いま集合的無意識を、 の商品レビュー
短編集という形をとり、新旧の作品が並んでいる。順を追って読むことで、最後の表題作を体験的に理解できる流れになっていた。 氏の本を1冊も読んだことがない、僕のような読者にもやさしい設計でありつつ、読み終えたときには心が奮い立った。 人間の本体を「意識」とするならば、では、それは...
短編集という形をとり、新旧の作品が並んでいる。順を追って読むことで、最後の表題作を体験的に理解できる流れになっていた。 氏の本を1冊も読んだことがない、僕のような読者にもやさしい設計でありつつ、読み終えたときには心が奮い立った。 人間の本体を「意識」とするならば、では、それはどこにあるのだろう。 亡くなった伊藤計劃の幻影を作品内に呼び出し、彼が遺した『虐殺機関』と『ハーモニー』について批評を交えて対話しながら、フィクションの可能性を全身全霊で立て直している。 これは、フィクションを愛するすべての人間へのレクイエムでありアンセムだ。 とりわけ震災後、なんらかの羅針盤を求めているのであれば、そう難解でも分厚くもない書物である。手に取ることをおすすめしたい。
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雪風シリーズは、というか神林さんの作品はどうもなんか読むたびに古典感を感じてしまうなーと思いながら。 大震災を経て物語は変わるかしらSFは変わるかしらSFは変わらないかしらと2012年から15年の物語を楽しみにしているんだけど、それは、どうかな。
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3.11と伊藤計劃 について書いた「今集合的無意識を、」が気になって読んだけど、あんまりすっきりしなかった。 「意識を外注に出す」=「インターネットの同調圧力」ならしっくりきたかも。そんな小説読みたい。
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伊藤さんの『The Indifference Engine』から続けて読むと、表題作がずしんと響く。特に、読む時期も震災から1年たった今だから余計に。 他の収録短編も興味深く読んだ。今年こそは読みたいと思いつつも手を出せていない、雪風を読みたいと思った。
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短篇集というより寄せ集めただけで、最後ののみ読んだって感じがした。 寡作にならざるを得ない状況ということが少しは理解できたかも。
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