黒沼 の商品レビュー
怖い話は小学生に需要あり! ちょっと難しいかもしれないけど、高学年で読むのが好きな子にはピッタリなのでは? なかなかに怖い話。しかも日常にありそうでさらに怖い。けどじーんとする話もあり。 児童書あるあるは怖い本とうたってイマイチ怖くない話だけど、これはよき。
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2019.6.16読了。色んなとこに載っていた小話を一冊にまとめたものだけあってバラエティに富んでいたが、にしても前半と後半の対象年齢の差が激しい気がする。それだけ作者は幅を持たせて書ける人だったんだな。「忘れもの」で思わずスワンプマンだ!と思ってしまった。「黒沼」からタイトルのフォントも変わって一気に対象年齢が上がった感じがした。まあ前半は「学校のこわい話」だから致し方ないのだけど。「ねこ屋」は完全に『下町不思議町物語』に出てきた喫茶店だろう。コーヒー特別美味しいわけではないのか…。「海を見ていた」は蟲師に出てきた話を連想させたタイトルは忘れたが一瞬の生を生きているが故に世界の美しさが凝縮されており短い生を満足して終えていく蟲が出てくる話だった。「春 茶屋の窓辺にて候」は獣の奏者のイアルを思い起こさせるし、偶然の一致なのか私が読む本の傾向なのか似た内容が出てくるのはなんだか不思議な感じがする。最後の話は勢いで書いたから時代考証がないとあとがきにあり違和感に納得した。表紙は今までの香月日輪シリーズとは一線を画した不気味さが感じられる。
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前半は子供向けの学校の怪談。学校というのは昼間は大勢の人がいるせいか、人気のない教室や人が少なくなった放課後はちょっと不気味だ。校舎が古びていたなら尚更 。 後半は短い怪異譚。全体的にいつの時代、どこの場所ともわからないし、それほど怖くもないしどこかで聞いたことがあるような話だが...
前半は子供向けの学校の怪談。学校というのは昼間は大勢の人がいるせいか、人気のない教室や人が少なくなった放課後はちょっと不気味だ。校舎が古びていたなら尚更 。 後半は短い怪異譚。全体的にいつの時代、どこの場所ともわからないし、それほど怖くもないしどこかで聞いたことがあるような話だが、昔はよくこういった話を身近に感じていた。だからなのかどこか懐かしい気もする。 表題作の「黒沼」は続編があるらしい。
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前半は小学生向けの「学校の怪談」。怖くはないが、なんだか懐かしい気持ちになった。自分の本好きのルーツは小学校の図書館だったなぁと懐かしく思い出した。学校の怪談も全巻借りて読んだけど、あの当時はやっぱり怖くて、友達と一緒に読んだ記憶。 後半はちょっと不思議ないい話とテーマ不明の時代...
前半は小学生向けの「学校の怪談」。怖くはないが、なんだか懐かしい気持ちになった。自分の本好きのルーツは小学校の図書館だったなぁと懐かしく思い出した。学校の怪談も全巻借りて読んだけど、あの当時はやっぱり怖くて、友達と一緒に読んだ記憶。 後半はちょっと不思議ないい話とテーマ不明の時代物。いい話は少しきれいにまとめすぎている感あり。時代物は、なんとなく浮いている気が…短編だからいれたのか?
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子供故の無邪気な残酷さが怖い。最後に載っていた脚本を改訂した「春 茶屋の窓辺にて候」は読み物としても面白かった。芝居にしたらどんな風になったのだろう?
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ちょっと怖い、こう、背筋にツツーっとくる感じ。夏にはいいかもしれないけど、夜に一人で読むと私は後悔しそう
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いかにも作られた怪談という感じがする話が多かった。しかも参考文献が同じなのか杉浦日向子の百物語に似たシチュエーションがいくつもあり、新鮮味にかける気がする。個人的にはやはり怪談は実話系が面白いと思う。
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怪談やホラーを中心としたショートショート集。構成が大きく四つに分かれている。 「このさき、危険区域〜学校のこわい話」は、学校の怪談が七編。子供向けなのですが、えげつない怖さのものも含まれている。『鬼ごっこ』が好み。 「黒沼」は短編1本。不思議で優しい話。 「譚の部屋」は、少しノス...
怪談やホラーを中心としたショートショート集。構成が大きく四つに分かれている。 「このさき、危険区域〜学校のこわい話」は、学校の怪談が七編。子供向けなのですが、えげつない怖さのものも含まれている。『鬼ごっこ』が好み。 「黒沼」は短編1本。不思議で優しい話。 「譚の部屋」は、少しノスタルジックで哀しい雰囲気のあるショートショートが九編。鬼車が怖い。 最後に「春 茶屋の窓辺にて候」は時代物で、こわい話と言えなくもないが、ここに並ぶのは違和感あり。 寄せ集めの短編集のため、少し物足りないところもありますが、いろいろな作風の作品に触れることができるのはうれしい。
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ちょいと子供向けなのはしょうがないが、バラエティに富んだ内容で十分楽しめた。 読者対象を低く設定した方がこの作者の作風には合っている気がする。 この作者のハードなホラーを読んでみたい、それが叶えられないのが残念でならない。
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怖い話は、お好きですか? 学校で起こる怖いこと。 子供の心は無垢(と大人は信じている)。 だから、残酷なことができる。 正しいとか、正しくないとか、そんな考えで天秤を揺らさない。 どんな人にも、物にも、平等に優しく、冷たい。 それが無垢なのだとしたらもしかしたら子供は「神」その...
怖い話は、お好きですか? 学校で起こる怖いこと。 子供の心は無垢(と大人は信じている)。 だから、残酷なことができる。 正しいとか、正しくないとか、そんな考えで天秤を揺らさない。 どんな人にも、物にも、平等に優しく、冷たい。 それが無垢なのだとしたらもしかしたら子供は「神」そのものなのかもしれない。 「ランドセルの中」 隙間にまさしは何かを見る。 黒い物。 影。 エサを与えてやると喜んでいるようだ。 「正しい」話なら、まさしはその影の餌食になるかもしれないが、そうはいかない。 まさしは大きなエサを与えるのみ。 そして何かは消えた、かもしれない。 ペットは大事にしないと、ね? 「呪い」 優しい義人くんのお母さん。 気丈で、落ち着いていて。 そしていつもいたわってくれる。 でも人は変わるし、心は表に出ている表情とは全く違う時もある。 だから私たちはそれを察知して嫌がるのだろう。 影でコソコソ何かをされるのを。 「鬼車」 待ち望んだ子を無事産んだものの、産後の肥立ちが悪く女は死んだ。 残した子を心配してか、女は度々さまよいでる。 なぜ女はずっとさまよい続けているのか? この話の怖さは人を恨む、という気持ちに対するものが一番大きいが、それと同等に、「母は子を思って当然」という常識に対するものもある。 私のの常識は、自分一人のものかもしれない、それがかみ合わないが故の悲劇。 そこに私は背筋が凍る思いがした。
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