銃・病原菌・鉄(上) の商品レビュー
ヒトに優劣は無かった
冒頭、以前から感じていた疑問が明確に提起されており驚きました。人間の性能や機能は基本的にどの大陸で生まれても変わりはないはずなのに、虐げるものと虐げられるものに分かれているその理由はなにかと。
それを追い掛けようとされる著者に頭が下がります。アジア系映画俳優が白人系...
冒頭、以前から感じていた疑問が明確に提起されており驚きました。人間の性能や機能は基本的にどの大陸で生まれても変わりはないはずなのに、虐げるものと虐げられるものに分かれているその理由はなにかと。
それを追い掛けようとされる著者に頭が下がります。アジア系映画俳優が白人系映画俳優に差別を受けるシーンも最近ありました。白人は遺伝的に優等だと誤認する人達には是非読んでもらいたいものです。
結局、ヒトは人種や民族による差は無く、適度な気温と雨と太陽があるところに、たまたま生産可能な植物があって、飼育可能な動物がいただけで、そこにたまたま生まれた人が「優れている」と思い込むこの愚かさが笑えます。
悪口ではないのですが、文体の7割が否定形、2割が疑問形、1割が肯定形の感じで、日本語特有の「文章の最後まで肯定か否定か分からない」ことから、けっこう読み返しが多かった気がします。
崩撃雲身双虎掌
なぜシマウマは家畜にならなかったのか。とか、面白い!!気性が荒い物は無理。などなど。なるほどね。 アメリカ大陸やアフリカ大陸が南北に長いのに対し、ユーラシア大陸が東西に長い大陸である。人類の歴史の運命は、この違いを軸に展開していった。 過去の戦争で勝利できたのは、必ずしも、最...
なぜシマウマは家畜にならなかったのか。とか、面白い!!気性が荒い物は無理。などなど。なるほどね。 アメリカ大陸やアフリカ大陸が南北に長いのに対し、ユーラシア大陸が東西に長い大陸である。人類の歴史の運命は、この違いを軸に展開していった。 過去の戦争で勝利できたのは、必ずしも、最も優れた将軍や武器を持った側ではなく、たちの悪い病原菌に対して免疫を持ち、免疫のない相手側にその病気をうつすことができた側である。 ユーラシア大陸を起源とする集団感染症の病原菌は、群居性の動物が家畜化されたときに、それらの動物が持っていた病原菌が変化して誕生したものである 少数のヨーロッパ人が、圧倒的な数の先住民が暮らしていた南北アメリカ大陸やその他の地域に進出して行き、彼らにとって代わったのは、ヨーロッパ人が家畜との長い親交から免疫を持つようになった病原菌を進出地域の先住民に渡したからだった
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
おもしろい。 なぜ世界の中で貧富の差があるのか、という疑問についていろんな角度から分析している。 ユーラシア大陸が東西に伸びているため、その後の発展に有利だったということは自分の中では新たな発見だった。 最初のうちは動物の名前や地名で難しく感じたが、そこは具体例にすぎないため、読み飛ばしてしまってもいいと思う。
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なぜ私の島の文明は世界に残らず、欧州らの文明は世界に広がったのか? こう問われた問いに答えるために作者は諸々の問いを重ねる。その答えが、銃 病原菌 鉄。 そこに至るまでの問いと答えが素晴らしい。 なぜある地域では狩猟採取から農耕社会に移行したのか? なぜシマウマは家畜にならな...
なぜ私の島の文明は世界に残らず、欧州らの文明は世界に広がったのか? こう問われた問いに答えるために作者は諸々の問いを重ねる。その答えが、銃 病原菌 鉄。 そこに至るまでの問いと答えが素晴らしい。 なぜある地域では狩猟採取から農耕社会に移行したのか? なぜシマウマは家畜にならなかったのか? (動物の食性、気性、繁殖、生育速度) なぜユーラシア大陸ほどに、南北アメリカやアフリカでは農耕、家畜含む文明が早く広まらなかったのか?(緯度の問題) なぜ数ある野生種の中でわずかな種を品種改良し、類似種は育成されなかったか? なぜユーラシア大陸の病原菌は南北アメリカ大陸の先住民を殲滅し、その逆は起こらなかったのか?
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ちょうどミセスの「コロンブス」MVが炎上していたので、タイムリーだな…と感じつつ読んだ。狩猟採集から農耕への変化に伴う人口増加、また家畜と伝染病への耐性などユーラシア大陸が先んじられた理由が綿密に考証されていて読み応え抜群。
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現在の世界に広がる富のパワーの「地域格差」を生み出したものはなんなのか?を問う一冊。 「なぜ人類はアフリカ大陸で誕生したのに今日のアフリカ大陸は他の大陸と比べ発展途上国の割合が大きいのだろう?」という疑問を解決すべく購入しました。 読み進めていくうちに点と点が線で繋がる感覚があり...
現在の世界に広がる富のパワーの「地域格差」を生み出したものはなんなのか?を問う一冊。 「なぜ人類はアフリカ大陸で誕生したのに今日のアフリカ大陸は他の大陸と比べ発展途上国の割合が大きいのだろう?」という疑問を解決すべく購入しました。 読み進めていくうちに点と点が線で繋がる感覚があり気持ちいい。先史時代が現代の研究などでこんなにも解き明かされていたとは驚きです。 丁寧に説明してくれてると思うが、何回も同じことを説明している気がしてくどい感じがする…。 早速下巻を読み進めようと思います。
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『銃・病原菌・鉄』を読んで、特に興味深かったのは、なぜ特定の動物だけが家畜化され、他の動物はされなかったのかという点です。シマウマが家畜化されなかった理由や、家畜化された動物が文明の発展にどのように影響したかが印象的でした。この本は、人類の歴史を地理や環境の視点から考察することで...
『銃・病原菌・鉄』を読んで、特に興味深かったのは、なぜ特定の動物だけが家畜化され、他の動物はされなかったのかという点です。シマウマが家畜化されなかった理由や、家畜化された動物が文明の発展にどのように影響したかが印象的でした。この本は、人類の歴史を地理や環境の視点から考察することで、文明の発展を理解する手助けをしてくれます。
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「サピエンス全史をどう読むか」という本の巻末の参考書籍に載っていたので、BOOKOFFオンラインにて上下巻を購入、上巻を読了。 タイトル通り銃や病原菌や鉄の伝播から世界史を解釈し直す試みだ。上巻では食糧生産と定住化、家畜を飼うようになってヨーロッパにおいて天然痘などの病気が牛痘...
「サピエンス全史をどう読むか」という本の巻末の参考書籍に載っていたので、BOOKOFFオンラインにて上下巻を購入、上巻を読了。 タイトル通り銃や病原菌や鉄の伝播から世界史を解釈し直す試みだ。上巻では食糧生産と定住化、家畜を飼うようになってヨーロッパにおいて天然痘などの病気が牛痘から派生し、ヨーロッパ人の上陸と共にアメリカ大陸にそれが持ち込まれ、アメリカの先住民を壊滅させたというところまで。 アングロサクソンを始めとするヨーロッパ人やアメリカ人は「人種的に優れているから」世界の覇権を握ったのか、それとも地理的に優位な立場にあったからか、優位な立場にあったとしたらなぜ優位だったのかなど、丁寧に論を進めてあるので上巻も下巻も共に分厚い。 どういった結論を著者が出すのが結末が気になるが、ぽつぽつと読める時間を見つけては読み進めている。
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本書を読むまでは、なんとなく無意識的に 原始的な生活をしている(と表現する時点で誤謬なのかもしれないけれど)地域や時代の人類は"その時点までに偶然的要因で手に入ったモノの恩恵を受けて生きている"と考えていた。 ただ、狩猟→農耕の流れや家畜の話からわかるように...
本書を読むまでは、なんとなく無意識的に 原始的な生活をしている(と表現する時点で誤謬なのかもしれないけれど)地域や時代の人類は"その時点までに偶然的要因で手に入ったモノの恩恵を受けて生きている"と考えていた。 ただ、狩猟→農耕の流れや家畜の話からわかるように彼らは常にその時に選ばれるべき合理的な選択をしており、まして自分たちの今いる文化がそれらに対して進んだ地点にいると考えることが重大な勘違いを含んでいることに気づけた。 もう少し読みやすい書き口だったらいいな~
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読みきれぬ。短時間で一気に読むぞという気概がなければ私には読めない気がしている。個人的には説明がくどく長く感じてしまった。
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