君が降る日 の商品レビュー
「もし食べ切らなかったら僕が食べるから無理しないで」という男性と、 「自分で来たいって言って注文したからにはがんばりな」という男性。 どっちが好き?とみんなに聞きたい。笑 なぜなら、私は圧倒的に後者の方が愛情を感じるから。 そして最終的には文句を言いながら平らげてくれるような空気...
「もし食べ切らなかったら僕が食べるから無理しないで」という男性と、 「自分で来たいって言って注文したからにはがんばりな」という男性。 どっちが好き?とみんなに聞きたい。笑 なぜなら、私は圧倒的に後者の方が愛情を感じるから。 そして最終的には文句を言いながら平らげてくれるような空気を感じる、という甘えも生じる。 「君が降る日」は最愛の人を亡くすというとても悲しい話だけど、懸命にもがき前へ進もうとする女性の話でもある。 ”真の軽薄とは、責任を負いきれないものに対する安易な情なのだと気付いた” ”「志保。降一くんと偶然に出会って楽しかったように、彼のいない世界にも別の素晴らしいことや楽しい景色は均等にあるのよ」” 母親からこんな言葉をかけられたら、それだけで世界はこれからも色彩に満ちていると思ってしまう。
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3つの話からそれぞれ異なったことを感じたけど どれにも共通してることは胸がぎゅっと痛くなること 君が降る日からは底抜けに人を愛してみたいと、あそこまでの感情を抱ける人に人生で一度は出会ってみたいと思った 冬の動物園からは偶然な出逢いでもひょんなことでも自分の人生にとって大き...
3つの話からそれぞれ異なったことを感じたけど どれにも共通してることは胸がぎゅっと痛くなること 君が降る日からは底抜けに人を愛してみたいと、あそこまでの感情を抱ける人に人生で一度は出会ってみたいと思った 冬の動物園からは偶然な出逢いでもひょんなことでも自分の人生にとって大きな分岐点になり得ること、人の感情には変化があるものだということ 野ばらからは恋の種類について、友情と恋は紙一重なのかもなと思った とにかく君が降る日が一番切なくて、やり場のない感情に襲われたりもしたけど自分も同じような感情を抱えた時どうなるんだろうと考えてみたりもした
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描きたいことはよくわかって、人の動きで感情が伝わってくる感じもすごく好きだけど設定がどれも強すぎてうおっとなってしまった、私は
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相手を大切に思いながら、不器用で距離を縮められない人たちを描いた3編の短編集。 どの話も切ないが、個人的には、恋人の降一を交通事故で亡くした志保が、事故時にその車を運転していた五十嵐と次第に惹かれあっていく話を描いた"君が降る日"が一番好き。 人がその生い立...
相手を大切に思いながら、不器用で距離を縮められない人たちを描いた3編の短編集。 どの話も切ないが、個人的には、恋人の降一を交通事故で亡くした志保が、事故時にその車を運転していた五十嵐と次第に惹かれあっていく話を描いた"君が降る日"が一番好き。 人がその生い立ちによって見にまとってしまうものとか、運命とか、なぜ人は純粋に自分の気持ちだけで相手を想ってはいけないんだろうとか、いろんなことを考えさせられた。
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『野ばら』がすきでした。 「あー、あー、あ。」(p.247)のところが苦しかったです...。 明確な始まりと終わりがない関係がゆえに、残酷さを増す描写が印象に残りました。永遠に続くのではなく、永遠に始まりもしなければ終わりもしないという状況。双方が真に友情を保てる関係であるとは...
『野ばら』がすきでした。 「あー、あー、あ。」(p.247)のところが苦しかったです...。 明確な始まりと終わりがない関係がゆえに、残酷さを増す描写が印象に残りました。永遠に続くのではなく、永遠に始まりもしなければ終わりもしないという状況。双方が真に友情を保てる関係であるとは限らないのが男女というものなんですね〜切ない。 友だちだと思っていた人を好きになるのは、もう自分の意思で止められることじゃないからこそ、あの結末は悲しいですね... 現実味を帯びていて素敵な作品でした。
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すごく私好みの本だった。 寂しさを抱える男性の描写がとても上手い。 寂しいという感情は時に周りを飲み込もうとするけれど、自分の寂しさが埋まらない限り、人の寂しさを埋めることはできないのだろうなと思った。 島本理生さんお気に入りの作家さんになりつつある。 もっと探索してみよう。 ...
すごく私好みの本だった。 寂しさを抱える男性の描写がとても上手い。 寂しいという感情は時に周りを飲み込もうとするけれど、自分の寂しさが埋まらない限り、人の寂しさを埋めることはできないのだろうなと思った。 島本理生さんお気に入りの作家さんになりつつある。 もっと探索してみよう。 ✏弱いから、安定してるように見せてるんです。 ✏彼はもっとずっと切迫していて、一気に吹き出した孤独が、私は本気で怖かった。 ✏この人の内側は、こんなにも孤独で、寂しくて、前後も分からない鍾乳洞みたいだ。 ✏そして私は、真の軽薄というのは、責任を負いきれないものに対する安易な情なのだと気づいた。 ✏苦しそうに言葉を続ける彼は、いつも大人びて優しい五十嵐さんではなかった。 もっと愛してほしい、大切にされたいと切望する小さな少年だった。 ✏その真っ暗な目を見て、突然、全てに対する後悔が心臓の薄い膜を破って洪水のように溢れ出した。 ✏広い世界がどうのって言い出す男って、たいてい新しいもの好きで飽きっぽいだけだよ。自分さえ満足していれば、誰に狭いって言われても気にすることないよ。
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切ない恋愛短編小説。 どれも共感したし、描かれる感情がリアルで胸がぎゅっとなった。 野ばらが好きかな。 谷川俊太郎さんの「あなたはそこに」 この詩を伝える不器用さが素敵。
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私は私でしかないのに、他人を自分の一部に思ってしまうことがある。思えてしまう出会いがあるのはある意味では素敵なことだが、他人を自分の一部だと思うことには、多分に傲慢さを含む。 結局他人の考えであることなんてわからないし、言葉にされても伝わらなかったり、解釈違いが起こったり、心底わ...
私は私でしかないのに、他人を自分の一部に思ってしまうことがある。思えてしまう出会いがあるのはある意味では素敵なことだが、他人を自分の一部だと思うことには、多分に傲慢さを含む。 結局他人の考えであることなんてわからないし、言葉にされても伝わらなかったり、解釈違いが起こったり、心底わかりあうなんて無理。 だけど、わかりたい、という気持ちを持つことは決して無駄ではないし、今この瞬間だけは完全にわかりあったとかはあるだろうし、その通じ合った瞬間も、わかりあえなかった瞬間も、大事に育てていければきっと、いい関係がうまれるんじゃないかな。
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4.5寄りの星4です。島本理生さんの作品を始めて読みました。恋人を亡くした主人公のお話はとても切なくて、でもあたたかくて丁寧に人間関係を描いていて優しい気持ちになれました。その他に収録されていた2つのお話もとても素敵なお話でした。恋愛ものは島本理生さんの本を読んでいこう。
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島本理生って本当に天才なんじゃないかなと思う。それぐらい自分の心にスッと入り込んでくる物を描く。『野バラ』はラストが秀逸。一気に読み始めからそこまでを思い出して祐に感情移入して色んな感情が湧き上がる。3作品それぞれから感じられるものが違くて、色んな気持ちを味わえた
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