無限の網 の商品レビュー
草間彌生の知らない一面を見た。水玉誕生の背景、ニューヨークでの生活、芸術、とても奥の深い人物なのね。
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ニューヨーク時代、草間彌生さんが、ジョゼフ・コーネルに求愛されていたとは驚き。 一日中、コールされる彼からの電話。彼の家では、息子の女友達を嫌悪するコーネルの母親が二人に水をかける。 彼の才能を認めていた草間は、そんな彼を受け入れ愛した。 コーネルが亡くなり、コーネルの作品が残さ...
ニューヨーク時代、草間彌生さんが、ジョゼフ・コーネルに求愛されていたとは驚き。 一日中、コールされる彼からの電話。彼の家では、息子の女友達を嫌悪するコーネルの母親が二人に水をかける。 彼の才能を認めていた草間は、そんな彼を受け入れ愛した。 コーネルが亡くなり、コーネルの作品が残され、二人のアガペー的恋愛は終わった。
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草間彌生の自伝 面白さや素晴らしさよりも、 もっと根底のエネルギーに対して作用してくる本です。 僕の場合は、絵やパフォーマンスよりも、こういった文章による表現が 受信器として働いたためか、 読んだ後、焦燥感にかられるようでした。 今まで芸術家を含めて色々な伝記・自伝を読んでき...
草間彌生の自伝 面白さや素晴らしさよりも、 もっと根底のエネルギーに対して作用してくる本です。 僕の場合は、絵やパフォーマンスよりも、こういった文章による表現が 受信器として働いたためか、 読んだ後、焦燥感にかられるようでした。 今まで芸術家を含めて色々な伝記・自伝を読んできたけれども 根底に流れるパワフルさと、表現が時間との戦いで、走り続ける勢いが 文章から伝わってくる感覚は他の自伝などでは感じなかった。 スキャンダラスな記述と時々自慢に聞こえる文章もあるが 圧倒的な勢いを感じさせられ、それが自分にも影響を与えていることを実感します。
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10歳で網と水玉をモチーフに絵を書き出して70年以上、今なお旺盛な創作を続ける天才、草間弥生の自伝。最先端のアートが生まれる街となった60年代、70年代のニューヨークで過激なパフォーマンスを繰り広げるところは圧巻です。作品も面白いけど、作っている人間はもっと面白い、と実感させられ...
10歳で網と水玉をモチーフに絵を書き出して70年以上、今なお旺盛な創作を続ける天才、草間弥生の自伝。最先端のアートが生まれる街となった60年代、70年代のニューヨークで過激なパフォーマンスを繰り広げるところは圧巻です。作品も面白いけど、作っている人間はもっと面白い、と実感させられる本なのです。
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凄い。かつて彼女がどんな芸術活動をしていたのか知らなかったので、結構びっくり。ニューヨークに出て行く時にオキーフが助けてくれたというのも知らなかった。突き動かすものがあるから創作の源が枯れることはないのだな。幸か不幸かは知らず。
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子供の頃から幻覚、幻聴に悩まされながら、絵を描くことで快復をはかってきたという著者の自伝。海外渡航が自由化される前に様々な困難を打破してニューヨークに渡り、貧困の中で絵の売り込みや若いアーティスト達との交流する修行時代のエピソードが一番興味深い。自分の作品を文章で論理的に説明する...
子供の頃から幻覚、幻聴に悩まされながら、絵を描くことで快復をはかってきたという著者の自伝。海外渡航が自由化される前に様々な困難を打破してニューヨークに渡り、貧困の中で絵の売り込みや若いアーティスト達との交流する修行時代のエピソードが一番興味深い。自分の作品を文章で論理的に説明する能力が高いのには驚いた。自分を無邪気に天才と言うなどの愛嬌で成功者の自伝に有りがちな嫌味が薄められている。
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天才って、まさにこういう人を言うのだなと、驚愕。 『あしながおじさん』でジュディが『マリ・バシュキルツェフの日記』を読み その天才の奇癖に驚かされ、自分が凡人で良かったと書くのだけれど まさにそんな感じ。 神の与えた才能に応えるためには、犠牲もまた大きい。 別の側面であるけれど...
天才って、まさにこういう人を言うのだなと、驚愕。 『あしながおじさん』でジュディが『マリ・バシュキルツェフの日記』を読み その天才の奇癖に驚かされ、自分が凡人で良かったと書くのだけれど まさにそんな感じ。 神の与えた才能に応えるためには、犠牲もまた大きい。 別の側面であるけれど、60年代から70年代にかけた アメリカの風俗史としても面白かった。
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理性とかモラルを、こうしたパーティーで云々するのは陳腐である。そこにあるのは、人間のもっとも原始的な欲望なのだから。 理不尽な環境に打ち勝つということは、追い詰められた立場に置かれた己の苦しい情況に打ち勝つということであり、人間として生まれてきた故の試練であると思っている。だ...
理性とかモラルを、こうしたパーティーで云々するのは陳腐である。そこにあるのは、人間のもっとも原始的な欲望なのだから。 理不尽な環境に打ち勝つということは、追い詰められた立場に置かれた己の苦しい情況に打ち勝つということであり、人間として生まれてきた故の試練であると思っている。だから、私の全人格をもってそれに立ち向かいたい。こういうことに巡り合ったことも、一つの人の世の運命であるから。 天の啓示によって、私は神に生かされているのである。艱難辛苦、己を玉にする毎日である。そして、歳月とともに、死を意識すること、日一日である。 未来への心の位置を高めたい。そのため、私は芸術をそれへの手段として選んだ。これは一生をかけての仕事である。私の心を、死んで百年の間にたった一人でもよい、知ってくれる人がいたら、私はその一人のために芸術を創りつづけるであろう。 そんな思いで、私は絵画を描き、彫刻を作り、文章を書いているのである。
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前衛芸術家、草間彌生の自伝。 外国に渡航する為に今では想像を絶する程の手間がかかっていた頃、何故アメリカに渡ったのか、どのような活動をしていたのかという事から、他の芸術家との交流、草間彌生の死生観が綴られている。 こういう性質の書籍が文庫化されるのは大変有難い。
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