二重生活 の商品レビュー
さすが、女性の心理描写が見事だなあ、と。 嫉妬は、妄想から始まる。っていうのは、まさにそうだなと感じた。 でもその妄想の始まりが、赤の他人を尾行して秘密を知ってしまったから、というのがこの小説のすごいところで... 尾行している相手を自分とすり替えて妄想してしまったり。 あと、主...
さすが、女性の心理描写が見事だなあ、と。 嫉妬は、妄想から始まる。っていうのは、まさにそうだなと感じた。 でもその妄想の始まりが、赤の他人を尾行して秘密を知ってしまったから、というのがこの小説のすごいところで... 尾行している相手を自分とすり替えて妄想してしまったり。 あと、主人公の過去が、ヘビー。でもこのヘビーな過去がなかったら、尾行なんて変なことしなかったんだろうな、と。 結末はどうなるのか予想できなくて、ちょっとしたミステリーを読んでいる気分だった。 あとは装丁が鈴木成一さん。
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最後まで、珠(たま)…どうもこの名前になじめず。 ネコとはいわないが、なんだかなぁ。 文学的?哲学的尾行と言われても、どうしたって、された方は納得できないだろう。 知らない人を尾行して、人生を垣間見て、どうする? 自分に置き換えて、どうなる? 尾行の正当性は最後まで見い出せず...
最後まで、珠(たま)…どうもこの名前になじめず。 ネコとはいわないが、なんだかなぁ。 文学的?哲学的尾行と言われても、どうしたって、された方は納得できないだろう。 知らない人を尾行して、人生を垣間見て、どうする? 自分に置き換えて、どうなる? 尾行の正当性は最後まで見い出せず。 彼氏を散々疑って、結局自分の真実も隠すのだから。
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大学院生の白石珠は、大学の講義で知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「文学的・哲学的尾行」が気になっていました。実行したいと思い、ついに近所に住む平凡な家庭の夫石坂史郎を尾行してしまいます。そして、知った石坂の不倫。秘密を知る快感で石坂の尾行をなお続けるが、そのうちに同棲中の自...
大学院生の白石珠は、大学の講義で知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「文学的・哲学的尾行」が気になっていました。実行したいと思い、ついに近所に住む平凡な家庭の夫石坂史郎を尾行してしまいます。そして、知った石坂の不倫。秘密を知る快感で石坂の尾行をなお続けるが、そのうちに同棲中の自分の恋人卓也ももしかしたら浮気をしているのかもと、疑惑の目を向けるようになります。 ストーカーでもなく興信所の職員でもないのに、尾行をして相手の秘密を知るというのは、ある種の快感をもたらすものでしょう。だが、はたして自分の場合はどうでしょう。珠は、秘密を知ったからといって脅迫めいたことをするつもりもないのですが、精神的に自分の恋人のことも疑うようになります。このあたりのぞくぞくするような心理描写、やはり小池さんです。 刺激的な描写がなくても十分に恋人たちの恋愛感情も甘い生活が描かれ、嫉妬や疑惑の感情も織り交ぜてあり、飽きることのない恋愛小説という感じに仕上がっています。 全体的に殺人も何も起こらないのですが、尾行の結果がどうなっていくのか気になり、はらはらどきどきのスリリングな展開の作品でした。 しばらくエロい作品が続いた小池さんですが、これは久しぶりに初期の頃の作品に戻ったかなという気がしました。久しぶりの小池さんらしい作品だと思いました。
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主人公は、好きな教授の講義に影響を受け、文学的・哲学的尾行を試みる仏文科大学院生の珠(たま)。 尾行の相手は、向かいに住む仲良し家族の夫で出版社勤務の石坂。 無目的であることが重要で、ただの実践的試みであったはずの尾行は、石坂が不倫をしていたことで思わぬ方向に。 石坂たちを通して...
主人公は、好きな教授の講義に影響を受け、文学的・哲学的尾行を試みる仏文科大学院生の珠(たま)。 尾行の相手は、向かいに住む仲良し家族の夫で出版社勤務の石坂。 無目的であることが重要で、ただの実践的試みであったはずの尾行は、石坂が不倫をしていたことで思わぬ方向に。 石坂たちを通して、次第に自分の同棲相手にも不信感が募っていく…というお話。 主人公の考えも、不倫相手の女性の考えも、不倫される奥さんの気持ちも、手に取るように理解してしまった。というか、不倫相手も珠で奥さんも珠で、珠は私なのだと思う。 段々、珠を尾行しているような気分になってきます。 なんとなくぞわっとする感じと、否応なく感情移入してしまう心。 爽やかと見せかけて最後にぬるっとする読後感が楽しい一冊でした。
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仏文科に通っていた珠(たま)が印象に残っていたこと。 何の目的も持たずに、尾行する人間がいたとしたらどうか まさか、これを実践してしまうなんて。 確かに、電車で目の前に座った人がこれからどこへ行くのか想像して楽しんでみたりはするけれど、かと言って実際に後をつけてみようとまでは思わ...
仏文科に通っていた珠(たま)が印象に残っていたこと。 何の目的も持たずに、尾行する人間がいたとしたらどうか まさか、これを実践してしまうなんて。 確かに、電車で目の前に座った人がこれからどこへ行くのか想像して楽しんでみたりはするけれど、かと言って実際に後をつけてみようとまでは思わない。これが、興味ある人だったら実行してしまうかもしれないが、それじゃストーカーじゃないか!!! 珠が大胆にもレストランで隣の席についた時にはヒヤヒヤした。それをやったらおしまいじゃないかと思うのだけれど、それでも珠はホテルまで戻る。そんな大それた行動をとってみたい気もするのもわかるけどね〜。 相手の行動に興味を持つことで自分や自分の周囲にいる人の行動も見直すことになるのだろうか?
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このミステリアスなカンジが小池真理子らしい。 尾行、そのものではなく、背中がゾッとするようなカンジ。 それは、 しのぶにみつかったときであり、 石坂にみつかったときであり、 卓也に石坂と一緒だったタクシーを降りたことがみつかったときであり、 篠原に話し始めたときであり、 そして...
このミステリアスなカンジが小池真理子らしい。 尾行、そのものではなく、背中がゾッとするようなカンジ。 それは、 しのぶにみつかったときであり、 石坂にみつかったときであり、 卓也に石坂と一緒だったタクシーを降りたことがみつかったときであり、 篠原に話し始めたときであり、 そして、最後に新しい対象者をみつけたときであり、、。 妄想をすることは、自分の生活の中でもしょっちゅう。 これだけは歳を重ねても変わらない。 「育ち(がいい)」ということは「幼い頃に受けた愛情の問題」 というフレーズはなるほどなあ、と。 石坂に自分のことを話しだす珠には、ちょっと共感した。 全く自分の生活と接点がない人に、自分のこの思いを吐き出したいことが時々ある。 そんな対象者がいる珠が、うらやましかったりして。 まして、美味しいワインと料理がご馳走になれるんだもんね。 新しい対象者の話も、石坂にするんじゃないかな。
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面白かった! 今まで読んだことのない話だったし、まったく先が読めなかったし 尾行する側とされる側があんなふうに繋がったのも意外でとても面白かったです。 小池真理子の本は数々読んできたがいろんな意味で裏切られた気分。 結局すべてが元のさやにおさまったようで、きっと全然違うんだろ...
面白かった! 今まで読んだことのない話だったし、まったく先が読めなかったし 尾行する側とされる側があんなふうに繋がったのも意外でとても面白かったです。 小池真理子の本は数々読んできたがいろんな意味で裏切られた気分。 結局すべてが元のさやにおさまったようで、きっと全然違うんだろうなあ。 読み終えた後も主人公がどうなっていくのか想像せずにはいられない結末もとても良い。
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フランス文学を専攻する大学院生の珠は、大学の講義で知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「文学的・哲学的尾行」に興味をもち、近所にすむ既婚男性、石坂を尾行する。石坂の不倫現場を目撃し、他人の秘密を知ることに興奮を覚え尾行を繰り返すが、その秘密を知るごとに自分の恋人関係にも影響を及...
フランス文学を専攻する大学院生の珠は、大学の講義で知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「文学的・哲学的尾行」に興味をもち、近所にすむ既婚男性、石坂を尾行する。石坂の不倫現場を目撃し、他人の秘密を知ることに興奮を覚え尾行を繰り返すが、その秘密を知るごとに自分の恋人関係にも影響を及ぼしてくるお話。珠と彼氏は同棲し、穏やかに暮らしていたのに、尾行によって不倫をみてしまうと、だんだん彼の行動にも疑問を感じ悪い妄想に走る。猜疑心によって彼との関係にも影響を及ぼすあたりを読んだとき、人は悪いことを知らないほうが幸せなんだなと思った。猜疑心は、健全な仲にも簡単に大きなひびを入れることができる。 まぁ、尾行すること自体私には現実離れしていて、あまり共感できなかった。
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大学院生の珠は、近所に住む石坂を尾行し、不倫現場を目撃して・・・ 一緒になって尾行を堪能したものの、やっぱり気味悪い女に思えてきたかも。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大学院に通う白石 珠(しらいし たま)は、近所に住む 幸せを「絵に描いたような」妻も子もある男を 文学的、哲学的な尾行をする。その中で男の浮気現場を目撃する。そのことで自分も、恋人に対しても根拠のない疑惑に苦しめられる。 主人公に何か大きな事件があった訳でもないが、一緒に男を尾行しているような気分になる。 最後のほうに、尾行がばれて、男と珠がワインを飲んで食事している場面がある。私は そこで、その男にも 珠にも 惹かれてしまった。
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