銃・病原菌・鉄(上) の商品レビュー
ヒトに優劣は無かった
冒頭、以前から感じていた疑問が明確に提起されており驚きました。人間の性能や機能は基本的にどの大陸で生まれても変わりはないはずなのに、虐げるものと虐げられるものに分かれているその理由はなにかと。
それを追い掛けようとされる著者に頭が下がります。アジア系映画俳優が白人系...
冒頭、以前から感じていた疑問が明確に提起されており驚きました。人間の性能や機能は基本的にどの大陸で生まれても変わりはないはずなのに、虐げるものと虐げられるものに分かれているその理由はなにかと。
それを追い掛けようとされる著者に頭が下がります。アジア系映画俳優が白人系映画俳優に差別を受けるシーンも最近ありました。白人は遺伝的に優等だと誤認する人達には是非読んでもらいたいものです。
結局、ヒトは人種や民族による差は無く、適度な気温と雨と太陽があるところに、たまたま生産可能な植物があって、飼育可能な動物がいただけで、そこにたまたま生まれた人が「優れている」と思い込むこの愚かさが笑えます。
悪口ではないのですが、文体の7割が否定形、2割が疑問形、1割が肯定形の感じで、日本語特有の「文章の最後まで肯定か否定か分からない」ことから、けっこう読み返しが多かった気がします。
崩撃雲身双虎掌
著者のダイヤモンド博士がニューギニアでヤリという現地人から「欧米人はニューギニアに多くに物質を持ってきたが、ニューギニア人はどうしてそれらを作り出せなかったのか」という問いかけられたという。氷河期が終わった1万3000年前、人類は世界各地で狩猟採集生活を送っていたのが、その後各地...
著者のダイヤモンド博士がニューギニアでヤリという現地人から「欧米人はニューギニアに多くに物質を持ってきたが、ニューギニア人はどうしてそれらを作り出せなかったのか」という問いかけられたという。氷河期が終わった1万3000年前、人類は世界各地で狩猟採集生活を送っていたのが、その後各地の発展には多くの差異が見られた。その理由について、「銃・病原菌・鉄」の観点から疑問の解決を進めている。2ちゃんねるの西村ひろゆき氏の推薦書でもある。上下巻で60万字にも渡る大作であるが、大変興味深い。
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以前から読みたかった本ですが、年末年始の休暇でやっと時間を取ることができました。 「世界の富や権力は、なぜ現在あるような形で分配されてしまったのか?」「逆に、なぜ欧州は征服されることはなかったのか?」を、人類史から追いかけている本となります。 上巻は、紀元前8500年にメソポ...
以前から読みたかった本ですが、年末年始の休暇でやっと時間を取ることができました。 「世界の富や権力は、なぜ現在あるような形で分配されてしまったのか?」「逆に、なぜ欧州は征服されることはなかったのか?」を、人類史から追いかけている本となります。 上巻は、紀元前8500年にメソポタミアで始まった食料生産(小麦などの栽培)がその後の技術や支配体制の発展を可能にし、世界の歴史の流れを決定づけた、という点まで書かれています。 ----- 有史以前の話となるため、内容はほぼ紀元前の話に限定されており、馴染みのある世界史上の出来事はほとんど出てきません。 しかしながら、丁寧に話が進められており、推論はデータに基づきロジカルな展開となっているため、納得感を得られながら読み進めることができました。 また、各章が「なぜ○○?」と、疑問を解き明かす形で話が進められている点も、引き込まれていった理由であるとは思います。 下巻も近いうちに読んでみたいと思います。
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なぜアステカ帝国はコルテスに破れたのか。その原因はタイトルの通り、両者の使う武器に大きな違いがあったこと、新大陸の住民が旧世界の病原菌に対する耐性を持ち合わせてなかったこと、そもそも新世界は青銅器文明であり鉄の精製にまで至ってなかったことがあげられる。では、旧世界の人々がこれらを...
なぜアステカ帝国はコルテスに破れたのか。その原因はタイトルの通り、両者の使う武器に大きな違いがあったこと、新大陸の住民が旧世界の病原菌に対する耐性を持ち合わせてなかったこと、そもそも新世界は青銅器文明であり鉄の精製にまで至ってなかったことがあげられる。では、旧世界の人々がこれらを持ち合わせることができたのはなぜなのか、新世界にこれらがなかったのはなぜなのか。その理由をユーラシア大陸と新世界・アフリカ大陸の環境の違いに求めたのがこの本である。具体的には、ユーラシア大陸は東西に広がっていたため、家畜や穀物といった食料、鉄や文字といった技術がスムーズに双方向に伝達していった。ところがアメリカ大陸やアフリカ大陸は南北に広がっていたため、砂漠やジャングルを越えての伝達が難しかったのである。
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上巻の最初と下巻の最後の数ページずつだけ面白かった タラタラ間延びさせるだけの内容、何度同じ言葉を繰り返すんだと思わずにはいられない つまり、「長い割りに内容薄っ」
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※このレビューにはネタバレを含みます
サピエンス全史の帯紙にこの本のタイトルがあったので興味をもって購入した本。 たしかに、世界の国ぐにには、それぞれ文化、歴史も異なっている。人類のはじまりは同じなのに、どこでどう分岐したのか気になっていた。 影響したのは、人種間の知性の違いではなく、たまたま住んでいた土地の環境によって運命が左右されたことがわかった。農耕をはじめたのも、家畜化ができたのも、栽培できたのも、その土地の気候や地形等さまざまな条件が揃っていたからこそ可能にできた。そして持てるものによる侵略によってさらなる多様性も生まれたんだなぁと感じた。 世界史をあまり知らない私にとって、第三章のインカ帝国の話は、まるで映画をみているときのように興奮した。興味があるので、本屋に行ったときに色々見てみよう。
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地域ごとによってなぜ発展の違いが生じたか、人種ではなく、その環境という点から、データに基づいて述べたもの。
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なぜシマウマは家畜にならなかったのか。とか、面白い!!気性が荒い物は無理。などなど。なるほどね。 アメリカ大陸やアフリカ大陸が南北に長いのに対し、ユーラシア大陸が東西に長い大陸である。人類の歴史の運命は、この違いを軸に展開していった。 過去の戦争で勝利できたのは、必ずしも、最...
なぜシマウマは家畜にならなかったのか。とか、面白い!!気性が荒い物は無理。などなど。なるほどね。 アメリカ大陸やアフリカ大陸が南北に長いのに対し、ユーラシア大陸が東西に長い大陸である。人類の歴史の運命は、この違いを軸に展開していった。 過去の戦争で勝利できたのは、必ずしも、最も優れた将軍や武器を持った側ではなく、たちの悪い病原菌に対して免疫を持ち、免疫のない相手側にその病気をうつすことができた側である。 ユーラシア大陸を起源とする集団感染症の病原菌は、群居性の動物が家畜化されたときに、それらの動物が持っていた病原菌が変化して誕生したものである 少数のヨーロッパ人が、圧倒的な数の先住民が暮らしていた南北アメリカ大陸やその他の地域に進出して行き、彼らにとって代わったのは、ヨーロッパ人が家畜との長い親交から免疫を持つようになった病原菌を進出地域の先住民に渡したからだった
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
おもしろい。 なぜ世界の中で貧富の差があるのか、という疑問についていろんな角度から分析している。 ユーラシア大陸が東西に伸びているため、その後の発展に有利だったということは自分の中では新たな発見だった。 最初のうちは動物の名前や地名で難しく感じたが、そこは具体例にすぎないため、読み飛ばしてしまってもいいと思う。
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なぜ私の島の文明は世界に残らず、欧州らの文明は世界に広がったのか? こう問われた問いに答えるために作者は諸々の問いを重ねる。その答えが、銃 病原菌 鉄。 そこに至るまでの問いと答えが素晴らしい。 なぜある地域では狩猟採取から農耕社会に移行したのか? なぜシマウマは家畜にならな...
なぜ私の島の文明は世界に残らず、欧州らの文明は世界に広がったのか? こう問われた問いに答えるために作者は諸々の問いを重ねる。その答えが、銃 病原菌 鉄。 そこに至るまでの問いと答えが素晴らしい。 なぜある地域では狩猟採取から農耕社会に移行したのか? なぜシマウマは家畜にならなかったのか? (動物の食性、気性、繁殖、生育速度) なぜユーラシア大陸ほどに、南北アメリカやアフリカでは農耕、家畜含む文明が早く広まらなかったのか?(緯度の問題) なぜ数ある野生種の中でわずかな種を品種改良し、類似種は育成されなかったか? なぜユーラシア大陸の病原菌は南北アメリカ大陸の先住民を殲滅し、その逆は起こらなかったのか?
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