君が降る日 の商品レビュー
「君の降る日」「冬の動物園」「野ばら」の3つが収録されている短編集。 恋人を交通事故で亡くした女子大学生の悲しみ、 またその事故を引き起こしてしまった五十嵐さんとの 複雑な感情の絡まりや変化を書いた「君の降る日」。 かなり年下の男の子の素直さと、意外な男らしさや敏感さに 心を...
「君の降る日」「冬の動物園」「野ばら」の3つが収録されている短編集。 恋人を交通事故で亡くした女子大学生の悲しみ、 またその事故を引き起こしてしまった五十嵐さんとの 複雑な感情の絡まりや変化を書いた「君の降る日」。 かなり年下の男の子の素直さと、意外な男らしさや敏感さに 心を癒されていくとともに奪われていく「冬の動物園」。 “いい男”か否かに年齢は関係ない!ということなのだろうか?! ”友達以上恋人未満”とはまさにこのこと! 現状の関係を壊すのが怖くて「好き」の一言が伝えられない。 とはいえ、好きだからこそ痛いほどわかってしまう相手の感情。 青春です。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
島本理生を読んだのは初めて。 表題作「君が降る日」を読み終えた時点で、重くて、苦しくて、悲しくて、放心状態になって。 次の「冬の動物園」が前向きに終わってホッとしたのに、最後の「野ばら」でまた引きずり込まれて、自分自身に何かが起こったような錯覚になってしまい、結構ぼろぼろになった。 ここまで物語に引っ張られたのは初めてかもしれない。 この前に読んでいた小説に続き、今回も谷川俊太郎が出てきたことに、ちょっとばかり驚いた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
すっごい消耗した。ぐったり。 『君が降る日』は、お互いに求め合って欲しくなかった。勝手な持論だけど、悲しみや苦しみは、共感しあえても乗り越える力にはならないと思う。求め合わなければ、こんな別れ方をすることもなかったのに。それとも、こんな別れ方をしたからこそ、お互い先に進めるのかな?みんなの未来に、幸せが待っていますように。 『野ばら』も切ない。男女の友情が成立しているように見えるのは、片方に恋愛感情があるから。そんな言葉を思い出した。(片方が恋愛感情を持ってたら、そもそも本当は友情じゃないんだろうけど。)違った関係を望まなかったから口にしなかったのかもしれないけど、伝えていたら変わっていたかもしれないのにとも思ってしまう。あぁ、切ない。 唯一、『冬の動物園』に救われたかな。高校生の森谷君がかっこいい!ちゃんと人のことを見てて、恐れずに物事を伝えられて。理屈で難しく考えず、気持ちのままに流されてみるのもいいのかなぁって、楽な気持ちにもなれた。年月がたっても、2人でいて欲しいな。
Posted by
こんなに切ない恋愛小説には久しぶりに出会った。 苦しくてとても綺麗だった。 この苦しさ、このうまくいかなさが人生だよなあという気持ち。
Posted by
表題の物語だけしか読んでないけれど、★は5つ。 何とも。切ない。 決して幸せになどなることは出来ないってわかっているのに、惹かれあってしまうのは。
Posted by
大事な人が突然亡くなってしまったあと、家族、彼女、友人のやりきれない思いが、現実で進んでいく時間に乗って行けない思いがある。私には到底分からないことだけど。 前に進まなきゃと思っても進めない、 その人がそうでなくてもずっとその人を想っていようとしてもそうはいかない、 なんかそうい...
大事な人が突然亡くなってしまったあと、家族、彼女、友人のやりきれない思いが、現実で進んでいく時間に乗って行けない思いがある。私には到底分からないことだけど。 前に進まなきゃと思っても進めない、 その人がそうでなくてもずっとその人を想っていようとしてもそうはいかない、 なんかそういうどうにもならない感情は、 人を亡くさなくても共感できるのかな、と思う。
Posted by
島本さんの小説の空気感がとても好きなので、短編3作とも心に響きました。 辛い環境に置かれた人々が少しずつ前向きに進んで行く姿に、読んでいて癒されます。
Posted by
人は語ることで癒されるのだろう。 それを突然断たれてしまった主人公の絶望を 思うと、胸が苦しかった。
Posted by
恋の楽しさじゃなくて切なさとか寂しさを切り取った3つの短編集。 島本理生の文章は冷静で淡々としているけれど、描かれる主人公たちの気持ちは痛いくらいに熱さを持っている。 そのバランスが好き。 表題のお話は「恋人の死」というとてもありふれた題材だけれど、前に進めず、忘れた...
恋の楽しさじゃなくて切なさとか寂しさを切り取った3つの短編集。 島本理生の文章は冷静で淡々としているけれど、描かれる主人公たちの気持ちは痛いくらいに熱さを持っている。 そのバランスが好き。 表題のお話は「恋人の死」というとてもありふれた題材だけれど、前に進めず、忘れた振りだけがうまくなっていく主人公の姿がとても印象的でした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私は、聖人さんに対して、してほしい、はあっても、してあげたい、はなかったのだ。 ー・-・-・-・- 人にはそれぞれ役割があって、相手が変わると関係性も変化するんだな、と痛感した。 ↑この辺りが良かった~
Posted by