小川洋子の偏愛短篇箱 の商品レビュー
内田百間『件』から始まり、それと共通するような不条理感が、怖〜い吉田知子『お供え』で締めくくる16編。特に読友さんからのオススメ『お供え』は傑作です。脳味噌捻じれました〜。短編一作ごとに小川氏の解説エッセイがあり、これがまた、いちいちおもしろい。一粒で二度美味しい。氏の各作品への...
内田百間『件』から始まり、それと共通するような不条理感が、怖〜い吉田知子『お供え』で締めくくる16編。特に読友さんからのオススメ『お供え』は傑作です。脳味噌捻じれました〜。短編一作ごとに小川氏の解説エッセイがあり、これがまた、いちいちおもしろい。一粒で二度美味しい。氏の各作品への愛情が溢れていて、こっそり自慢の宝箱を見せてもらっている気分。とくに、川端康成の『花ある写真』本編もさることながら小川氏の「あなた、だまされてますよ」にはクスクス笑ってしまいました。
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〈奇〉 内田百閒「件」 B 江戸川乱歩「押絵と旅する男」 A言わずもがな。 尾崎翠「こおろぎ嬢」 B 金井美恵子「兎」 Aアリスに連なるかと思いきや凄まじい陰惨な展開に。 〈幻〉 牧野信一「風媒結婚」 B覗き見。 谷崎潤一郎「過酸化マンガン水の夢」 B鱧の幻想と血尿。 川端康成...
〈奇〉 内田百閒「件」 B 江戸川乱歩「押絵と旅する男」 A言わずもがな。 尾崎翠「こおろぎ嬢」 B 金井美恵子「兎」 Aアリスに連なるかと思いきや凄まじい陰惨な展開に。 〈幻〉 牧野信一「風媒結婚」 B覗き見。 谷崎潤一郎「過酸化マンガン水の夢」 B鱧の幻想と血尿。 川端康成「花ある写真」 B卵巣は女の魂だと言えるのは川端くらいの凄みがあってこそ。 横光利一「春は馬車に乗って」 A死病の妻との対話。 〈凄〉 森茉莉「二人の天使」 B 武田百合子「藪塚ヘビセンター」 C 島尾伸三「彼の父は私の父の父」 Cなんとしまおまほが登場。 〈彗〉 向田邦子「耳」 B 三浦哲郎「みのむし」 Aみのむしとは一体、と思っていたら、とうとつに絶望に。 宮本輝「力道山の弟」 B 田辺聖子「雪の降るまで」 C 吉田知子「お供え」 A現実が捻じ曲がるぜ。
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既読であった、尾崎翠『こおろぎ嬢』と、乱歩の『押絵と旅する男』が一番好きだった。 それを越える作品が特になかったのは残念。 未読だったものだと 『みのむし』『お供え』はインパクト凄かった。 尾崎翠好きな私は、『こおろぎ嬢』の解説エッセイ『錯覚のおばさん』が大好きだ。
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小川洋子の感想が、さすが作家だなあという。 読んでて瞼が下がってくる場面も。思わずすみませんと謝りたくなった。ぜんぶ、文章から滲む空気が温かくも異端、静か。
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小川さんの短編集かと思って借りたら、小川さんの好きな短編を集めたものだった。 とはいえ、なかなか面白い。 小川さんらしさが伺える作品ばかりでした。
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★2.5かな。 個々の短編より、結局小川洋子の解説が一番面白かったような気が、、、 小川洋子という作家が好きであっても、その作家が好きな小説も同じように好印象を持つとは必ずしも言えないって目茶目茶至極当然の陳腐な結論ですか。 個人的には川端・内田の短編に一番おっと思わされたかな?
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題名通り、小川洋子さんが選んだ短篇のアンソロジー。一つ一つに小川洋子さんのエッセイのような解説がつけられている。収録作品は次の通り。 「件」内田百? 「押絵と旅する男」江戸川乱歩 「こおろぎ嬢」尾崎翠 「兎」金井美恵子 「風媒結婚」牧野信一 「過酸化マンガン水の夢」谷崎潤一郎 ...
題名通り、小川洋子さんが選んだ短篇のアンソロジー。一つ一つに小川洋子さんのエッセイのような解説がつけられている。収録作品は次の通り。 「件」内田百? 「押絵と旅する男」江戸川乱歩 「こおろぎ嬢」尾崎翠 「兎」金井美恵子 「風媒結婚」牧野信一 「過酸化マンガン水の夢」谷崎潤一郎 「花ある写真」川端康成 「春は馬車に乗って」横光利一 「二人の天使」森茉莉 「藪塚ヘビセンター」武田百合子 「彼の父は私の父の父」島尾伸三 「耳」向田邦子 「みのむし」三浦哲郎 「力道山の弟」宮本輝 「雪の降るまで」田辺聖子 「お供え」吉田知子 小川洋子さんはこの本のあとがきで、「自分の名前を記した短篇箱を披露するのは、普段誰にも見せない秘密の小部屋の扉を、開けるのに等しい…」と書いている。優れた小説家はこのような部屋をいくつも持っているのだろう。 全部とても良かったのだけど、谷崎潤一郎のと、最後の3つが特に印象に残った。私は、「妊娠カレンダー」のイメージで、小川洋子さんの小説がなんとなく苦手だったのだけど、この本のセレクションに共感できたので、これからは小川洋子さんの本を読んでみようと思った。
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最後の吉田知子の「お供え」、すごかった。戦慄。こんなの読んだことない。どんな人なんだろう? すすめられて読むと世界が広がる。いい本だったなー。
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江戸川乱歩、谷崎潤一郎、川端康成などの文豪や、個人的にこの本で初めて名前を知った作家の作品も多数収録してあり、充実の一冊。どの短編も一筋縄ではいかない話ばかりだけどそこが良い。一度読んだだけでは理解しきれない物も多いため小川氏の解説は為になった。その解説がまた氏の個性が出ていて楽...
江戸川乱歩、谷崎潤一郎、川端康成などの文豪や、個人的にこの本で初めて名前を知った作家の作品も多数収録してあり、充実の一冊。どの短編も一筋縄ではいかない話ばかりだけどそこが良い。一度読んだだけでは理解しきれない物も多いため小川氏の解説は為になった。その解説がまた氏の個性が出ていて楽しかった
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