百年法(下) の商品レビュー
不老不死を手に入れた人類は究極の幸福も手に入れたはずなのに、この物語の世界に漂うなんとも言えない閉塞感。 今の日本にも通じるものがあるのかもしれない。 本当に国家や国民の幸せを願う政治家が必要だと感じた。
Posted by
「百年法」下巻突入。百年の期限が来ても死を選ばず逃走する人々「拒否者」彼らもコミュニティを形成し暮らしていた。年々増加する同時多発的ガンを疑問に思う医師加藤は診察帰りに連れ去られ、ある人物の診察をすることに。。 物語も大統領直属の特殊部隊「センチュリオン」の投入からハラハラする展...
「百年法」下巻突入。百年の期限が来ても死を選ばず逃走する人々「拒否者」彼らもコミュニティを形成し暮らしていた。年々増加する同時多発的ガンを疑問に思う医師加藤は診察帰りに連れ去られ、ある人物の診察をすることに。。 物語も大統領直属の特殊部隊「センチュリオン」の投入からハラハラする展開が続く。他にも阿那谷を名乗る謎の人物の行方、遊佐失脚を目論む南木の策略なども目が離せない。クライマックスは驚きの事実が明らかに。登場人物の活躍は?日本の未来は?お楽しみに♪
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「百年法」山田宗樹 読了。不老化の社会をSFを織り混ぜた未来。人が永遠に追い求めた不老を得た時に、その先にあるものとは。それを主軸に国家とは、政治とは、選挙とは、文明とは。時期的に衆院総選挙にも重ねてしまいそうになる。IPS細胞の未来にも今年は科学の進歩にも注目が集まり、人間が目指す先のことを照らす。この作品の最後では誠実な人物が世界を牽引し、若者が世界を救う。未来に希望を照らす。今年読んだ小説でマイベスト5に入る。
Posted by
上は第三版だったが,この下は第四版~仁科ケンは母を見送って成り行きでHAVIを受けず,大学を卒業して薬品会社に就職した後,大学の恩師から大量の農薬を山中の拒否者ムラに融通し,拒否者のコミュニティーに係わるようになっていた。その恩師が病を得たことで医者ごとメディカルバンをムラに持っ...
上は第三版だったが,この下は第四版~仁科ケンは母を見送って成り行きでHAVIを受けず,大学を卒業して薬品会社に就職した後,大学の恩師から大量の農薬を山中の拒否者ムラに融通し,拒否者のコミュニティーに係わるようになっていた。その恩師が病を得たことで医者ごとメディカルバンをムラに持ってきたのだが,ドクター加藤に危害を加える意図はない。案の定センセーと呼ばれるムラのリーダーはSMOCで余命幾ばくもないことが判明する。その頃,東京駅構内で爆弾テロが起こり,首謀者は安那谷を名乗った。拒否者の記憶を無理矢理引き出した共和国警察は永久王国を急襲してリーダーの阿那谷童仁を捉えようとしていたが,大統領直属の特殊部隊センチュリアンが乗り出してきた。そこには木の枝で首を吊った拒否者がいるばかり,リーダーの元刑事・戸毛も拳銃で自殺していた。ケンは中部の拒否者のとりまとめをしている中部の新州都に赴き,東京で由基美と再会を果たすが,伝説のテロリストのムラが壊滅する様子を見て,自分が住んでいたムラが襲われたことを知る。2つの現場から辛くも逃げおおせたガイを怪しむ気や,解放した医師が口を滑らせた可能性もある。医師に会いに行くと,そんな様子はなく,警察に手配されている事を伝え,逃がしてくれると疑いは晴れた。やがて母が最後を迎えた紫山TCで出頭者数名を使った自爆テロが起こり,またも安那谷童仁が犯行声明を出し,ケンはその首謀者と目されているらしいことを知る。東京の拒否者ムラの代表から呼び出されると,偽造IDを制作していたガイは大統領暗殺計画を切り出す。仲間が検挙され,警察の特捜部長である香川の呼び出しに応えたが,センチュリアンの横槍で拘束され大統領府のフジ・パレスのシェルターに監禁されてしまう。紫山のテロは警察と大統領補佐官が自作自演し,在位40年を過ぎた大統領に辞任を迫る遊佐首相を国家反逆罪に落とすために仕掛けだった。遊佐が首相官邸で身動きがとれない中,警察局長の兵藤はSMOCに倒れた牛島大統領からセンチュリオンの指揮権を譲られたとクーデターを画策するが,牛島は自分が指揮を執れなくなった場合の措置として指令0号を用意していた。それは首相の指揮下に入れとの命令だった。クーデターを乗り切った日本にHALOO本部から,HAVI摂取は今後16年間にSMOCを発症して死に絶えるとの知らせが舞い込む。遊佐は独裁官制度を20年限定で敷いて窮地を乗り切ろうと国民投票を決意し,牛島も賛成を呼びかける演説最中に死を迎える応援を実行する。20年後,議会制が戻ってくる直前の第四代独裁官はケンだった~SFの常套手段として「心配することはなかった・・・自然に反する行為は自然から報復される」って感じ?
Posted by
上巻を読み終わった時は、下巻どうなるのかと 上巻がなかなか興味深い展開だっただけに 一抹の不安?が。 それも、下巻後半で、思い切り吹き払われました。 想像以上の展開で、非常に面白かったです。 手に取られたかたは、必ず最後まで読み切ることをお薦めします。
Posted by
私の読んだ小説では2012年で一番だった。そもそも表題がちょっと引くものだし、かつ未来小説(ほぼSF)にも関わらず、だ。 技術的にそんなことがあり得るのかはともかく、人間は遺伝子レベルで不老を手に入れる。 山中教授がIPS細胞でノーベル賞を受賞したタイミングなのでむしろリアリティ...
私の読んだ小説では2012年で一番だった。そもそも表題がちょっと引くものだし、かつ未来小説(ほぼSF)にも関わらず、だ。 技術的にそんなことがあり得るのかはともかく、人間は遺伝子レベルで不老を手に入れる。 山中教授がIPS細胞でノーベル賞を受賞したタイミングなのでむしろリアリティーが出たかもしれない。IPS細胞は人間のどの臓器でも再生出来る可能性があり、これが血液や脳まで対象となると確かに不老不死が可能かもしれないと思われる。 さて、不老を手に入れたら日本人は100年でこの世を去らなければならない。そのことが人間の倫理観をおおきく狂わせる。個人レベルでも国家レベルでも。 生きたい人間のエゴと、支配したい政治家のエゴ、そして世界が混乱すると考える科学者や官僚。これらが見事に交錯する。 ちょっと脱線して面白いのは良く出て来るバーのカクテルの命名。これは小説でのお楽しみ。 とにかくスケールが大きく、難しいテーマを緻密に計算して組み立ててある。隙がない。 そして最後の20−30ページで現れる大きな変化。結局は誠実で世界観をしっかり持った人間が世界を救う。そして世界を作るのは若者達だ。 このスケールの内容ならハリウッド映画が乗り出してもおかしくない。映画化を期待したい。
Posted by
これは政治家全員に読ませたいな~。 笹原、遊佐の男気、香川もいい味出してるし なんだかんだ言って牛島もいいやつだし、う~ん。 男とはこうあってほしいっていうお手本のような人たちがいっぱい。 展開は王道な感じで意外性はあまりないのだけど 設定の面白さにやられた。 読み終わった後、誰...
これは政治家全員に読ませたいな~。 笹原、遊佐の男気、香川もいい味出してるし なんだかんだ言って牛島もいいやつだし、う~ん。 男とはこうあってほしいっていうお手本のような人たちがいっぱい。 展開は王道な感じで意外性はあまりないのだけど 設定の面白さにやられた。 読み終わった後、誰かとこの国について議論したくなるような本。
Posted by
凋落の一途をたどる日本、「百年法」を巡る争いも過酷を極めます。二転三転するストーリーに大どんでん返しで迎える大団円。その結末は、はかなくも美しい。最高のエンタテインメントでした。
Posted by
上巻でのエピソードがきれいに着地してスッキリした読後感。政治権力闘争は嫌気がするが最後の畳み掛ける展開は予定調和ながら夢中になってしまう。自然に逆らったり悪い事をしたりするとしっぺ返しがあるよと言う教示か…帯の今年エンタメ決定版に嘘はなかった。
Posted by
内容(「BOOK」データベースより) 不老不死が実現した社会。しかし、法律により100年後に死ななければならない―“生存制限法”により、100年目の死に向き合うことになった日本。“死の強制”をつかさどる者、それを受け入れる者、抗う者、死を迎える者を見送る者…自ら選んだ人生の結末が...
内容(「BOOK」データベースより) 不老不死が実現した社会。しかし、法律により100年後に死ななければならない―“生存制限法”により、100年目の死に向き合うことになった日本。“死の強制”をつかさどる者、それを受け入れる者、抗う者、死を迎える者を見送る者…自ら選んだ人生の結末が目の前に迫ったとき、忘れかけていた生の実感と死の恐怖が、この国を覆う。その先に、新たに生きる希望を見出すことができるのか!?構想10年。最高傑作誕生。
Posted by