夢より短い旅の果て の商品レビュー

柴田よしき【著】

2012/08/17

柴田よしき著『夢より短い旅の果て』読了。
旅は好きだが鉄道だけ興味があるわけでもない私が…
鉄道の興味を持たされた作品です。
主人公香澄がそれほど熱狂的な鉄道マニアでない所が
この本に私が入り込めた理由かもしれません。
鉄道ミステリー的な感じが全く無い訳でも無いのですが、
次の展開が気になる話です。
柴田さんの野球の話や刑事、探偵、頑張る女性の話は
好きな作品が多いのですが、
こういう鉄道もの！？も非常に良いです。
震災の関係上続編が先になるようですが、
続編でのタカ兄ちゃんの行方が気になります。

2012/08/15

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四十九院（つるしいん）香澄は“その道では有名な”鉄道旅同好会に入会した。鉄道に興味はなかったが、彼女には同好会に絶対に入らなければいけない理由があった。急行能登、飯田線、沖縄都市モノレールゆいレールに、こどもの国、越後湯沢、雨晴、日光…。一つの線路、一つの駅に集う多くの人々、様々な人生と交錯する中、彼女自身も自分のレールを敷きはじめていく。ありふれた日常をちょっぴり変える、珠玉の鉄道ロマン。
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鉄道ロマンとはいうものの、ミステリか？と思わせる要素もあり、ただ大学の同好会の一員として鉄道の旅を愉しむのとはひと味違った緊張感があるのが、旅の愉しさをより好いものにするスパイスになっている。著者の鉄道への愛が登場人物それぞれを通してページのこちら側にも伝わってくるし、鉄道の愛好者でなくともこの路線に乗って、この駅で降りてみたいという気にさせる一冊でもある。列車や旅先での出会いは、都心の雑踏での出会いとは全く違う親近感を伴っており、それがまたいっそう旅を素晴らしいものにしているのだろう。主人公・香澄のこれからの旅を応援したくなる一冊でもある。

2012/08/07

大学に入学した香澄が、鉄道旅同好会に入会した目的は・・・
ローカル列車の旅は、なかなか楽しそう。でも、失踪した初恋の人を探す事だけがすべてみたいなのが、甘っちょろいというかホントに嫌だ。

2012/08/07

鉄道旅がテーマの小説集ですが、謎解きもあって解明される謎もあり、解明されない謎もありでいろいろと楽しめる1冊です。
これを読んだらきっと旅に出たくなります。私も近々、鉄道での一人旅を計画しているので(新幹線で生まれ故郷に帰るだけですが…)、いいときに素敵な本に巡り合えたなと思います。

2012/07/27

作者の、鉄道への愛が伝わってくる。前作の野球ものもそうだったが、「ほんとに柴田さんはこれが好きなんだなあ」と読みながら思う。
思うのだけれどもそれと小説との絡み方がなんとなくアンバランスな感じがしてしまう。このジャンルが好きなんだな、とは思うのだが、ストーリーを追うのが若干退屈なのだ。
この作品でも、いろんな路線の様子はとても興味深いのだが、その旅をしている四十九院香澄の存在が薄い感じがしてしまう。
ミステリー風味がつけられているのだが、なんとなく既視感がある。
こういう設定はたしか以前の作品でもあったような気がする。消息不明になった夫を待って探偵事務所を引き継いでいる女性の話、とか。
最初はそこが伏せられているので、なんだか意味不明な行動をとる主人公だなあと思いながら読んでいたが、途中でその謎が判明したあとの展開がやや拍子抜けな感じである。
震災のせいで中断してしまったとかで、今後どのように進展していくのかわからないが、珍しく私にも展開の予想がついてしまう。
第一弾ということだが、次も読むかどうか勘案中である。

2012/07/13

ある理由から大学の鉄道旅同好会に入会した香澄。
鉄道には興味はなかったが、様々な路線を旅するうちに
その魅力に惹かれていく。

ぶつ切りな終わり方と思ったら
震災で取材中断したらしい。
続編には常磐線の一駅一駅を
味わい深く描いてくれるのが待ち遠しい。

2012/07/08

大学の鉄道旅同好会に入会した四十九院香澄（つるしいん　かすみ）。
この同好会に入会したのには、鉄道好きとは、別の理由があった。