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おもかげ復元師 の商品レビュー

4.5

58件のお客様レビュー

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2012/09/18

絵本が同時に出ています。僕は、絵本のほうが気に入りました。 一冊にしてしまえばいいのになあ。この本は生前の「おもかげ」を戻すことが、遺族にとってどれだけ心の癒しになるのか、ということがメイン。 だけど震災の時には、折れそうになる心をなんとか鞭打って、自分の髪の毛を使ってまでな...

絵本が同時に出ています。僕は、絵本のほうが気に入りました。 一冊にしてしまえばいいのになあ。この本は生前の「おもかげ」を戻すことが、遺族にとってどれだけ心の癒しになるのか、ということがメイン。 だけど震災の時には、折れそうになる心をなんとか鞭打って、自分の髪の毛を使ってまでなおすという話。 絵がほんわかとしていますが、なかなかハードです。

Posted byブクログ

2012/09/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

以前読んだ笹原さんという復元納棺師のお話。 今回は、東日本大震災のときのことだけではなく 様々な死に、向き合った時のことが書いてあります。 でもやっぱり心に残るのはあの日のこと。 「おばあちゃん、ごめんなさいね。となりにね、小さなお子さんが一人でいるの。あの世に旅だつときは、一緒に手をつないで行ってあげてもらえませんか」------。 3.11のあと現地へ赴き、数え切れないほどのなきがらと対面、述べ300名以上の故人をボランティアで復元し、見送ってきた笹原さん。悲しみにくれる遺族が「死」を受け容れる、その手助けをするために笹原さんがこだわっていることは「復元する」こと。 悲しみの果てで、彼女を突き動かしていたものは、あの日どうしても復元してあげることのできなかった、小さな少女のなきがらでした。 泣くことを我慢して、読める本ではなかった。 そして、我慢して読む必要もないと思った。 この人の強さと、優しさに、本当に心が洗われるようでした。

Posted byブクログ

2012/09/09

2012年8月にNHKスペシャルで、著者の活動を放送されたのを見て、この本を買いました。 ご本人も岩手県北上市にお住まいで、東日本大震災で被災しつつも、納棺師としてボランティアで、ご遺体を復元し、最期のご家族との別れを見送る人。 読みながら涙があふれて、最後のページまで泣きっぱな...

2012年8月にNHKスペシャルで、著者の活動を放送されたのを見て、この本を買いました。 ご本人も岩手県北上市にお住まいで、東日本大震災で被災しつつも、納棺師としてボランティアで、ご遺体を復元し、最期のご家族との別れを見送る人。 読みながら涙があふれて、最後のページまで泣きっぱなしでした。 印象に残ったことばがあります。これだけのお仕事をされておりながら、ご自身を「わたしは弱い人間です」とおっしゃられている。ゆえに、打ち明けたり、相談できる人がいることが必要だとも。

Posted byブクログ

2012/09/08

読みながら何度涙をこらえたかわかりません。 復元納棺師として、故人のおもかげを復元して、生前の姿に近付けてあげる著者。 東日本大震災では津波の被害にあって、損傷の激しい亡骸を元の元気な姿にするボランティアをされていました。 おもかげがなくなって、死を受け入れられない家族に、復...

読みながら何度涙をこらえたかわかりません。 復元納棺師として、故人のおもかげを復元して、生前の姿に近付けてあげる著者。 東日本大震災では津波の被害にあって、損傷の激しい亡骸を元の元気な姿にするボランティアをされていました。 おもかげがなくなって、死を受け入れられない家族に、復元をしてあげて、「お父さんだ!」と家族みんなが泣き出した話を始め、納棺師としての話から復元ボランティアの話までが書かれています。 短編集で軽すぎると評する人もいるようですが、児童書も出しているポプラ社だけに、中高生にも読みやすいという点でよいと思います。

Posted byブクログ

2012/08/21

納棺師という著者の職業、そしてその視点から語られる震災の様子に興味を持ち本書を手に取ったが、涙腺的には最初から最後まで全ページがクライマックスだった。損傷が著しく、そのままでは家族が目も向けられない遺体であっても、著者が処置を施すことで生前のような笑みを取り戻し、遺された家族はよ...

納棺師という著者の職業、そしてその視点から語られる震災の様子に興味を持ち本書を手に取ったが、涙腺的には最初から最後まで全ページがクライマックスだった。損傷が著しく、そのままでは家族が目も向けられない遺体であっても、著者が処置を施すことで生前のような笑みを取り戻し、遺された家族はようやく最後の別れをすることができる。 仕事で日常的に遺体に接している著者でも、東日本大震災での死者のなきがらの状態はショックで耐えきれなかったという。震災から1年経った今、津波によって変わり果てた姿の遺体の修復ボランティアに奔走した著者の体験を読み、震災がもたらした壮絶な現実を改めて痛感した。 外で読んでいても我慢し切れずぼろっと涙が落ちてしまう程、深い感動を与える貴重な一冊である。

Posted byブクログ

2012/08/17

最期のお別れで、きちんと向きあえれば残された人はまた前へ進んでいくことができる。良い思い出、最期の笑顔が心にあれば支えとして生きていけるのかもしれない。その手伝いをしてくれる復元師という仕事があることを子供にも知ってもらいたいと思った。 それにしてもNスペみて子供を残して死んだ...

最期のお別れで、きちんと向きあえれば残された人はまた前へ進んでいくことができる。良い思い出、最期の笑顔が心にあれば支えとして生きていけるのかもしれない。その手伝いをしてくれる復元師という仕事があることを子供にも知ってもらいたいと思った。 それにしてもNスペみて子供を残して死んだ親の辛さがこたえた。夢に出て伝えたいよねって。

Posted byブクログ

2012/08/17

生前のおもかげを復元する納棺師。数えきれない別れの現場に立ち会ってきた経験がつづられる。3.11後の復元ボランティアについても。 涙なしでは読めないので通勤のお供には向かない。

Posted byブクログ

2012/08/09

笹原さんが亡くなった方の顔にそっと触れて。心をこめてマッサージをして紅をさすとき、きっとそこに命への希望の灯がともる。 亡くなった身体の冷たさは、残された家族に非情な現実を突きつける。心の整理のできていない状態で触れるその冷たさに、言いようのない拒絶を感じてしまう。 笹原さんの手...

笹原さんが亡くなった方の顔にそっと触れて。心をこめてマッサージをして紅をさすとき、きっとそこに命への希望の灯がともる。 亡くなった身体の冷たさは、残された家族に非情な現実を突きつける。心の整理のできていない状態で触れるその冷たさに、言いようのない拒絶を感じてしまう。 笹原さんの手が温めたその頬は、残された人間の心に赦しを与えてくれる。神の手なのだ、きっと。 被災地から遠く離れていたとしても、何も被害を受けていなかったとしても、今、この瞬間ここに生きている人間として、私たちはやはりあの日を忘れてはいけない。

Posted byブクログ