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紙の月 の商品レビュー

3.8

367件のお客様レビュー

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    56

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2013/01/14

梅澤梨花、銀行で横領をしてタイにいるところからストーリーが始まります。 夫との間に子供ができず、違和感を感じ始めてから少しづつ、何かが変わっていく様子が、リアルに描かれています。 突然大きく変わっていくわけではなく・・・ その時々に感じる気分の高揚や焦燥感のようなものが自分に...

梅澤梨花、銀行で横領をしてタイにいるところからストーリーが始まります。 夫との間に子供ができず、違和感を感じ始めてから少しづつ、何かが変わっていく様子が、リアルに描かれています。 突然大きく変わっていくわけではなく・・・ その時々に感じる気分の高揚や焦燥感のようなものが自分にも当てはまりそうで、こわい話でした。

Posted byブクログ

2013/01/14

女性銀行員が1億円横領したという小説。 普通の主婦だったのに、ちょっとずつ確実に堕ちていくところが暗くて怖いです。アジアの描写が上手で、何だか行きたくなってきました。

Posted byブクログ

2013/01/06

人はわかっていても、 いや、わかりそうなのに そこへ目を向けることができずに 突っ走ってしまうことがある。 そこには何の意味もないのに。 登場した女性たちの気持ちが痛い。

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2013/01/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

女性の転落人生。 目の前にあるぼんやりとした空白を埋め切れなかった人々。 この方の犯罪小説(と言っていいのかな?)は、実際にあったものをヒントに、その背景を創作しているのだと感じました。 こういうのは女性にしか描けないかもしれません。

Posted byブクログ

2012/12/21

初出 地方新聞 大幅加筆訂正あり、柴田錬三郎受賞作品。 作者の代表作と言われている『八日目の蝉』と同様、狂った女性を描いた犯罪小説に分類されるのであろうが内容というか読者に対するインパクトは毛色の違ったもの。 前者は誘拐犯で本作は業務上横領、前者はやってはならないことだとは分かっ...

初出 地方新聞 大幅加筆訂正あり、柴田錬三郎受賞作品。 作者の代表作と言われている『八日目の蝉』と同様、狂った女性を描いた犯罪小説に分類されるのであろうが内容というか読者に対するインパクトは毛色の違ったもの。 前者は誘拐犯で本作は業務上横領、前者はやってはならないことだとは分かっていながらも、多少なりとも主人公の“母性”に対する同情が芽生えるところが作者の筆力の高さを窺わせたのであるが、本作は同情のかけらも生じない。 ただ本作の方が読者に対しては身近に感じられる。転落して行く過程を楽しむべき作品だと言える 通常、主人公のように陥るまでには気付くのでしょうが作者は主人公の知り合いである3人をサイドストーリー的に綴っている。 3人ともそれぞれの事情があって、いわば主人公の予備軍的要素があるのでハッとさせられる。 読まれた人の大半が梨花が熱くなった大学生をつまらない男だと認識し、梨花の夫や梨花を信じてお金を預けたお客さんに同情、そして明日からちょっとはお金を大事に使おうと誓って本を閉じることであろう。 お金の怖さを十二分に描き切った作品と言えそうで、読んでいて次第にごく普通の女性である梨花が“自分が自分でなくなってゆく過程”が見事に描かれている。 最後にこんなことまでしておいても生きていこうという主人公の意志が見えたのであるが、この人に幸せになる権利ってあるのだろうかと少し厳しい気持ちになった。 そう言った意味では女性読者が読まれた方が共感は無理としても同情はできるのであろうか。作者の意図も聞いてみたくなった次第である。

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2012/12/19

 タイトルでまず思い浮かんだのだが!詐欺師の男とこまっしゃくれた機転の利く少女のコンビが、新聞で死亡記事を見つけては、遺族を訪れ生前に注文されていたと云って、騙して聖書を売り付けるという「ペーパー・ムーン」という古いモノクロ映画をNHKでみたことがある。まぁ本書もいわば詐欺の話で...

 タイトルでまず思い浮かんだのだが!詐欺師の男とこまっしゃくれた機転の利く少女のコンビが、新聞で死亡記事を見つけては、遺族を訪れ生前に注文されていたと云って、騙して聖書を売り付けるという「ペーパー・ムーン」という古いモノクロ映画をNHKでみたことがある。まぁ本書もいわば詐欺の話でもあるが・・・・・。  主人公が41歳の主婦で銀行の契約社員という立場で、定期預金証書を偽造し顧客から1億円あまりを横領し海外へ逃亡するというもの。買い物依存症で夫から離婚された知人、節約ママのクラスメイト、金遣いの悪さが原因で離婚された元彼、というような彼女と縁する登場人物の視点で交互に語られていく。  欲しいものは、みな手に入ると思うようになって金銭感覚がマヒしていく主人公の辿りつく先は、何かあればすぐ崩れ去ってしまう相対的なもので、本当に大切なものは何かと考えさせられる。それは、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件など、人智では計り知れない恐ろしい出来事が起き人の心が揺れ動いた1995年から2001年というこの物語の時代背景にも象徴されている気がする。

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2012/12/10

怖くなって、途中から斜め読みになってしまいました。。本当は☆5つの内容なのでしょうが私にはきつかった(><)

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2012/12/02

人が破たんしていくのを見続けるのは結構しんどいな。 梨花は自分を客観視できなくて、 よく考えることを放棄しているところがあるからここまでいってしまったのだろう。 でも、梨花が特別なのではなく、誰でも足を踏み入れてしまうかもしれない。 それがコワい。 読み続けるのに結構心の体力が...

人が破たんしていくのを見続けるのは結構しんどいな。 梨花は自分を客観視できなくて、 よく考えることを放棄しているところがあるからここまでいってしまったのだろう。 でも、梨花が特別なのではなく、誰でも足を踏み入れてしまうかもしれない。 それがコワい。 読み続けるのに結構心の体力がいる。 そう思わせる角田さんは上手いのだろうな。 でもとにかく疲れたので★3つ。

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2012/11/25

村山由佳氏や島本理生氏の本を読んだ後だったのでずいぶん淡泊だなと最初思ったけどだんだん引き込まれていきました。 主人公がそれまで平凡な生活をしていたのに徐々に壊れていく様子がとても自然な感じで書かれていると思う。大きな何かがあったわけではなくちょっとしたことから始まり、この作品の...

村山由佳氏や島本理生氏の本を読んだ後だったのでずいぶん淡泊だなと最初思ったけどだんだん引き込まれていきました。 主人公がそれまで平凡な生活をしていたのに徐々に壊れていく様子がとても自然な感じで書かれていると思う。大きな何かがあったわけではなくちょっとしたことから始まり、この作品の場合はそれがお金で、1度うまくいったから何度も繰り返していくうちに気づいたら取り返しのないことになっていた。 淡々とした描写だから途中でやめるかもと思ったけど、読みやすく、共感できる部分が意外とあっておもしろかった。

Posted byブクログ

2012/11/23

怖い怖い。 一歩間違えば陥りそうなお金への歪んだ感覚。お金に負けて様々を失った人がいる。他人事ではない、お金とはそういうものだと改めて思った。 しかし角田さんは女性の心理を書くのがうまいなー。

Posted byブクログ