それでも三月は、また の商品レビュー
3月11日、作家と詩人による震災にまつわるアンソロジー。 川上弘美の「神様2011」は軽快なようでずっしり重たい。 佐伯一麦の「日和山」はリアルな描写で胸がいっぱいになる。 川上未映子「三月の毛糸」と角田光代「ピース」は、まるで自分のことの様な内容で、読んで思わず落涙。 時間...
3月11日、作家と詩人による震災にまつわるアンソロジー。 川上弘美の「神様2011」は軽快なようでずっしり重たい。 佐伯一麦の「日和山」はリアルな描写で胸がいっぱいになる。 川上未映子「三月の毛糸」と角田光代「ピース」は、まるで自分のことの様な内容で、読んで思わず落涙。 時間が経てば経つ程、また自分の心境が変化した時こそ、感じ方を変えて新たな楽しみを味わわせてくれると思う。
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あの忘れられない日を心に刻む、胸に迫るアンソロジー。作家・詩人17人は、3.11後の世界に何を見たのか。 好きな作家がたくさん載っていたので読んでみた。惨事を書いているもの、惨事にまつわる人々や空想の出来事などいろいろなことが書かれている短編集。中には実際に震災に遭われた方が読...
あの忘れられない日を心に刻む、胸に迫るアンソロジー。作家・詩人17人は、3.11後の世界に何を見たのか。 好きな作家がたくさん載っていたので読んでみた。惨事を書いているもの、惨事にまつわる人々や空想の出来事などいろいろなことが書かれている短編集。中には実際に震災に遭われた方が読んだら、どう思うのだろう?というハテナな作品もあったけど。 谷川俊太郎の詩は、胸にずしんときた。 角田光代は世界観がやっぱり好き。 他の作品も読んでみたいと思った作家がいた。
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東日本大震災に想いを寄せて書かれた短編集。 それぞれの人生観も垣間見れて、とても興味深く読んだ。 同じ事柄でもいろんな感じ方があって、その表現の仕方もそれぞれ。 直接的に。間接的に。抽象的に。 どの人も大なり小なり、あの震災によって否応なく突き付けられた何かがあると思うけど、 それを表現するのって、とても難しいと思う。 でもこの本に収録された作品は、どの表現者も突き付けられた何かをもとに、 現実に目をそむけず、自分の内面を見つめて、考え、表現したものばかりだと思う。 そんな姿が素晴らしいと思い、やっぱりこんな風に文章を書ける人を尊敬する。
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川上未映子「三月の毛糸」、角田光代「ピース」、デイヴィッド・ピース「惨事のまえ、惨事のあと」がお気に入り。どの作品も個人の目線におりて書いているけど、この三人の作品の言葉が一番私にはおりてきた。この本のおかげで、読まず嫌いしてた川上未映子さんに好感が持てたのは大きな収穫。
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色んな話のかけらが読後しばらく経ってもふっと蘇る。直接地震の事を書いている物は少ないけど、ジワジワとしみてくる… こういう本が実現した事自体も日本じゃないみたい、じゃない?
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3月11日をテーマにした、小説家数名によるアンソロジー。 映像では何度も見て、ある意味麻痺している部分もあったのかもしれない。でも彼ら彼女らの言葉による表現を読んでいたら、胸が苦しくなった。映像でまざまざと見せられるものよりも、文字として自分の想像が加味されたものだから、もっと直接的に胸を打つのかもしれない。 ただ毎日を過ごしていただけなのに、一瞬でそれらがなくなってしまった。想像を絶する苦しみ。でも作者たちもどうにかして自分達の中にあった想いを言葉にして吐きだしたかったのかもしれない。
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震災はずっと続いている。 そして、これからも終わることはないだろう。 本書はその現実をゆっくりと確実に胸の痛いところに突きつけてくる。 多和田葉子、川上弘美、池澤夏樹、村上龍、デイビッド・ピースの作品が特にキタ。
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東日本大震災を様々な作家や詩人たちが文学の形で表現したアンソロジー。冒頭の谷川さんの詩がずしんと響き、多和田さんの描く未来の日本像に怯え、重松さんのおまじないに少しほっとしました。小川さんの短い文章を読むと不思議に落ち着き、川上弘美さんの震災前と震災後の書き直した物語の対比はなる...
東日本大震災を様々な作家や詩人たちが文学の形で表現したアンソロジー。冒頭の谷川さんの詩がずしんと響き、多和田さんの描く未来の日本像に怯え、重松さんのおまじないに少しほっとしました。小川さんの短い文章を読むと不思議に落ち着き、川上弘美さんの震災前と震災後の書き直した物語の対比はなるほどと読みました。いしいさんのルル、明川さんの箱のはなしを読み、他の作品も読んでみたくなりました。それぞれに舞台も時代も違う、表現方法も違う作品。読んでいて、少し辛いなと思うときもありましたが、こういう風にとらえた人もいるんだと思いながら読みました。震災は色々な人に痛みを残しましたが、誰一人同じ痛みはないのだな、こうして分かり合って支えあっていかなくてはと思いました。
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3.11をモチーフにしたアンソロジー。多和田葉子の「不死の島」と川上弘美の「神様2011」が特に印象に残った。 「不死の島」3.11後にどんどん日本の状況が悪くなっていく様子を描いた近未来のSF。「文学の役割は"最低"の状況を想像して描いて見せ、人々にそれが...
3.11をモチーフにしたアンソロジー。多和田葉子の「不死の島」と川上弘美の「神様2011」が特に印象に残った。 「不死の島」3.11後にどんどん日本の状況が悪くなっていく様子を描いた近未来のSF。「文学の役割は"最低"の状況を想像して描いて見せ、人々にそれが現実にならないように努力させること」なのではないかと思った。 「神様2011」は3.11前に書かれた「神様」という作品に3.11後に起こったあれこれ(放射線量を気にして生活するようになった様子など)を反映させた、いわばリメイク作品。「神様」と「神様2011」の二つが合わせて掲載されているので、比較しながら読むと面白い。同じような日常が3.11前後では大きく変わっていることが実感でき、静かな作品なんだけど示唆に富んでいると感じた。
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三月十一日をテーマに色々な作家さんが 思い思いに書いた話。 直接的表現もあり、間接的表現もあり ただ どれを読んでも 東日本大震災につながっている ここまで著名人が集まった本は 少ないのでは? 読みたいのに なかなか進まない 一冊でした。。
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