二重生活 の商品レビュー
大学院生の主人公が講義を受けて感銘したという文学的・哲学的尾行を偶然出会った近所の男性に行う。その行為は意味ある尾行であると感じながら、知らず知らずのうちに自らの生活に影響を及ぼし疑心暗儀にとらわれてしまう。尾行に崇高な意味を感じ取らせ不倫小説で終わらせないところに小池真理子なら...
大学院生の主人公が講義を受けて感銘したという文学的・哲学的尾行を偶然出会った近所の男性に行う。その行為は意味ある尾行であると感じながら、知らず知らずのうちに自らの生活に影響を及ぼし疑心暗儀にとらわれてしまう。尾行に崇高な意味を感じ取らせ不倫小説で終わらせないところに小池真理子ならではの筆力を感じた。
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この内容でこのページ数は、長過ぎ 間延びしている それにしても、妄想できるって これも一種の才能だな
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もっとぐちゃぐちゃした話かなと思ってたのになんかさっぱりしていた。 もっと好きな作者だったと思うんだけどな。
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フランスの女性アーティスト、ソフィ・カルの「文学的・哲学的尾行」を試みる主人公の珠。「生きていくために人は思索する」「厭世的」
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理屈や論理、理知、といったものを珠は愛していた。 本当は論理性などかけらもない、ただ、ただ、未熟なまでに感情的な人間である、と自認している。 だからこそ、理屈や論理を愛することをやめようとは思わなかった。 それらを失うことは、自分を見失うことに等しい。 自分が男に不満を抱き、不...
理屈や論理、理知、といったものを珠は愛していた。 本当は論理性などかけらもない、ただ、ただ、未熟なまでに感情的な人間である、と自認している。 だからこそ、理屈や論理を愛することをやめようとは思わなかった。 それらを失うことは、自分を見失うことに等しい。 自分が男に不満を抱き、不機嫌になり、喧嘩をふっかけ、本当に言いたいことなのか、それともさして言いたいとは思っていないのか、わからないようなことを矢継ぎ早に口にし、相手が憤り、自分もまた、それ以上に憤るようなことになると、最後には、決まって相手がこうやって、仲直りのための性的な表現をしてくる。 男と女のやることは、常に誰かを傷つけずにはいられず、たとえ世界中から糾弾されたとしても、男と女はそれをすることをやめはしないのだ。
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卓也と同棲している白石珠は大学院生だが、フランス文学の篠原教授の講義で、文学的・哲学的尾行に興味を持ち、近所の石原史郎を尾行する.妻子がいる彼の恋人・澤村しのぶを突き止めるが、彼らの喧嘩や彼の家庭の事件、また卓也への疑惑等がからむ話しが続く.何かとりとめのない話だった.
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文学的・哲学的尾行。尾行に意味を持たせず、接触もしてはいけない。 設定は面白いし、今まで見たことなかった。 でも、その設定以外が開けてみると陳腐な感じだし、ダラダラしていて、ぐるぐる妄想の堂々めぐりが続くので、早く展開してほしいと思った。 主人公がとても暇そうな人。 最後の方でや...
文学的・哲学的尾行。尾行に意味を持たせず、接触もしてはいけない。 設定は面白いし、今まで見たことなかった。 でも、その設定以外が開けてみると陳腐な感じだし、ダラダラしていて、ぐるぐる妄想の堂々めぐりが続くので、早く展開してほしいと思った。 主人公がとても暇そうな人。 最後の方でやっとこの妙な設定が生かされて面白いなと思う。 途中イライラする点、主人公に魅力なしという欠点はあるけど、変な尾行と、ややサスペンステイストな点良かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ジャン・ボードリヤール、ソフィ・カル、カミュを参照、引用している。 「本当の話」ソフィ カルは、 ヴェネツィア組曲、尾行、本当の話、の3篇を含み、ボードリヤールの解説がある。 主人公が仏文学の大学院生という設定で、 カリギュラ、誤解の話題が出てくる。 この手があったのだ。ある作品に敬意を表して、後を辿る。 人が人を追跡することは、追跡している人自身を追跡することにもなるという。 主人公が、登場人物を追跡することは、主人公が主人公自身を追跡するという記述になっている。 追跡された人の二重生活だけでなく、追跡者の二重性を描写することによって、二重構造を多層的に展開する。 著者が、作家、作品を追跡する際に、この手法は有効だろう。 予め、追跡する対象を表明し、単なる模倣ではないという言い訳になる。 仏文に拘ったのは、同居者が、仏文が専門だった直木賞作家、藤田 宜永のよい影響なのだろうか。
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小池さんの新境地かな?主人公が尾行するのを理解出来ない対象者のイライラした描写…こちらも一緒にイライラしました。一気に読了できます!
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暇な女が、あれこれ理由をつけて、町で見かけた人を尾行する話。 そのうち、対象者に影響を受けて、恋人が浮気をしてると妄想を膨らませる。
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