第六ポンプ の商品レビュー
fluted girlsの官能性が飛びぬけて凄く、読んでいて脳みそに突き刺さる。人を道具として使うという非道さとエロさが最高。
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SF。短編集。 近未来の環境問題、資源の問題をリアルに描いた作品。 自由、野生動物、水資源、繁殖力、知能など、何かを失った世界。 エンターテイメント性は強くないものの、世界の未来について考えさせられる、独特の怖さがある。 好きな作品は、「フルーテッド・ガールズ」「砂と灰の人々」「...
SF。短編集。 近未来の環境問題、資源の問題をリアルに描いた作品。 自由、野生動物、水資源、繁殖力、知能など、何かを失った世界。 エンターテイメント性は強くないものの、世界の未来について考えさせられる、独特の怖さがある。 好きな作品は、「フルーテッド・ガールズ」「砂と灰の人々」「タマリスク・ハンター」「やわらかく」「第六ポンプ」。 意外と多いな。☆3.5。 「ポケットのなかの法」 データ化された人格。微妙な感じ。 「フルーテッド・ガールズ」 楽器として人体改造された姉妹。自由を求めて。 「砂と灰の人々」 環境悪化に順応し、進化した人間が、失われた野生動物を飼う。設定が興味深い。結末の残酷さもキレがある。好き。 「カロリーマン」 農業SF。サスペンス。 「タマリスク・ハンター」 水資源不足。主人公の必死に生きている感じが良い。 「やわらかく」 ホラー。これだけ異色。最後の1行がユーモラス。 「第六ポンプ」 人類の知能が徐々に低下している世界。動物のように野生化したり。下水処理設備の故障を直したいが、直せる人がいない。今の設備、仕組みが壊れたら、全てが崩壊しそうな社会。そんな社会に恐怖を感じた。それでも、主人公の奮闘に微かな希望も。この作品集のベストでしょう。
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ねじまき少女の著者の短篇集。描かれている世界観は魅力的。生きている建築。水やエネルギーが非常に貴重な世界。ゼンマイの動力が様々なもので利用されている社会。体中を楽器に改造された少女たち・・・。でもストーリーが暗く面白くない話も多い。「やわらかく」の主人公のさわやかな気持ちにはとて...
ねじまき少女の著者の短篇集。描かれている世界観は魅力的。生きている建築。水やエネルギーが非常に貴重な世界。ゼンマイの動力が様々なもので利用されている社会。体中を楽器に改造された少女たち・・・。でもストーリーが暗く面白くない話も多い。「やわらかく」の主人公のさわやかな気持ちにはとても共感できた。
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このディストピアはスタイリッシュな『退廃』などではなく、生活臭漂う『衰退』です。 生存環境の悪化。 何処にも行けず、何者にもなれない、閉塞感。 底辺で生きることを宿命づけられた人々。 最悪な状態にも関わらず絶望感はあまり感じません。 それでも生き延びるのだという生命の力強さがある...
このディストピアはスタイリッシュな『退廃』などではなく、生活臭漂う『衰退』です。 生存環境の悪化。 何処にも行けず、何者にもなれない、閉塞感。 底辺で生きることを宿命づけられた人々。 最悪な状態にも関わらず絶望感はあまり感じません。 それでも生き延びるのだという生命の力強さがあるからだと思います。 遠い世界の物語なのに、生々しい、この身に迫る感覚は何なのでしょうね? 現実世界の不安にリンクするものを何かしら感じるからかもしれません。
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素晴らしい!!!収録されている短編のどれもがそれぞれの世界観と彩りをもって迫ってきます。 ただ、気づいただけでは2箇所ほど誤字脱字があったのがちょっと残念…はまり込んで読んでいる時ほど、そういうのを見つけたときに興ざめしてしまうので。 それでも文句なく面白いです。頽廃だったり耽美...
素晴らしい!!!収録されている短編のどれもがそれぞれの世界観と彩りをもって迫ってきます。 ただ、気づいただけでは2箇所ほど誤字脱字があったのがちょっと残念…はまり込んで読んでいる時ほど、そういうのを見つけたときに興ざめしてしまうので。 それでも文句なく面白いです。頽廃だったり耽美だったり不条理だったり、そして満遍なくぐわっとワクワクのSF。 数篇は、長編『ねじまき少女』と同じ世界観らしいので、そちらもぜひ読みたいと思います。
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未来の欧米以外を舞台にしたSFとしては、イアンマクドナルドの「サイバラバード・デイズ」より、こっちの方が圧倒的に面白かった。資源が枯渇した暗い未来だが、今の時勢、超テクノロジーが行き渡った夢のような未来より、この設定のSFが自然に感じる。
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淡々とした語り口でストーリーに派手さはないですが引き込まれる作品が多い。テクノロジーが進んだ近未来社会がかなり苦いテイストで描かれており、そして、どんな社会でもそこに適応して前向きに生きる人々の姿に希望を見出す。 どの作品も、説明少なめに読んでいくうちに会話やキーワードからどうい...
淡々とした語り口でストーリーに派手さはないですが引き込まれる作品が多い。テクノロジーが進んだ近未来社会がかなり苦いテイストで描かれており、そして、どんな社会でもそこに適応して前向きに生きる人々の姿に希望を見出す。 どの作品も、説明少なめに読んでいくうちに会話やキーワードからどういう世界なのかと想像できてくるバランスが秀逸。 ベストは「フルーテッドガールズ」 「ポケットの中の法」 話はあっさりですが、世界観やアイデアに長編の冒頭のようなわくわくする部分がありました。 「フルーテッド・ガールズ」 身体を楽器のように改造されスターとしてのお披露目を前にした美しい少女。持ち主に運命を握られた彼女が見つける自由と反抗の可能性とは。倒錯的でちょいエロ。これ傑作じゃないかな。すき。雰囲気いいし、物語としては一番面白い。マイベスト。 「砂と灰の人々」 環境破壊が進んだ未来に身体を改造して生きのびた人類の話。奇跡的に生き延びた生身の犬を見つけて飼い始める三人組が、昔の人間は何考えてたのかわからねーなみたいな会話を繰り広げたり、命ってなんだとかちょっと考えてみたり。ユーモラスかつ頽廃的。すき。 「パショ」 ちょっと苦手だなぁと思って読んだけど結末が印象に残った。近未来の荒廃した世界。知識と平和を伝道するパショになり、民族対立のある地元に帰ってきた青年が、争いを止めるためにとった最善の選択とは。 「カロリーマン」 「ねじまき少女」と同じ世界設定ですね。遺伝子操作とねじまき動力に支えられる未来。遺伝子組換え作物と種苗会社の功罪の話かメイン。リアルだなぁ。 「タマリスク・ハンター」 水不足の社会を描いた短編でした。 「ポップ隊」 ディストピアですね。沈鬱。人々が若返り手術で不老を得る代わりに人口統制のため強制不妊となる社会。不老を捨てて子供を生む人々を取り締まる警官の葛藤。 「イエローカードマン」 これも「ねじまき少女」と同じ世界観ですね。破滅した資産家の老人が辛い境遇の中でも前向きに生きていく。応援したくなる。 「やわらかく」 これだけSFでなかったですね。妻を殺してしまった男性が、殺人犯だと誰にも気づいてもらえず、しょうがないから逃亡することに。シリアスなのにユーモラスです。 「第六ポンプ」 表題作。人間の知能がどんどん落ちてきている近未来、下水処理のポンプが故障するが、直せる人がいない。人々が動物のようになってきて文明が崩壊しそうな現実を受けとめながら、下水処理場のポンプを修理するために奮闘する職員の話。
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ねじまき少女の前の話は、単純に楽しかった。 (書かれたのは後?) この作者はこれからも追っていきたいと思った
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SF短編10編。比較的、現代っぽい『ねじまき少女』の作家さんによる第一短編集だ。 でも、最初の「ポケットのなかの法」かわかりにくい。電子化されたダライ・ラマって? また、それが世界をどのように? あまり理解できなかった。続く「フルーテッド・ガールズ」は読めるけれども、ガードマ...
SF短編10編。比較的、現代っぽい『ねじまき少女』の作家さんによる第一短編集だ。 でも、最初の「ポケットのなかの法」かわかりにくい。電子化されたダライ・ラマって? また、それが世界をどのように? あまり理解できなかった。続く「フルーテッド・ガールズ」は読めるけれども、ガードマンのある伏線とラスト数行のオチがいい。 派手にはじまる「砂と灰の人々」は人体改造が高度に進んだ未来で出会う犬の話。そろそろ飽きてきたというか、あまり好みではない作品が続いたから「パショ」は斜め読み。少し休憩だ。 心機一転「カロリーマン」からリスタート。『ねじまき少女』の源作なんだか乗り切れない。そもそも『ねじまき少女』があまり好きではなかったからなぁ。こうなると坂道を転がり落ちてしまう。読み飛ばした「タマリスク・ハンター」、不老不死社会の違法出産を描く「ポップ隊」は、同時並行で読んでいる『百年法』と比較して泥臭すぎる。『ねじまき少女』世界の「イエローカードマン」はパス。妻殺しだが、オチも含め面白くない「やわらかく」。ローカス賞で期待の「第六ポンプ」だが、さっぱり面白くない。残念。
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短編のがうまいのではないか!?ポケットの中にダライラマを入れている少年の運命に涙し、少年漫画で大きなテーマになるようなのをアッサリやっちゃった「パシェ」。表題の第六ポンプも良いが、「やわらかく」がぞっとしていいなあ。
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