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The Indifference Engine の商品レビュー

3.9

132件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    57

  3. 3つ

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2023/07/14

単語やら難しい表現が飛び交うが特に気にせずわかった気持ちになって読めばおもしろい。 その分野に明るい読者であれば何倍もその魅力は増すと思う。

Posted byブクログ

2022/11/18

虐殺器官やハーモニーに対する補完作品や、メタルギアソリッドやある有名映画のオマージュ作品かな? From the nothing, with love.が、伊藤計劃の他の作品とも違ったまた独特の世界観のある作品で、なかなかな着眼点に基づくSF作品で特に良かったです。

Posted byブクログ

2022/07/30

著者の恥部を覗き見ているような感覚。 虐殺器官や、ハーモニーの前身。学生時代に書いた漫画など。所々チープな場面はあれど、天才の片鱗は十二分に感じられる。 ただ、メタルギアソリッドを知らないと物語に入り込めない短編もあり、読むのに骨が折れた。さすがにこの為だけにゲームはできない。

Posted byブクログ

2021/05/04

愛、とかつて呼ばれたもの。最初は確かに愛だったもの。それは年経るごとに変質し、かつての性的な情熱や孤独を癒やして欲しいという狂おしいまでの欲求を喪って、生活のリズムに、共に生きるためのアルゴリズムへと変化してゆく。愛が最終的に行き着く先、愛の究極とは、相手の痕跡を生活に刻むこと。...

愛、とかつて呼ばれたもの。最初は確かに愛だったもの。それは年経るごとに変質し、かつての性的な情熱や孤独を癒やして欲しいという狂おしいまでの欲求を喪って、生活のリズムに、共に生きるためのアルゴリズムへと変化してゆく。愛が最終的に行き着く先、愛の究極とは、相手の痕跡を生活に刻むこと。愛する者のパターンを、互いが自身の人生に繰り込むことなのだ。

Posted byブクログ

2021/03/12

伊藤計劃の世界観が詰まった短編集。人間とはというテーマでリアルかつ残酷に物語を描いている。おそらく、もっと深く詳細なテーマがあり、今の自分では読み取れ切れないのが残念。虐殺器官、ハーモニーを再読したくなった。

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2021/07/18

虐殺器官との繋がりもあり、面白かった。 自分は、この中では『the indifference engine 』が一番面白かった。虐殺器官と比べてみることができ、また、「戦争が終わっても、本当の意味での戦争は終わっていない」というのがとても印象的だったからだ。 その他の作品で、読み...

虐殺器官との繋がりもあり、面白かった。 自分は、この中では『the indifference engine 』が一番面白かった。虐殺器官と比べてみることができ、また、「戦争が終わっても、本当の意味での戦争は終わっていない」というのがとても印象的だったからだ。 その他の作品で、読みづらいものや難しいものもあったが全体的にとても面白かったと思う。 衝撃的だった作品は、『セカイ、蛮族、ぼく』だ。冒頭から凄かった。曲がり角でぶつかる、漫画、ゲームで定番のシチュエーションで、伊藤計劃さんらしくないと思ったが、その後で納得(というか圧倒された)した。長さは短いが、内容が深かった。 『屍者の帝国』の冒頭も収録されていた。面白かったので、今度本編を読んでみようと思った。

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2020/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「虐殺器官」などの長編を思わせるキーワードがちらほら。書いた時期とか、元の作品とかを知らないので、むむむ…となるところも多いのですが… この方の、ひらがなの使い方が好き。 書いてある内容は殺伐としているのに、なんとなくやわらかく感じてしまうし、心地いい。 読んでいるうちに、「身体」というのはただの「うつわ」なのだと思わされる…ような気がする。

Posted byブクログ

2020/04/16

プロパティ所有物 デフォルト初期状態 コンフィグレーション設定値 小銃弾の硝煙 薪のような人間の腕も、裸に剥かれた死体もないことだ。 戦争は終わっていない。僕自身が戦争なのだ。 その屍体の数はアメリカ合衆国の責任のもと正当化されるのだ あまりに抹香臭くて 鼻梁の中央めがけ 人類の...

プロパティ所有物 デフォルト初期状態 コンフィグレーション設定値 小銃弾の硝煙 薪のような人間の腕も、裸に剥かれた死体もないことだ。 戦争は終わっていない。僕自身が戦争なのだ。 その屍体の数はアメリカ合衆国の責任のもと正当化されるのだ あまりに抹香臭くて 鼻梁の中央めがけ 人類の弔鐘となった最後のキノコ雲を見つめる 細雨さいう 深奥しんおう 古強者ふるつわもの 天国の周縁 民間の艦船 勝鬨をあげろ 僕の野蛮は発動させるべき閾値に既に達しつつあるというのに 矛盾の針先 眼窩の空洞 冷笑家シニシスト テムズの川面 じょうさい城砦 神の子の顕現 隔壁のコンクリート はいえつ拝謁を賜った あらわれる顕れる 八十万人ものツチ族が、同じ言葉を話すフツ族によって虐殺された。 映画『ホテル・ルワンダ』 ただし但し書き いはつ衣鉢を継ぐと目される創り手達が

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2020/03/10

伊藤計劃の短編やコミックの原作を務めた作品を集めた作品集。『虐殺器官』で描かれた戦争や悲劇に対する考察や、『ハーモニー』で描かれた意識、自由意志などそれぞれの作品に補完の関係があり、呼応している。「007」シリーズや「メタルギア」シリーズに対するオマージュの作品もあり、伊藤計劃の...

伊藤計劃の短編やコミックの原作を務めた作品を集めた作品集。『虐殺器官』で描かれた戦争や悲劇に対する考察や、『ハーモニー』で描かれた意識、自由意志などそれぞれの作品に補完の関係があり、呼応している。「007」シリーズや「メタルギア」シリーズに対するオマージュの作品もあり、伊藤計劃の作品は自身の作品群の枠を拡張し、メディアの形式を超えて遺伝子が引き継がれているのだと感じた。

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2019/12/04

"虐殺器官"ですっかり魅せられ、ハマってしまった伊藤計劃の読了二作目。これもまたすごかった。表題作は虐殺器官のミクロを描いているとも考えられる内容で、痛みはわかるけど痛くないマスキングのところで改めて思い出した。あとHeaven scapeでも冒頭の"...

"虐殺器官"ですっかり魅せられ、ハマってしまった伊藤計劃の読了二作目。これもまたすごかった。表題作は虐殺器官のミクロを描いているとも考えられる内容で、痛みはわかるけど痛くないマスキングのところで改めて思い出した。あとHeaven scapeでも冒頭の"後頭部にぱっくりとひらく紅い花"やナノマシンの描写は虐殺器官に通ずるものを感じた(ナノマシンは万物理論でも見かけた気がする??)。本書の後ろ三部は"私"というテーマでどこか繋がっているような感じがして、特に"from nothing, with love"は正直前半はわけが分からなくてなんだこれ。と思ったけど、終盤タイトルの意味が分かったときには息が止まりそうにびりびりきた。話のトリックとして面白かったのはもちろんだけど、この作での"意識"の捉え方や作品全般での人の頭の中については見えている景色が本当に違うと思う。数は少ない伊藤計劃全作に丁寧に触れたい。あと屍者の帝国もすごく惹かれた。

Posted byブクログ