尽(失礼)を突き通しながらも最終的には正論を吐く パッと見横暴なオヤジたちがカッコよかったのには吃驚だった。 バイオエタノールとか、まやかしの食料自給率とか、農業用語の解説とか、 目から鱗が落ちるテーマが多くてその辺も楽しめた。 個別で見るとすっごいたくさんテーマが詰め込まれてるんだけど それが散漫にならなくて農業という根幹に集約されてくるのがぞくぞくした。 ラストはオチが着いたんだか着いてないんだかちょっと曖昧でそこがよかった。 未来を感じることができて。 梢恵ちゃんにはもう1年コメ作りをしてもらって、その結果をまた読みたいな、と思う。 それにしてもこの本といい、『空飛ぶ広報室』といい、 1年経ってそろそろ震災絡みの小説が文芸書として出揃ってきた気がする。 片山社長が梢恵ちゃんに「お前はもう要らないんだよ」と言ったところと 梢恵ちゃんが長野から帰ってきて震災に遭遇しちゃったところは 電車の中で(`・ω・´)←こんな顔になりながら読んでた(笑)。 …震災関係の話題はまだ胸に刺さるなぁ。
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誉田哲也の意欲作というか、これまでにない作風の作品でしたね。 内容はある中小企業に勤める平凡なOLが、社長の鶴の一声で、農家まわりをすることになり、その中の一軒の農家に成り行き上、住み込みで働くこととなって、農業体験をしながら、農業しいては人生の尊さを認識するという話です。 社会...
誉田哲也の意欲作というか、これまでにない作風の作品でしたね。 内容はある中小企業に勤める平凡なOLが、社長の鶴の一声で、農家まわりをすることになり、その中の一軒の農家に成り行き上、住み込みで働くこととなって、農業体験をしながら、農業しいては人生の尊さを認識するという話です。 社会的な問題の農業問題やエネルギー問題に鋭く切り込んだ意欲作ですね!非常に面白かったです。 会社が特定の人間を必要とするのではなく、結局はその人自身がその会社を必要としているのかが働くということにおいて大事だという話は思わず唸りましたね。
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誉田哲也の今までとは畑がチョット違う作品です。 個人的にはバイオエタノール反対派なのですが(食物を使用することに納得いかないので)この作品でも紹介されていた利用価値の無い籾殻等でバイオエタノールが作られたら、アリだと思う。 農業のHOW TO 本みたいな作品ですが、面白く読め...
誉田哲也の今までとは畑がチョット違う作品です。 個人的にはバイオエタノール反対派なのですが(食物を使用することに納得いかないので)この作品でも紹介されていた利用価値の無い籾殻等でバイオエタノールが作られたら、アリだと思う。 農業のHOW TO 本みたいな作品ですが、面白く読めました。 出来れば農業のインチキな点をもっとフューチャーしても良かったのでは? 農水省のカロリーベース自給率なんて日本でしか使っていない点は、嘘まみれの日本政府の内部事情なのでしょうか?
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バイオエタノールから農家修行、3.11からさらに農業、そして最後にバイオエタノール。 姫川シリーズとは完全に別路線。武士道シリーズともちょっと作風が違うような… 誉田哲也の新境地か?
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惰性で働いていた女性が、 長野で農業に携わる事により成長していく。 内容を知らずに借りたので 「ラブコメ」に続く農業物にビックリ。 震災遭遇に更にビックリ。 終盤〜結末があっけなくて拍子抜け。 【図書館・初読・9/11読了】
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「むしろな、梢恵、大切なのは誰かに必要とされることなんかじゃないんだ。本当の意味で、自分に必要なのは何か、それを自分自身で見極めることこそが、ホントは大事なんだ・・・・」の 片山社長の言葉、いただきました? 彼氏にも会社にも見放された24歳女子でも、出来るんだと思うと羨まし...
「むしろな、梢恵、大切なのは誰かに必要とされることなんかじゃないんだ。本当の意味で、自分に必要なのは何か、それを自分自身で見極めることこそが、ホントは大事なんだ・・・・」の 片山社長の言葉、いただきました? 彼氏にも会社にも見放された24歳女子でも、出来るんだと思うと羨ましい。 バイオエタノールが今後どう変わってくのかも興味が出てくるし、改めて震災って作家さんにも凄い大きな影響を与えたんだと感じました。 凄くいい本でした。
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日々淡々と”仕事”していた女子が、単身農村へ行くことに… 農家の仕事って大変だなぁ。田植えと稲刈りをちょこっと手伝ったことあるけど、ホントに一部しか手伝っていなかった事がよく分かった。 農業をやる事で、「仕事」とは、「生きていく」とはを掴んでいく女子の話。 いい話。
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警察小説で有名な誉田さんではありますが、 武士道シリーズなども書かれているだけに、 主人公のごく普通の若ぃ女性や同僚たちが、 とても素直で、ステキに描かれていました。 特に、ト書きに書かれた主人公の胸の内は、 とてもキュートでしたね。 ふつぅのお仕事小説も、 農業やエネルギーと...
警察小説で有名な誉田さんではありますが、 武士道シリーズなども書かれているだけに、 主人公のごく普通の若ぃ女性や同僚たちが、 とても素直で、ステキに描かれていました。 特に、ト書きに書かれた主人公の胸の内は、 とてもキュートでしたね。 ふつぅのお仕事小説も、 農業やエネルギーといった題材も、 誉田さんにとっては、恐らくはじめての素材で、 そぅいった意味では、本作品は、 チャレンジングな作品だったのでは、と思いますが、 とてもうまくまとまっていて、よぃ作品でした。 一般的な経済小説(家)であれば、 海外の大規模農業やエネルギービジネスを核に、 エリート商社マンや投資家による魑魅魍魎とした ビッグビジネスの世界を描きそぅなところでそぅが、 本作品は、最近の農業法人(農業の株式会社化)を核に、 日本国内での課題を、さりげなく浮き彫りにしています。 農業と震災(放射能問題)、農業とバイオエタノールと、 課題とされるところは、常に明確ですし、 けっこう勉強になる情報も出てきますが、 基本的には、都会に暮らすごく普通の若ぃ女性が、 社命で農業と出会ぅことから始まる成長ストーリーです。 なので、軽ぃ気持ちでどぅぞ。楽しく読めると思います。
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