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冥土めぐり の商品レビュー

3.1

157件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    33

  3. 3つ

    66

  4. 2つ

    20

  5. 1つ

    8

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2023/05/12

2話載っている本です。 1話目の冥土めぐりは芥川賞受賞作のようですが、私には何が言いたいのか、良さがさっぱり分かりませんでした。 2話目は少し面白いと思いました。

Posted byブクログ

2022/02/23

『冥土めぐり』 第147回芥川賞受賞作。 強欲で陰湿な母親と弟に、金をたかられ食い物にされる主人公とその夫。母親と弟が本当に嫌な人物で読んでいて気分が悪くなった。実家に対しての主人公の主体性の無さが目立ち、読んでいてもどかしかった。そういう気持ちが沸き起こるのだから、著者の狙いは...

『冥土めぐり』 第147回芥川賞受賞作。 強欲で陰湿な母親と弟に、金をたかられ食い物にされる主人公とその夫。母親と弟が本当に嫌な人物で読んでいて気分が悪くなった。実家に対しての主人公の主体性の無さが目立ち、読んでいてもどかしかった。そういう気持ちが沸き起こるのだから、著者の狙いは成功してるのかもしれない。脳の病気を患い杖をつき、車椅子生活の夫。主人公は無職の夫を支え、かいがいしく世話をする。タイトルの冥土めぐりとはどういう意味なのか最後まで言及されなかったが、主人公たちが訪れる母の過去の思い出のホテルを、死者が訪れる冥土になぞらえているのかもしれない。 『99の接吻』 冥土めぐりよりも面白かった。3人の姉を愛する末っ子の菜菜子が主人公。少女趣味的ではあるが、無垢な愛が描かれている。

Posted byブクログ

2020/04/18

最近、純文学を受け付けなくなってしまった…。心が、耕されることを全く望んでなくて、他人の過剰な表現意欲についていけなくなってしまっている。もっとサービスしてほしい。俺を楽しませてくれ!と仕事の反動で感じるようになってしまった。こちらから本や作者に寄り添うような読み方が、いつの間に...

最近、純文学を受け付けなくなってしまった…。心が、耕されることを全く望んでなくて、他人の過剰な表現意欲についていけなくなってしまっている。もっとサービスしてほしい。俺を楽しませてくれ!と仕事の反動で感じるようになってしまった。こちらから本や作者に寄り添うような読み方が、いつの間にか出来なくなってしまった。これはこれで、受け入れないとな。心が荒んでいるのか、それとも満たされているのか。いずれにせよ、純文学は食傷気味です。多分、本の評価も、純粋な評価とはほど遠い、日記のような評価になっています。参考にしないこと。

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2018/10/20

母と娘。何となく不思議な関係。母からの束縛から逃れようとするが、無垢な子供のようになった病気の夫がそれを手助けしてくれる。

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2018/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

レビューに足すことがあるとも思えないのだけれど。母親が白黒の8ミリをカラーにしたい(たぶんデジタル化)というがやっていない、これは結構応えた。カラーにしたいという、でもしてない。お金が入ると美食する。なんかその感覚がとても実感が持てる。 99の接吻のラストのグロスの質感。口紅ではなく。この人ならではの切り取り方。

Posted byブクログ

2017/05/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

鹿島田真希さんが芥川賞を授賞した作品を収めた「冥土めぐり」を読了。受賞作「冥土めぐり」と「99の接吻」の2編が収められている短編集で、両作品ともに共通するのが心理描写がとても素晴らしいと言う点だ。  「冥土めぐり」は過去の自分の境遇の華美な部分から落ちぶれた今でもそのイメージにしがみつき離れられない母と弟との切っても切れない息苦しい関係と地方公務員で結婚した後病気になり身障者になった夫との暮らしでのなかで生まれる不思議な救いの時間を描いた作品だが、この決して幸せとは言えない境遇下で主人公が密かに見つける幸せな時間にひたる主人公の心の動きの描写が素晴らしい。  「99の接吻」では父親が不倫の結果家を出ていった家庭に残った4人姉妹と天然な感じの母親との微妙なバランズの上に成り立っている日々を描いた作品だが、末娘が捉える長女、次女、三女の姉達の描き分けが巧妙で、僕ら男性ではたぶん理解できない女性同士の不思議なコミュニケーションが見事に描き出されていて、それを読むときに感じるわかりそうでわからないむずむずした感じが決して不快ではなかった。  二つの作品とも読んでいて共感をもってのめり込める世界は決して描かれていないのだがが、「冥土めぐり」では過去の出来事、記憶の中を旅しながらいまの自分を不思議にほっとさせる環境を語る主人公の姿に小さな救いを感じる事が出来たし「99の接吻」では今日、今の出来事に振り回される女性5人の暮らしの中で成長して行くの大人になりかけの少女の二人の主人公から感じた永遠にわかり得ないだろう存在である女性への畏れというものを今一度思い出させてくれるので、読書の楽しみは得られないが人の幸せとはということを考えさせてくれるので読んで損のない作品ではあると思った。  そんな短いページ数の中で過去、現在、未来へ短時間でワープする感じを持たせてくれる作品を読むBGNに選んだのが Arnie Rossの ”Arnie Ross sings with Mulligan"だ。 マリガンのバッキングが渋い。 https://www.youtube.com/watch?v=wpuWMzdgjI4

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2016/11/03

表題作は奈津子が母と弟の愚痴をもろに受けてそれを耐える話だが,夫の太一とのコンビネーションが絶妙だ.太一は障碍者ではあるが天然の大らかさで奈津子を間接的に守っている感じだ.落ちぶれたホテルの旅は前向きであり,後ろ向きでもあるようだ.「99の接吻」は芽衣子,萌子,葉子の行動を私・菜...

表題作は奈津子が母と弟の愚痴をもろに受けてそれを耐える話だが,夫の太一とのコンビネーションが絶妙だ.太一は障碍者ではあるが天然の大らかさで奈津子を間接的に守っている感じだ.落ちぶれたホテルの旅は前向きであり,後ろ向きでもあるようだ.「99の接吻」は芽衣子,萌子,葉子の行動を私・菜菜子が描写する話だが,Sという男に3姉妹が絡み,母の行動も絡んでくる.女ばかりの家族のやるせなさを書いているように思うが,男の私には良く意図のつかめない内容だ.

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2016/01/13

私が未熟なんだろうけど、この作品においての『冥土』がなにか、よく分からなかった。(私が今まで読んだ)この人の作品には母と娘の関係が必ず出てきて、自分と娘を分離できない(別の人間だと認識できない)母親と、そんな母親から離れたいのに離れられない娘の関係がこの人のテーマなんだろうな、と...

私が未熟なんだろうけど、この作品においての『冥土』がなにか、よく分からなかった。(私が今まで読んだ)この人の作品には母と娘の関係が必ず出てきて、自分と娘を分離できない(別の人間だと認識できない)母親と、そんな母親から離れたいのに離れられない娘の関係がこの人のテーマなんだろうな、と思った。

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2016/01/11

表題作が芥川賞受賞作品だということで読んでみました。2作品収録されていて、どちらも人間の奥底を見事に描写しています。どちらも女性から見た物語を綴っており、男性の私にとってはなかなか気がつかないというか知りようがない気持ちの動きを描写しています。少し寒気がするからほど上手いです。表...

表題作が芥川賞受賞作品だということで読んでみました。2作品収録されていて、どちらも人間の奥底を見事に描写しています。どちらも女性から見た物語を綴っており、男性の私にとってはなかなか気がつかないというか知りようがない気持ちの動きを描写しています。少し寒気がするからほど上手いです。表題作の「冥土めぐり」はまだほんわかするのですが、「99の接吻」は背筋が凍るほどの恐怖を感じました。男性が理解できない女性のことに対する無知からくるものなんでしょうね。 以下、個別作品の感想です。 ◎冥土めぐり 若干上から目線の主人公である奈津子。母親や弟どれもあまりうまくいってない現実を悲観している。夫は脳に疾患がある身体障害者の太一。ある日、奈津子と太一は旅行に出かける。旅行を楽しむ太一とは逆に夫以外の家族について結局考えてしまってあまり楽しくなさそう。でも、最終的には夫の言動によって救われる。温かい感じがして読んでいて幸せな気分になる。ほんとうの幸せの1つを示してくれたように思える。 ◎99の接吻 男性の私にとっては恐怖しか感じなかった。女性の核心を垣間見たような気がする。きっと世の中の女性は、物語に登場する5人のパターンに分類できるのかもと思ってしまった。だとしたら、女性は怖いという結論しか出ないわけで、女性不信になってしまいそうだ。知らなくともいい秘密を知ってしまった感じなので、読んでしまったことに少し後悔している。いや、自分が経験できないこと、実感できないことを知らしめてくれた作者に感謝すべきなのかもしれない。

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2015/10/09

表題作は過去に例を見ないくらい、障がい者の世界を比較的正確に描けているように思いました。と同時に障がい者の立ち位置には一つの視点を示せていると思います。 もう一作は、女の性というモノの泥々した感じを否定することなくさらっと書ききっている清々しさを感じました。

Posted byブクログ