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誰がための刃 レゾンデートル の商品レビュー

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41件のお客様レビュー

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2013/02/02

多分に映画的な作品。 映画に出てくるようなキャラクターであり、セリフであり、 ストーリーであり、スピード感であり、ラストでした。 なので、小説を読んでいるというより映画を見ているかのような 没入感と面白さを感じながら読んでました。 ストーリーの展開と共に、細かく人物と場面が...

多分に映画的な作品。 映画に出てくるようなキャラクターであり、セリフであり、 ストーリーであり、スピード感であり、ラストでした。 なので、小説を読んでいるというより映画を見ているかのような 没入感と面白さを感じながら読んでました。 ストーリーの展開と共に、細かく人物と場面が切り替わる様子も 映画のワンシーンが終わり、また次のシーンに移る 場面展開のような感じで読めるため、読んでいく途中に 手を止めることなく、次から次へと読み進めやすい。 これは映画っぽいことのメリット。 ただ、キャラクターや展開が映画的であることの代償として、 どうしてもある種の薄っぺらさを感じてしまうことがあり、 それは完全には拭いされていないのだけど 作者が医師であることに裏打ちされた高度な専門医療知識が 物語に深みとリアリティーを生み、薄っぺらさを打ち消している。 読者と目線が近い卑近なストーリーとキャラクターで 読者と作者の距離が近づいたかと思えば、 一般人にはチンプンカンプンな医療症例や薬剤名で 象牙の塔の住人を仰ぎ見るかのように遠い存在になる。 その繰り返しだった気がします。 感想としてはそんな感じですが、まあ一言で言えば面白かったです。 --------------------------------------------------- ※「第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞」に関して一言。 島田荘司氏は、ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を 「本格ミステリー」を発掘する場として設定しており、 自身も決してこういったテイストの作品を好まれないであろうことは 巻末に収録された選評を読めばすぐわかる。 にも関わらず、見るべきところはちゃんと見て、 カテゴリーエラーともいえるこの作品を 「福ミスのアンテナを増やし、幅を広げてくれたことに感謝したい」 と新人賞として掬いあげたことに、島田氏の懐の広さを垣間見るようで 改めて尊敬の念を感じた。

Posted byブクログ

2013/01/16
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※このレビューにはネタバレを含みます

本書を知るきっかけがツイッター。@MIKITO_777 ご本人自らフォローしていただいたのがきっかけでした。 はじめはてっきり、読書好きなフォロアーさんのひとりくらいの 認識しかなく、その後どうやら現役のお医者様だということ、 もっというとご自身で執筆された著書があるということを、おいおい知ることとなりました。 とりわけ、彼のつぶやきは現役医師という職業からくるエピソードに加え、 その内容に、限られた行間に込められたユーモア(ときには手放しに笑ってはいけない内容も含まれますが)が巧みに含まれていて、それを毎回目にする毎に、いつしかどんな作品を書いたのか、とっても興味がありました。 まとまった時間がとれたので、本日半日を費やして、一気読み敢行。 これがデビュー作だとしたらすごいかも! 普段はよほどのことでないと「ハードボイルド」と呼ばれる、このあたりのジャンルは手を出さないのですが、このきっかけはもらってよかったなと思いました。「ミステリー」としても秀作だと思います。なにしろこれがデビューだなんて、すごい! 確かにおもしろかった! おもしろかったで済ますにはちょっと稚拙な表現ですが、 数々のストーリーやそれに関連して、ご自身のお家芸(この表現はおかしいかもしれないが)ともいうべき医療の記述、どれもストーリーには必要で、かつ、専門用語もその状況が可視化できるようで、そこは現場を知っている著者だからこそ描けるのかな、と関心しかりでした。 要所要所にちりばめられるラブストーリーも、 わたしはこれくらいならアリかと思うし、 それほど気になることもなく、ラストの件もありかな、と。 とにかく、あれもこれも、最終的にはきれいに片付いた感はあるし、 しいていえば、やはり斬られたり・撃たれたりする描写というものは、 どうしてもエグいもので(苦笑) これを読んでふと、先日読んだ「悪の教典」を思い出してました。 そう言えば、「J」は生い立ちに「父」の暴力という、絶対的なきっかけがあったけど、「悪の~」では両親から暴力を受けたわけでもなく、どちらかというと温和な両親からなぜ、あれほどまで残虐な行為に及ぶ青年と化してしまったのか。そこのところがこれを読むことによって、ふと浮き上がる疑問。 それにしても「福山ミステリー文学賞」すごい! 未だ観れてないが「少女たちの羅針盤」の原作も、 第1回の優秀賞だったのか! 大きな発見!

Posted byブクログ

2012/12/08
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著者は現役の医師。本作品にも、現役医師ならではの医療知識が細部で生かされている。 出版社による内容紹介を引用。 自らが末期癌に冒されていることを知った若手の外科医、岬雄貴。自暴自棄となった彼は体を鍛え上げ街の不良を襲撃する。そのことがきっかけで、連続殺人鬼「ジャック」と接触を持った雄貴は、ジャックの思想に感化され、その共犯となる。偶然助けた少女、沙耶と心を通わすうちに、自らの行動に苦悩するようになる雄貴。「ジャック」はなぜ殺人を繰り返すのか、少女はなぜ追われるのか。残り少ない命をかけ、雄貴は少女のために戦いを挑む。 という中身。 知念という姓からすると、著者は多分沖縄の人。 県出身のミステリ作家というと、早く亡くなった女性ハードボイルド作家の北林優を思い出す。 県出身では北林以来のミステリ作家ではないだろうか。 自暴自棄になった主人公・岬が一人の少女との心の交流を通して、残された時間をどう生きるのか見いだしていくところは、正直ぐっと来た。 人によってはセンチメンタルにとらえられるかもしれないラストシーンも、いい。 格闘シーンなどの描写もスピード感があり、読み応えのある作品だった。 これがデビュー作ということになるのだろうか。 次回作にも期待大。県出身者として、応援したい。

Posted byブクログ

2012/11/25

一気に読みました。ミステリと言うよりかはサスペンス、すごく映像化に向いている話だと思った。主役の生き方はハードボイルドで男性は憧れるのではないでしょうか?話がうまく行きすぎる所もありましたが、次回作も是非読んでみたいです。面白かった。

Posted byブクログ

2012/11/11

突飛な内容のある作品じゃない。だけど、先を読みたくなる魔力、構成のうまさ、物語がアクセルを踏む瞬間、緻密な伏線、医学的な深みある描写……魅力はいくらでもある。 この分量を一気に読んだのは初めて。

Posted byブクログ

2012/10/20

末期癌に冒されていることを知った外科医の岬は・・・ 確かにおもしろいし、厚さも気にならずに一気に読める。 けど、なんか安っぽいというか薄っぺらい気がした。

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2012/10/01

ようやく!読めた! シーンのひとつひとつ、とくに本編のラストシーンはドラマみたいだと思った。警察、やくざ、援助交際や週刊誌が出てくる本を滅多に読まないからそう思ったのかもしれない…。雪の中のラストは特に、美化と言うと言い方が悪いけども綺麗だった。 描写に文学的な比喩とか語り手の感...

ようやく!読めた! シーンのひとつひとつ、とくに本編のラストシーンはドラマみたいだと思った。警察、やくざ、援助交際や週刊誌が出てくる本を滅多に読まないからそう思ったのかもしれない…。雪の中のラストは特に、美化と言うと言い方が悪いけども綺麗だった。 描写に文学的な比喩とか語り手の感傷とかはほとんど入らないから、わかり易い分感情移入はあまりしなかったかなあ…。医学を学んでいる人にしか書けないだろうしきっと詳し人にしか詳細は解らない文章は一種典型的な破天荒物語にリアルさを出してて良かった。 沢山の人を見てるからきっとたくさんの性格の人を書けるんだろうと思う。私はまだ完全に理解できない人と関わったことがないから、本の中でもそういう「人」と出会えるのは楽しい経験だった。 表紙の紫に気付いたのが読み終わった後でした…凝ってて良いねえ。 他の作品も読みたい!

Posted byブクログ

2015/01/19

福ミス受賞作で、新人とはいえ年輩の著者ということで、文章は非常にスムーズ。物語のテーマや素材、流れなどもしっかり作られている。 内容は命を救うことを生業としてきた主人公が、あるきっかけでその生き方に疑いをもち、おもいきった行動に出るというもの。 ジャンルとしてはハードボイルド...

福ミス受賞作で、新人とはいえ年輩の著者ということで、文章は非常にスムーズ。物語のテーマや素材、流れなどもしっかり作られている。 内容は命を救うことを生業としてきた主人公が、あるきっかけでその生き方に疑いをもち、おもいきった行動に出るというもの。 ジャンルとしてはハードボイルドテイストだが、ミステリとしても満足できる。 気になるのは、あまりにそつがないところ。キャラが一昔前のステレオタイプで、会話や行動が物語の進行に沿うように、著者の都合よく進み、ハプニング感がない。 あと、ウィンドウズPCの起動の過程をいちいち細かく描写する必要があるだろうか。おじさんが若者に感覚を合わせにいっているような、無理している感じが随所に見られた。

Posted byブクログ

2012/08/29

作者は現役医師かつパレストラにも通っているらしい。読みやすい。最後の方はページをめくる手が止まらなかった。死生観、人生観という観点で考えると作者の30年後の同じテーマで読みたい。凄く興味深い。

Posted byブクログ

2012/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

話がご都合主義のところもあったけど、一気に読めました。 まあ面白かったほうだとは思うけど、突っ込みたいところもいっぱいあります。 作者から ツイッターのフォローが来て、誰この人ということで読み始めました。 こんな宣伝も、結構有効なんだなあと思った。

Posted byブクログ