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ブラック・アゲート の商品レビュー

3.3

38件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2012/04/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どうしようもなく降り掛る災厄を生き延びる。物語の中で生き延びる人間の視点が好きだ。人間の身丈に視点が設定されている。 主人公は生き延びる。 しかし、物語の中が大勢の人間がどうしようもなく死んでいく。 弱い立場に置かれ、死に呑み込まれていく苦しさがよく分かっている方が書いてると感じた。

Posted byブクログ

2012/04/14

日本各地で猛威を振るう未知種のアゲート蜂。人間に寄生し、羽化する際に命を奪うことで人々に恐れられていた。瀬戸内海の小島でもアゲート蜂が発見され、病院で働く事務長の暁生は、娘・陽菜の体内にこの寄生蜂の幼虫が棲息していることを知る。幼虫を確実に殺す薬はない。未認可の新薬を扱っている本...

日本各地で猛威を振るう未知種のアゲート蜂。人間に寄生し、羽化する際に命を奪うことで人々に恐れられていた。瀬戸内海の小島でもアゲート蜂が発見され、病院で働く事務長の暁生は、娘・陽菜の体内にこの寄生蜂の幼虫が棲息していることを知る。幼虫を確実に殺す薬はない。未認可の新薬を扱っている本土の病院を教えられた暁生は、娘とともに新薬を求めて島を出ようとするが、目の前に大きな壁が立ちはだかる…。暁生親子の運命はいかに(「BOOK」データベースより) 寄生蜂によるパニックもので、未知種のアゲート蜂とどう戦うか、というストーリーと予想したのですが、ちょっと違ったかな。 独自に進化を遂げた一種類の蜂の脅威に踊らされ、社会の仕組み自体が崩壊寸前になった日本。 そこで、いかに人間として生きるか、という事を問いただす内容になっています。 スケールの大きいパニックものではなかったけれど、舞台を小さな島に限定したことで、中身は密になっています。 特に主人公と相対する村綺について書かれた第3章は秀逸。 一線を越えた彼のようにはならないかもしれないけれど、闇の救済者たる彼らに礼を言う家族の一人にはなりうる可能性にぞっとしました。

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2012/04/10

星4つにするか悩んだが、ちょい厳しめで星3つ。 でも悪くはないです。ややあっさりな感じだけど、その分読み易い。緊迫感もある。 だけど個人にフォーカスし過ぎたせいか、世界がヤバイ感があまり伝わらなかった。 もっと枚数割いてでも日本中がパニックになっている様を書いても良かったんじゃな...

星4つにするか悩んだが、ちょい厳しめで星3つ。 でも悪くはないです。ややあっさりな感じだけど、その分読み易い。緊迫感もある。 だけど個人にフォーカスし過ぎたせいか、世界がヤバイ感があまり伝わらなかった。 もっと枚数割いてでも日本中がパニックになっている様を書いても良かったんじゃないかなぁ。

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2012/04/06

人間に寄生する未知のアゲート蜂に脅かされる日本を描いたパニック小説。第4回小松左京賞を受賞したSF作家だけあって、リアルな描写が秀逸です。

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2012/03/29

『華竜の宮』で私の心を鷲づかみにした上田早夕里さんの新刊。 『華竜~』は壮大なスケールの物語でしたが、この作品は規模の大きな事象を扱いつつもも身近な問題として深く考えさせられる、そんな作品でした。 人に寄生しやがては死に至らしめる毒蜂、「アゲート蜂」。 その蜂に刺されることで引...

『華竜の宮』で私の心を鷲づかみにした上田早夕里さんの新刊。 『華竜~』は壮大なスケールの物語でしたが、この作品は規模の大きな事象を扱いつつもも身近な問題として深く考えさせられる、そんな作品でした。 人に寄生しやがては死に至らしめる毒蜂、「アゲート蜂」。 その蜂に刺されることで引き起こされる諸症状「蜂症」が蔓延した日本を舞台に、ある島で暮らす蜂症を発症した少女とその家族が新薬を求めて現実と戦う物語。 帯には「近未来バイオ・サスペンス」と書かれていますが、そういう趣はあまりありません。「蜂による感染の恐怖」よりも「人間の社会システムの脆さ」に焦点を当てているので、割と身近な問題を描いている作品だと思いました。 新種の蜂がもたらす人類絶滅の恐怖という大規模な話と、孤独死やホームレスの問題など、弱者が切り捨てられる社会の問題をうまく繋げて描いており、まるで今の現実が向かおうとしている未来への警鐘のように感じられます。 毒蜂の蔓延という割と突拍子もない設定ですが、とても現実味のある話でした。 蜂よりも、患者家族を非情な手段で追い詰めていく村綺という男の存在がとても恐ろしかったです。 村綺にも同情すべき過去があるのですが、それでもやっぱり彼のようなやり方には嫌悪感を抱きます。でも、自分もそういう立場になったら彼のような選択をしそうな気がして、そう考えるとすごくすごく怖いのです。 今こういう作品を読むと、どうしても昨年の大地震や今後起こるかもしれない大災害のことを考えてしまいます。 そういう非常事態に直面したとき、自分は果たしてどういう人間でいられるのか?そう問いかけられているような気がしました。

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2012/03/11

この先とうなるんだろう、どきどき面白く読めました。 が、上田早夕里だからこその星みっつ。 彼女の小説にはいつも美学みたいなものが感じられるのだけれども、今回はイマイチ薄いのが残念。 というか、分量が足りてないのでは? 多少の尻切れとんぼ感あり。

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2012/03/09

リーダビリティが高いので、ぐいぐいと最後まで読ませます。さすが、上田早夕里! ただ展開が速いので、細かな設定説明はほとんどなし。追う者と追われる者、希望と絶望を描くのが主眼のように思いました。 ところで上田早夕里、国家とか官僚とか政府とか全く信用してないでしょう。まぁ、そこは...

リーダビリティが高いので、ぐいぐいと最後まで読ませます。さすが、上田早夕里! ただ展開が速いので、細かな設定説明はほとんどなし。追う者と追われる者、希望と絶望を描くのが主眼のように思いました。 ところで上田早夕里、国家とか官僚とか政府とか全く信用してないでしょう。まぁ、そこは一貫しているんですが(お菓子ものは別です)。

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2012/02/20

上田早夕里の新作。 今回はかなり現代に近い世界での話。でもしっかりSFしてる。 上田さんお得意の環境SF。プラスサスペンスな感じ。 今までのテイストを生かしつつ新たなジャンルに来たかな。 内容的には星もう一つくらいつけてもいいんだが、ちょっとボリュームが足りない。展開がほ...

上田早夕里の新作。 今回はかなり現代に近い世界での話。でもしっかりSFしてる。 上田さんお得意の環境SF。プラスサスペンスな感じ。 今までのテイストを生かしつつ新たなジャンルに来たかな。 内容的には星もう一つくらいつけてもいいんだが、ちょっとボリュームが足りない。展開がほとんど見えていて、ハラハラしない。 タラタラ長いだけでは困るがもっと読みたかったな。もう200ページくらいあってもよかったのでは? そんな訳で星3つ。 でも、上田早夕里を知るにはいい感じ。入門書にはいいかな。

Posted byブクログ