けむたい後輩 の商品レビュー
後輩だけじゃなく登場人物が全員けむたかった。 栞子に罪はない。男の夢に乗っかりたいのに男運がない普通の女子大生。ただちょっとプライドが高すぎただけ。そんな人がピュアで非凡な後輩から盲目的に崇拝され続けたらキツイだろうなぁ。 そして男たちのダメっぷりが眩暈がするほど強烈で、腹立たし...
後輩だけじゃなく登場人物が全員けむたかった。 栞子に罪はない。男の夢に乗っかりたいのに男運がない普通の女子大生。ただちょっとプライドが高すぎただけ。そんな人がピュアで非凡な後輩から盲目的に崇拝され続けたらキツイだろうなぁ。 そして男たちのダメっぷりが眩暈がするほど強烈で、腹立たしいのを通り越して笑えてしまった。
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栞子みたいな女にイライラするけど、あれだけ栞子を優先する真美子もイライラする。よく周りがあれだけ言っても聞かず、周りから孤立しないものだ。現実だったらもっと友達離れていきそうなのに。最後の終わり方もそんなんか、ってちょっとがっかり。
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こういうのは正直困る、というのが率直な感想。 これを「女の本当」と思われてしまってはたまったモンじゃない。 記号でしかない。 なんだ、簡単に言えば幼稚な小説だ。 ページをめくる度イライラとして読み進めるのが苦痛な程だったが、 これをきっと最後には解消してくれるに構造に違いない! と信じて諦めなかった。 解消はしてくれなかった。 結局ラスト、栞子が真実子に対して「大人の女だ」と感じるんだけど、ハッキリいって真実子の態度も発言もどう考えても大人に思えない。ガキ臭い女のやり取りでしかない。 これは、どうなの? それに真実子にセンスがあり生まれ持った才能もあり、 本当に物事に対して見る目があるなら栞子に憧れる時点でおかしいよね? 結局文章に「行間」がないから真実子がただバカに見える。 (真実子に限らず) いや〜、さすがに無理だわ、こういうの。 美里のやってる事も努力と表現されてるけど、え?って感じだし、 栞子が本音っぽい事を初めて相手に声に出して吐露しても結局人のせいにしてるし、成長する云々ですらなく、こいつらほんと、どうでもいいわ。としか思えなくて疲れる。 とにかく出てくる人物全員幼稚。大人皆無。 切実さもなければ必死さもないから「イタさ」ではなく「バカさ」に見えるんだと気がついた。 登場人物が世界と対峙してないですわ。 ぺらぺらの女の子たちを意図して書いているとしても、 あまりにも魅力がないし文章そのものも好きではない。 リズムもないし台詞が説明臭いわマンガ臭いわで。 「露悪的」=「リアル」みたいな単純な図式、いい加減やめて欲しい。 久しぶりに「アタシ」たち「オンナノコ」の話を読んだ。 苦手だ。
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自分を特別視する女。 先輩を崇拝する女。 学生時代の葛藤や嫉妬。 瑞々しくそしてザラリとする切れ味。 【図書館・初読・9/14読了】
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王様のブランチで紹介されてたのをみて読みたくなって、図書館で順番待ちしてました。 友人に憧れたり嫉妬したり 、優越感や劣等感を持ったり、人とは違う自分に満足したり何もない自分を認めたくなかったり、若さゆえ、女性ゆえのさまざまな感情がリアルに描かれています。 登場人物達に共感...
王様のブランチで紹介されてたのをみて読みたくなって、図書館で順番待ちしてました。 友人に憧れたり嫉妬したり 、優越感や劣等感を持ったり、人とは違う自分に満足したり何もない自分を認めたくなかったり、若さゆえ、女性ゆえのさまざまな感情がリアルに描かれています。 登場人物達に共感できるとまではいえないけど、時々理解できる一面があったりして・・・ 少女達よ、早く成長しなさい~、という気持ちになりました☆
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胸がちくちくする。栞子に憧れた時期も、真実子のように妄信的だった時期も、美里のようにそれを外から眺める時期もあった、すべてを通ってきたわたしには痛々しいくらい刺さってくる作品。 固有名詞の使い方が現代的でいっそうリアリティがあります。コム・デ・ギャルソンで固めて、キャメルのタバコ...
胸がちくちくする。栞子に憧れた時期も、真実子のように妄信的だった時期も、美里のようにそれを外から眺める時期もあった、すべてを通ってきたわたしには痛々しいくらい刺さってくる作品。 固有名詞の使い方が現代的でいっそうリアリティがあります。コム・デ・ギャルソンで固めて、キャメルのタバコ吸ってて、いちいちポエミーな先輩、いたなあ…。 スイーツとかサブカルとか信者とか、そんな言葉に負けてしまいそうな女子たち、一度は是非。
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栞子は14才で本を出した早熟な少女。 『けむり』に憧れていた真実子は、大学で彼女に出会い虜となる。 完全崇拝の後輩の出現に気をよくする栞子。 ただこの後輩はただ者ではなかったのだ。 ありがちな設定だがおもしろかった。
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バレエで言えば、プリマのように、 真ん中に立つ人間と、そうではない人間。 というのは、やはり最初から決まっていると思う。 真ん中に立つ人は、無意識にその場所を選び取るものだ。 そこに行けないことを心の奥底では感じながらも認めず、 男と煙草と、自分を許容してくれる環境にしがみつく...
バレエで言えば、プリマのように、 真ん中に立つ人間と、そうではない人間。 というのは、やはり最初から決まっていると思う。 真ん中に立つ人は、無意識にその場所を選び取るものだ。 そこに行けないことを心の奥底では感じながらも認めず、 男と煙草と、自分を許容してくれる環境にしがみつく「先輩」 無邪気に周囲をなぎ倒しながら真ん中へとつきすすむ「後輩」 女と女って、どこまで行っても本当の意味では仲間になられへんのよね。というところを、すごく上手く描いた作品。 全ての登場人物が真剣なので、よけい、読み手の失笑を誘うのね。 それにしても・・・・ほんまに、けむたいわ。こんな後輩。
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最後、真実子が栞子に対して言った台詞はすっとした。 やっと、目が覚めたか、と。 キャラクターそれぞれに味があった。逞しい美里が良かった。
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過去の栄光にすがったままプライドだけは高い栞子と、彼女を献身的に崇拝する後輩の真実子、ぬきんでた美貌を持つが真面目にアナウンサーを目指している真美子の親友の美里。彼女たちを中心に、女性ならではのエゴと見栄を軽いテンポでざくっと鋭く、けれどやさしい視点で描いた物語。あまりに生々しく...
過去の栄光にすがったままプライドだけは高い栞子と、彼女を献身的に崇拝する後輩の真実子、ぬきんでた美貌を持つが真面目にアナウンサーを目指している真美子の親友の美里。彼女たちを中心に、女性ならではのエゴと見栄を軽いテンポでざくっと鋭く、けれどやさしい視点で描いた物語。あまりに生々しく生きる彼女たちの行動、言動には時折どきっとするほど思い当たることもあって、痛烈なほどです。こういう人、いるよな。もしくは、自分のことだな。必ず女性ならそう感じるはずでしょう。 真実子が自身の稀有な才能を時折拓かせながらも自身のそれには無自覚で、けれども栞子はうっすらそれに気づいていく。その栞子の焦りと、それでも真実子は自分を慕っていて逆らうことはないはずだという自信、その両極にある自分を守るためのエゴはとても醜いけれども、だれでも自分が特別ではないとは気づきたくはないものです。だから、彼女の心情こそよくわかったのです。 そしてそれゆえに、クライマックス、持つ者の自覚を持った真実子が持たざるものと気づきつつも気づかないふりをしている栞子に対して放つ断罪の言葉が、インパクトを持ってこちらに突き刺さってきたのでした。非の打ち所のないその言葉は、けれどかつて女子大生であったころの言葉と、スタンスはまったく変わってはいないのです。つまり彼女の信じているすべてをそのまま相手にぶつけている、ということ。清清しいまで自分を貫く真実子は、ジレンマや葛藤を抱えて生きる女性ほとんどにとって、本当にけむたい存在であるのでしょう。
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