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きみはいい子 の商品レビュー

3.9

360件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2024/09/18

ただ「泣ける」、それだけの本なら山ほどある。だが魂の内側に入り込んでそこの奥深くにある傷にそっと寄り添うような作品がいくつあるだろうか。 「子供」と「大人」に焦点を当てたこの連作短編集は大人だって子供だし、子供だって実は大人の目線を持っている、という事を我々に突きつけてくる。 虐...

ただ「泣ける」、それだけの本なら山ほどある。だが魂の内側に入り込んでそこの奥深くにある傷にそっと寄り添うような作品がいくつあるだろうか。 「子供」と「大人」に焦点を当てたこの連作短編集は大人だって子供だし、子供だって実は大人の目線を持っている、という事を我々に突きつけてくる。 虐待に教師の悩み、幼少期とは死ぬまで永遠に続く檻のようなものだ。本書を読んでもしかしたら自分自身もそうだという事に気付かされる方もいるかもしれない。 この本はそれほどよく出来ている。 収められた短編は粒揃いだが、その一つ一つがわずかな繋がりを見せてくる時、読者は初めて「全ては繋がっている」という世界に辿り着く。いい本だ。何度でも言いたい。

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2024/06/07

虐待をテーマにした短編集。前向きに締められるとそんなに甘くないだろと毎話つっこんでしまう。虐待の連鎖に逃れられない母親の心境はなかなかリアルに感じた。

Posted byブクログ

2024/01/25

「いい子」と言われたかった人たちのお話。 主人公たちは、前向きな気持ちで物語を終えているけれど、そんな気持ちには到底なれないなと思ってしまった。 たとえ、あの人にも事情があったのだろうと思うことができたとしても、許すことはできない。親子のしがらみは複雑だ。子供の頃についた傷は...

「いい子」と言われたかった人たちのお話。 主人公たちは、前向きな気持ちで物語を終えているけれど、そんな気持ちには到底なれないなと思ってしまった。 たとえ、あの人にも事情があったのだろうと思うことができたとしても、許すことはできない。親子のしがらみは複雑だ。子供の頃についた傷は、ふとした瞬間に蘇り、気まぐれに苦しめてくる厄介なものだと思う。

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2023/10/16

読み進めるのが辛くなるような、虐待を題材にした短編集。 どの話にも、最後には救いと希望があるのがフィクションのいいところである。 虐待する母親の心理などなかなかないので辛くなった。 なぜそんなことで殴るのか?なぜその子のことを尊重できないのか? でも、自分の中にも同じような気持ち...

読み進めるのが辛くなるような、虐待を題材にした短編集。 どの話にも、最後には救いと希望があるのがフィクションのいいところである。 虐待する母親の心理などなかなかないので辛くなった。 なぜそんなことで殴るのか?なぜその子のことを尊重できないのか? でも、自分の中にも同じような気持ちは蠢く。放出するきっかけがあるかないか、本当は些細な差なのだ。 きみはいい子だ。みんなに言ってあげたい。きみはいい子。大人になったとき、認められた記憶が残るように。 幸せな気持ちが残るように。

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2023/10/05

ある町を舞台に、虐待という題材で、描かれた5つの話。人というものは、人に認めてもらい、愛されることによって、健やかに成長できるんだなぁ…。どの話も、最後には、自分の事を認めてくれる人と出会えたりと、重いテーマだけど、心温まるかんじで、よかったです。

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2023/08/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

かつて自分を加害してきた存在が、老いて無垢な存在になってしまった時。ぶつける先を失った感情はどこへやればいいのか。 あれが嫌だった怖かった許せない。けれど加害者側はそれを忘れていて、自分が大人で親であることすら忘れていて、かつての怒りをぶつけた所で今度はこちらが加害者になるだけ。 たった一つの優しい記憶を繰り返し再生して、これからも生きていく。それは希望のようにも見えるけれど私には逃避と自己暗示にしか思えなかった。 けれどそうでもしないと生きていけないのは、加害者が親だから。唯一無二の存在だから。あれがしてほしかったこれがしてほしかった愛してほしかった。それが叶わなかったから、最後の最後に思い出したたった一つの優しい記憶を頼りに生きていく。 親という呪縛。何処までも前向きで後ろ向きなラスト。 *** ・文章が淡白なのに読みづらい ・母に「かよちゃん」と呼ばれるシーンは泣いてしまった。 ・べっぴんさん。子供に手を上げる側の気持ちが痛いほど伝わってきて苦しかった

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2023/06/27

面白かったよ、自分の親がいかにまともだったかを思い知らされたし単にそれってラッキーなだけだったのかも。愛されて育った子はいい子に育つんだよなあ多分、愛されずに育った子供は絶望だろうなあ、かわいそうだよなあ。本当にクソな親に当たると性格や人生変わっちゃうよなあ。あるただ愛されたいだ...

面白かったよ、自分の親がいかにまともだったかを思い知らされたし単にそれってラッキーなだけだったのかも。愛されて育った子はいい子に育つんだよなあ多分、愛されずに育った子供は絶望だろうなあ、かわいそうだよなあ。本当にクソな親に当たると性格や人生変わっちゃうよなあ。あるただ愛されたいだけなんよなあ。

Posted byブクログ

2023/06/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

心が痛かった。 悪い人はいないんだろうけど、全てのことに何か原因があるんだろうけど、許せないことも沢山あって、でも理不尽なことを飲み込むことが生きることなのかな…なんて思ったり、でも、なんでも美談にしてしまうのは、何かに蓋をしてなんの解決にもなっていないと思ってみたり…

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2023/05/23

2023.5.23 再読 どうしてまた手に取ってしまったのだろう。 新聞か何かで書評を見て「読みたい」に登録し確か図書館で予約して長い間待った末に読んだのだと思う。 それなのに記憶からこぼれ落ちていた。 覚えていたのは「長い間読みたいリストにあった」という事実で、先日古本屋でタイ...

2023.5.23 再読 どうしてまた手に取ってしまったのだろう。 新聞か何かで書評を見て「読みたい」に登録し確か図書館で予約して長い間待った末に読んだのだと思う。 それなのに記憶からこぼれ落ちていた。 覚えていたのは「長い間読みたいリストにあった」という事実で、先日古本屋でタイトルを見かけたときに、「読みたいんだった」と買ってしまった。 ちらっと、「読んだよな・・」と思ったのに。 なんだからして、読まなきゃよかったのに。 ず~~~~ん、と心に重い石がのっかったように つらかった。 「虐待といじめの物語は辛すぎるから読まない」ようにしていたのに。 タイトルの「きみ」はぱっと見、各短編でいじめられていたり虐待を受けていたりしている子どものように思える。でも、そうなんだろうか。もしかして、「きみ」は、「こんにちは、さようなら」では、あきこさんかあるいは櫻井さんなのではないのか、学級崩壊させてしまった岡野先生じゃないのか、だいちゃんの手をあげているままははじゃないのか。 みんな、いい子なんだ、いじめたかったり、理由もなく手をあげたりしたいわけじゃなかったんだ、 そう思わないともうどうにも辛くてこの世界は救いようがないじゃないか。

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2023/04/25

うん、 子どもは家族にだけに育てられる訳じゃない。 身近な大人の関わりが大切。 そして、そんな大人に出会えるか、なんだよね。

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