黒死荘の殺人 の商品レビュー
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初のディクスン・カー いわく付きの屋敷に交霊会に殺人に色々てんこ盛りの幕開け。 前半ちょっと取っ付きにくくて休み休みしながら読んだ。後半はほぼ一気に読み終えた。 H・M卿、くせつよ。 正直犯人も殺害方法も全く検討つかずにただただなるほどね〜って読んでた。巧妙に伏線が張られてたりしてたんだ。 このシリーズも割と続いてるっぽいからまた読もうかな。
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再読。初読がいつだったかは思い出せないが、メイントリックは記憶している。悪名高い藤原宰太郎の推理ゲーム本という地雷を踏んでいたから。今読むとクソつまらない話が延々と続くので、眠気が襲ってきて閉口したが、不可能興味はいやはや流石はカーだなあ、と。ミスディレクションもあっぱれでした。
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ヘンリ・メルヴェール卿シリーズの一冊目。 曰く付きの幽霊屋敷、交霊会、血塗られた過去、密室殺人。これでもかと好きな要素満載の一冊。犯人も以外で面白かった。
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満を辞して、いつか読もうと思っていたカーについに手を出した。 怪奇趣味全開の前半は少し読みにくかったが、殺人が起こったあたりから徐々にハマっていき、これがカーの密室か〜という感じで、全体的にはとても面白かった。 今だとややもの珍しさは下がるが、トリックはとても独創的。ルイス・プレージの短剣が巧妙なミスディレクションとなっている。 そして意外だったのが、密室以外の部分も結構力が入っているところ。 ジョゼフの正体を見抜くのはさすがに難しいが、「これから見張りをさせる人物にモルヒネ注射を認めるなんて、こんな馬鹿げた話はないだろう?」というH.M卿の言葉にはやられた。これは気づけなかったのが悔しい。 探偵のH.M卿も好みだったし、カーの作品は引き続き読んでいきたい。
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1934年作。カーター・ディクスン名義で、探偵役ヘンリ・メルヴェール卿が初登場した作品。 原題「The Plague Court Murders」のPlagueはまさにペストのことだから「黒死荘」となる。小栗虫太郎の珍作『黒死館殺人事件』も連載されたのは1934年なのだが、タ...
1934年作。カーター・ディクスン名義で、探偵役ヘンリ・メルヴェール卿が初登場した作品。 原題「The Plague Court Murders」のPlagueはまさにペストのことだから「黒死荘」となる。小栗虫太郎の珍作『黒死館殺人事件』も連載されたのは1934年なのだが、タイトルに関してリアルタイムにパクったんだか、どうだか。 作者の「怪奇趣味」は今回は、事件の背景にある降霊術や「呪われた幽霊屋敷」の要素に現れている。が、そういう雰囲気が色濃いのは最初の方だけで、結局は理詰めで真相を暴いてゆくのだから、最後には超自然的要素は払拭され人為のみが問題になる。この点は、やはり怪奇小説的な楽しみとは全然違うところで、ちょっと肩すかしを食らってしまう。 本作も例によって「密室もの」である。どうしてカーはそんなに密室殺人が好きなのかよくわからないが、一見ありえなさそうなことを遂行するという犯罪のパズルがそんなに面白いのだろうか。あり得ない→あり得た、というプロセスが、辛うじて怪奇小説のスタイルと幾らか似ているのかもしれない。 『夜歩く』(1930)は描写が充溢しすぎていて読みにくいところがあったが、本作ではやや地の文体が抑制され、おかげでスムーズにストーリーが流れる。 しかし、あまりにもややこしい「真相」が、どうにも私にはすっきりしなかったが、本格推理小説のマニアならメモでも取りながら読み、本当にパズルを解くような読書に喜びを見いだすのかもしれないなと思った。
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久々のカー!カーの作品は、火刑法廷、皇帝のかぎ煙草入れ、ユダの窓など読んできたが、おもしろかった記憶はとてもあるのに内容が全く思い出せない…勿体ない。本作はヘンリメリヴェール卿の初登場回。降霊会や曰く付きの館など怪奇趣味が全面に出ておりその雰囲気まで楽しめる。密室殺人がでてくるが、ハウダニットよりフーダニットがおもしろかった。まさかずる賢い妙齢の女性が知恵遅れの冴えない青年に化けてるなんて!またマスターズ警部の部下が犯罪に絡んでいたとは!終盤の怒涛の展開が良かった。また哀しい終わり方も好き。
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建物や周囲の状況の描写が少し読みにくかった。 じっくり時間をかけてひとつひとつ確認して納得しながら読んだほうが面白いと思う。 ストーリーはよかったです。
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初めて読んだカーター・ディクスン(ジョン・ディクスン・カー)の作品。 幽霊屋敷、降霊会、密室殺人... こういったワードだけで、ワクワクして読み進めました。 自分で推理してみたのですが全く分からず...笑 ヘンリ・メリヴェール卿(H.M)の解決編を読んで納得しました。 19...
初めて読んだカーター・ディクスン(ジョン・ディクスン・カー)の作品。 幽霊屋敷、降霊会、密室殺人... こういったワードだけで、ワクワクして読み進めました。 自分で推理してみたのですが全く分からず...笑 ヘンリ・メリヴェール卿(H.M)の解決編を読んで納得しました。 1930年代のロンドンが舞台で、降霊術や霊媒といった設定に馴染むのに少し時間がかかりましたが、前半の不気味な屋敷の描写やトリックの見事さに圧巻でした。
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カーター・ディクスンというのはこんな小説を書くのだ、というイメージどおりでまるで見本のような本。前半のゴシックロマン風の展開は何となく読みにくかった。じっくり読んでいけばそれなりの味が出てくるのだと思うし、思わせぶりの複線っぽいものが次々と出てきて興味深いのは確かなのだけど、や...
カーター・ディクスンというのはこんな小説を書くのだ、というイメージどおりでまるで見本のような本。前半のゴシックロマン風の展開は何となく読みにくかった。じっくり読んでいけばそれなりの味が出てくるのだと思うし、思わせぶりの複線っぽいものが次々と出てきて興味深いのは確かなのだけど、やっぱり「早く本題に入れ」という気分が否めない。実際に事件が起きて、本命の名探偵HMが出てきて俄然おもしろくなる。そこからはラストまで、勢いのまま読みふけることができる楽しさで、前半はいわば助走の長さなのだなと思う。 どう考えても不可能きわまりない密室殺人のトリックは、××を使うというもの。これにはまったく驚いた。というのは、この密室トリックはあまりにも有名で、実際にこの本を読む前に知っていて、しかも「こんな子供だましなトリック、だれがひっかかるものか」なんて出典も知らずに思っていたものだからだ。実際に作品の中に溶け込んでくると、これがすばらしい効果を上げていて、しかも最後の最後まで、このトリックが使われていることに気づかない。改めて、そのあたりがミステリの醍醐味、密室殺人の巨匠カー(カーター・ディクスン)のすごさなのだと改めて舌を巻いてしまった。このびっくり感だけでも読む価値はある。
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いまいちストーリーに入り込めませんでした。 同じカーでも、『ユダの窓』や『皇帝のかぎ煙草入れ』は私好みですが、『火刑法廷』やこの『黒死荘の殺人』などはどうも肌に合わないようです。
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