晴天の迷いクジラ の商品レビュー
心に傷を抱えた3人が、ひょんなことから出会い、打ち上げられたクジラを見に行く‥‥っていうあらすじは、ありがちなロードムービー的な気がしたけど、みんなの抱えた傷のリアリティがすごくてすぐに引き込まれた。 身に覚えがあってもなくても、崩れるギリギリの精神状態が自分のことのように感じる...
心に傷を抱えた3人が、ひょんなことから出会い、打ち上げられたクジラを見に行く‥‥っていうあらすじは、ありがちなロードムービー的な気がしたけど、みんなの抱えた傷のリアリティがすごくてすぐに引き込まれた。 身に覚えがあってもなくても、崩れるギリギリの精神状態が自分のことのように感じるような、ストーリーの巧さ。 3人のどうしようもなさがたまらない。 そしてラストの希望。パーフェクトな希望じゃないけど希望しかない。 素晴らしいラスト。強い。
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※このレビューにはネタバレを含みます
デザイナーの由人、その会社の社長の野乃花、女子高生の正子。 3人はそれぞれに傷を抱え、精神的に追い詰められていた。 それぞれが死を選びそうになった時、 野乃花の故郷に近い湾に迷い込んだクジラを 由人は見に行こうと社長の野乃花に提案する。 途中で正子を拾い、3人はクジラを見に行く。 その村で出会った雅晴とおばあさんの家でお世話になりながら、3人はそれぞれに回復していく。 どんなにつらいことがあっても死んじゃダメだって 思い詰めている当人に言うのは、酷なのかもしれない。 でも、そういってくれる人が身近にいるだけで 力になるんだって、そう思える。 雅晴もおばあさんも3人からしたら赤の他人なのに、 死について、思うことがあって、 それに裏打ちされた言葉は強い。 あんなに暗く後ろ向きだった3人が徐々に 前向きになるのは、なんだかうれしかった。 3人のバックボーンが丁寧に描かれていたから 同じ境遇ではないけれど、きちんと感情移入して読めたし おばあさんが正子に語った話では泣いてしまった。 クジラが海に帰るのと同時に 彼らは回復する。 これからも迷うことがあったとしても きっと彼らは大丈夫なはず。
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この人は、切羽詰まった人間を書かせたらピカイチだと思う。 悩んで、追い込まれて、崩壊して行く人間の様子のリアリティがある。 そして、この人の描く男が、私の好み。 ふがいない僕は~の、斉藤君もなかなかだったけど、今回の海老君も、本当に胸が熱くなるほどのいい男。 グズグズした女を気...
この人は、切羽詰まった人間を書かせたらピカイチだと思う。 悩んで、追い込まれて、崩壊して行く人間の様子のリアリティがある。 そして、この人の描く男が、私の好み。 ふがいない僕は~の、斉藤君もなかなかだったけど、今回の海老君も、本当に胸が熱くなるほどのいい男。 グズグズした女を気に掛ける男っていうのが単純に好きなんだろうな。 ストーリーは、救いようのないところからのスタートで、最後どうするのー?っていうくらい停滞してたんだけど。 最後は、少しご都合主義におさめられてしまったかな。 というのは残念だったかも。 どうせなら、救いのないまま終わるのも良かったけど、それは好き好きなんだろうな。
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4つの話しがうまく繋がって長篇になった感じだ、「ソラナックスルボックス」では田宮由人の生い立ちが語られ、デザイナーになった由人が働く会社の社長として中島野乃花が出てくる.「表現型の可塑性」では一人娘の晴菜を置き去りにして失踪する野乃花の少女時代と結婚生活が描写される.「ソーダアイ...
4つの話しがうまく繋がって長篇になった感じだ、「ソラナックスルボックス」では田宮由人の生い立ちが語られ、デザイナーになった由人が働く会社の社長として中島野乃花が出てくる.「表現型の可塑性」では一人娘の晴菜を置き去りにして失踪する野乃花の少女時代と結婚生活が描写される.「ソーダアイスの夏休み」では母親に雁字搦めにされて育った篠田正子の少女時代が語られ、最後の場面で正子は破綻した会社を逃げ出した由人と野乃花の車に乗り込む.この二人はクジラ見学に行く途中だが、地元のおばあさんに気に入られて宿を借りる. そこは野乃花の故郷である.墓参りの場面が良かった.由人、野乃花、正子のそれぞれのキャラクターがよく描写されている.
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2012.03.31読了。直前に読んだ【凍りのくじら】からのタイトル買いw1章毎に、3人の主人公が語り継いで行く物語。その3人共の背景が、とりあえず暗い…。一応ハッピーエンドに向かいつつあるエンディングなので良かったです。 あたしは、凍りのくじらの方が好きでしたがwクジラ見てみた...
2012.03.31読了。直前に読んだ【凍りのくじら】からのタイトル買いw1章毎に、3人の主人公が語り継いで行く物語。その3人共の背景が、とりあえず暗い…。一応ハッピーエンドに向かいつつあるエンディングなので良かったです。 あたしは、凍りのくじらの方が好きでしたがwクジラ見てみたいなぁ。
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親子関係、生い立ち、仕事、周りの死、、、誰にでも起こりうる悩みを持つ登場人物たちが、偶然に出逢い、打ち上げられたクジラとクジラで賑わう街で出逢った人達によって変わって行く、その描写が素晴らしく、心が温まった。 死ぬな、この本に出てきたその言葉が、深く心に刺さる。
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わたしも、あなたも、迷い込んだクジラなのかも。 由人も野々花も正子も、大切な声が聞こえなくて、迷い込んで弱ってしまったクジラ。全部に共感できないけれど、少し休んで立ちあがろうと思えれば、いいんじゃないかな。
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電車の中で読んでいて涙が出て困った。この作家さんは、「ふがいない僕‥‥」もとても良かった。注目の作家さんです。切なく哀しい僕たち。でもね、生けていればきっと‥。
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「ふがいない...」と同じようにどこか自分を俯瞰してるような眈々とした描写が返ってこちらを惹きつける。 まだ困難は続きそうだが、由人と野乃花には仕事仲間、正子にはおばあちゃんの支えで「死ぬ」ことから遠ざかることができた。もがき苦しみながらも、死なないこと。とりあえず!
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人生の転機に何度でも読み返したくなる、感涙の物語!という触れ込みが気になり、ふがいない…に続き二作目の窪美澄。 由人、野乃花、正子の三人は、各々つらい人生を抱えている、死を考え始めるが、クジラを見に行き、再生に向かう。最後のおばあちゃんとのやり取りは感涙ものでした。
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