毒婦。 の商品レビュー
これは筋違いかもしれないけど、書いている北原みのりさん自身のミソジニ―が、読んでいて辛かった。 女性がこの事件にひかれるのはよく分かる。 だって、木嶋被告のメディアでの取り扱われ方は日常での女性の扱いそのものだから。 あの醜い報道は、誰だって身近に見たり体験したりしてるものだ...
これは筋違いかもしれないけど、書いている北原みのりさん自身のミソジニ―が、読んでいて辛かった。 女性がこの事件にひかれるのはよく分かる。 だって、木嶋被告のメディアでの取り扱われ方は日常での女性の扱いそのものだから。 あの醜い報道は、誰だって身近に見たり体験したりしてるものだ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
要するに、男女とも、色んな意味で自分の世話をしてくれる都合の良い相手を探していた。 で、普通なら相手が条件に合わないと思えば「別れる」を選択する。 これは日常で多々繰り返されている。 木嶋被告の場合はそれがスパンッと「排除する」だった(と状況証拠で判断されている) この事件で異常なのは、この最後の「排除」の部分だけだ。 なのに何故こう「男を渡り歩く」「貢がせる」部分にこんなに注目されてるのか。それを商売にしてる職業だってあるのに。 この本にしても、結局「どうしてこんな男遍歴なのか」の原因を探ろうとし、「なぜ排除を選ぶのか」の原因は探っていない様に読める。一番の闇はその部分ではないのだろうか。 筆者が書いた「私の周囲の女性は口を揃えて~」の部分を読むと、どうも筆者の周囲の女性はかなり偏っている。他の女性傍聴者の言葉も、性的な話しか筆者の耳には届かない。 自然とこの筆者に、不安を覚える。 性的なアプローチからしか分析していないというより、出来ないのではないか?立ち位置が確りしていると言えばそれまでだが。 その為、折角リポートしても、週刊誌のどぎつく面白おかしく書かれた記事の域を脱していないのが残念だ。 興味本位で軽く読むには良い本です。
Posted by
読みやすいけど週刊誌に連載していた物をまとめただけあって、週刊誌のまとめ読みした感じ 被告に関しては状況証拠だけで有罪になるのかという釈然としない感じかな
Posted by
北海道別海町出身の「木嶋佳苗」の裁判傍聴記。 2012年1月にさいたま地裁で始まった裁判は、3件の殺人事件を軸に審理が進められ、4月13日に死刑を言い渡した。 決定的な証拠はないものの、状況から木嶋被告の犯行はほぼ間違いないと推察される。 本書は裁判の結果ではなく、木嶋被告がどの...
北海道別海町出身の「木嶋佳苗」の裁判傍聴記。 2012年1月にさいたま地裁で始まった裁判は、3件の殺人事件を軸に審理が進められ、4月13日に死刑を言い渡した。 決定的な証拠はないものの、状況から木嶋被告の犯行はほぼ間違いないと推察される。 本書は裁判の結果ではなく、木嶋被告がどのような人物で何故このような事件が起こったのかといった視点で、語られている。 なお、被告は判決を不服として即日控訴した。
Posted by
またまた木嶋佳苗本。 佐野眞一が男性目線でなら、こちらは女性の視点から裁判を描いております。いささか文章が軽いのは、著者ならではなんですかね?知りませんが。 木嶋佳苗の恐ろしさは、佐野本にて書きましたので割愛。 木嶋裁判、興味のある方は、この本と佐野眞一の両方読むのが吉かと。
Posted by
男を絡めとっていくさまざまな手口だけでは、この事件の本質はつかめない。見た目が美しくないとされているはずの彼女の声や仕草に、惹かれるものを感じる、事件の被害者以外の、著者も含めた周囲の人々の反応こそが事件の根底にある。 同年代の熱き検察官、被害者とのやりとりのメールを「ぜひ泊まり...
男を絡めとっていくさまざまな手口だけでは、この事件の本質はつかめない。見た目が美しくないとされているはずの彼女の声や仕草に、惹かれるものを感じる、事件の被害者以外の、著者も含めた周囲の人々の反応こそが事件の根底にある。 同年代の熱き検察官、被害者とのやりとりのメールを「ぜひ泊まりに行きます! ムフー!」と読み上げる検察官。それに対して、法廷の午前と午後でハンカチを変えてくる被告。 この対比。そして死刑判決に対して、控訴を即日に自分一人で決めるという。強い。強い磁石のような毒。
Posted by
5時間で読了。 女性目線の裁判傍聴記。堅苦しくなく、すごく読みやすい。フェミ的視点も興味深いしおもしろい。 でも、木嶋佳苗って結局なんなんだろう?というぼんやりとした疑問と恐怖が残る。 あと、状況証拠で死刑が決まるってのは、どうなんだろうという気持ちもあり…。
Posted by
この本を読み始めた今朝、偶然にも著者がテレビ出演しているのをみました。余計興味が沸いたことは、はた言うべきにあらず。 読み終えて、頭に蘇ったのは、つい最近読んだ『硝子のハンマー』の探偵榎本の台詞、でも、殺してしまってはダメなんですよ(記憶なのでた多少違うかも)。 そう、死んで...
この本を読み始めた今朝、偶然にも著者がテレビ出演しているのをみました。余計興味が沸いたことは、はた言うべきにあらず。 読み終えて、頭に蘇ったのは、つい最近読んだ『硝子のハンマー』の探偵榎本の台詞、でも、殺してしまってはダメなんですよ(記憶なのでた多少違うかも)。 そう、死んで行った人は束の間の幸福を味わったとか、事件における男女が逆転していたら、世間は被害者のモラルをもっと問うたに違いないなど、いろんな考え方はあるとおもう。 お金を騙し取る云々は置いて置いて、もし本当に殺しているならば(本人は否定して控訴している)、やはりどんな言い訳をしても、許されはしないよね~と後味は決して良い物ではない。
Posted by
彼女は男性市場において、自分がどの位置で受けるのかを理解している。恐ろしいほど冷静に、自分と女というものを理解している。 だからといって、人の財産や命を奪っていいはずはないのだが。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
バブル後、媛交世代。 時代が生み出した、連続婚活サギ女・木嶋佳苗の100日にわたる裁判傍聴記。 傍聴記には、木嶋佳苗の生まれた地や、生い立ち、家族のこと、地元や関わった人へのインタビューも絡められており、 木嶋佳苗に関しての情報はめいいっぱい詰まっている。 しかし、筆者の言うとおり、これを読んでも木嶋佳苗がどんな思いで沢山の男性と関わり、大金を手にしてきたのか、 それは佳苗にしかわからない。 この裁判は女性からの興味が多く、佳苗ガールズと呼ばれる傍聴希望者が沢山いたのだそう。 男性は「不美人」とゆうだけで、目をつむり、「大丈夫、自分は騙されない。」と被害者達を哀れに思うだけなのだろう。 男性も、この時代背景や「もしこれが逆の立場だったら・・・?」と考えて読んでみてほしい。 セックストイショップ経営者でもあり、ライターでもある筆者、北原みのりさんとゆうフィルターを通して読む木嶋佳苗は、 独自の世界観(身体に染み込んだ処世術のようなもの)を持っていて、それを誰にも語らない、頑固で頭の良い女だと思った。 また、この傍聴記を北原みのりさんが書いたことが、かなりストライクでした。朝日出版さんありがとう。
Posted by