共喰い の商品レビュー
・共喰い 第146回芥川賞受賞作 閉鎖された田舎町で、情事に女に暴力を振るう父を持つ少年・遠馬が、血の呪縛に悶え、恋愛に苦しみ、性と生を営んでゆく。 ・第三紀層の魚 死期が近い曾祖父と少年・信道。 80以上年の離れた二人だが、終わりを迎えようとするものと成長していくもの...
・共喰い 第146回芥川賞受賞作 閉鎖された田舎町で、情事に女に暴力を振るう父を持つ少年・遠馬が、血の呪縛に悶え、恋愛に苦しみ、性と生を営んでゆく。 ・第三紀層の魚 死期が近い曾祖父と少年・信道。 80以上年の離れた二人だが、終わりを迎えようとするものと成長していくものとが織りなす意識、価値観の交錯。 考えて表出できるものではないような描写が生々しく、強烈な印象を与える。 狂気でもあり、自然でもあり、一部の人間の素を訥々と描いているように感じました。
Posted by
純文学は分からないなー。慎弥はこれでも、分かりやすい方だと思うけど、面白さが全く分かりませんでした。すまぬ。
Posted by
芥川賞受賞作ってことで読んでみました。 小さな小さな川辺の町で起こる逃げ場のない血と性が混じり合う濃密な物語です。 血は争えないとはいうものの、子供の立場からするとやり切れないですねぇ〜。父親は女を殴り、快楽だけを求めて生きている。そんな父親と同じ目をした自分が今、そこに立ってい...
芥川賞受賞作ってことで読んでみました。 小さな小さな川辺の町で起こる逃げ場のない血と性が混じり合う濃密な物語です。 血は争えないとはいうものの、子供の立場からするとやり切れないですねぇ〜。父親は女を殴り、快楽だけを求めて生きている。そんな父親と同じ目をした自分が今、そこに立っている。これからの自分がどうなるのかも分からず、ただただ不安で生きている少年。どうすればこの血を断ち切れるのか!
Posted by
「第三紀層の魚」が傑作。 短いストーリーの中に、数々のエピソードが見事に溶け合っている。もういつまでも子どもじゃないとはわかっているけど、かと言ってまだ大人でもない……みたいな、あの独特の感覚。そういえば子どものころ、こんなこと思ってたっけなぁ、と記憶がよみがえるようだった。働...
「第三紀層の魚」が傑作。 短いストーリーの中に、数々のエピソードが見事に溶け合っている。もういつまでも子どもじゃないとはわかっているけど、かと言ってまだ大人でもない……みたいな、あの独特の感覚。そういえば子どものころ、こんなこと思ってたっけなぁ、と記憶がよみがえるようだった。働いたことのない(新しい記憶で上書きされていない?)作家だからこそ書けたのかな。 「共喰い」はあまり良いとは思わなかった。
Posted by
2017.9.「共喰い」のみ読了。図書館で借りた。 おもしろくなかった。 語尾が強い方言というだけで、入り込めない。反面その方言になじみのある読者をひきつけることはできるかもしれないけど。この作品では力強さを出すためにあえて方言を使っているのか‥わからないけど。 そしてテーマ...
2017.9.「共喰い」のみ読了。図書館で借りた。 おもしろくなかった。 語尾が強い方言というだけで、入り込めない。反面その方言になじみのある読者をひきつけることはできるかもしれないけど。この作品では力強さを出すためにあえて方言を使っているのか‥わからないけど。 そしてテーマがよくわからない。 よって「第三紀層の魚」は読まなかった。
Posted by
表題作と第三紀層の魚という二作で構成されている。細かい描写が丁寧で的確。分かりやすいし、描写が積み重ねられて一つの世界が生まれている。息子のほんじょうだが、誰にこの本を勧められたんだろうと、少し気になる。
Posted by
描写がとにかく好き。うまい。実写化して若干どうしてもライトになってしまったけれど仁子さん役が田中裕子さんでほんとうに良かった。 でもあんまり評価高くないのね…
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
☆3にしようか☆4にしようか迷いました。 3.5ってとこかな。 情景描写が圧倒的にうまい。 退廃的な川辺の街並みが目に浮かんでくるよう。 魚屋の「お母さん」が義手という設定もうまい。 最後にそれが生きてきて、はずすときの音とともにあたかもそれを「見た」「聞いた」ような思いがする。 すべての伏線が回収されていくさまは、見事としか言いようがない。 ただ、「芥川賞とっちゃる」的な「あざとさ」が垣間見えるのが減点。 賞を獲るインパクトとしてはこの設定は最高なんだろうけど、著者本人にはちょっと合ってないような気もした。 私は「第三紀層の魚」のほうが好き。でもこれでは芥川賞は無理。悩める作家の究極の選択、って感じです。
Posted by
加虐性欲に狂う父の血を引き、自分自身にその一端を見るようになる青年の苦しみを描いた良作。父の狂気と子の葛藤という意味では、カラマーゾフの兄弟のそれを彷彿とさせる。また、巻末収録の瀬戸内氏との対談でも指摘されているように、女性の描き方が実に魅力的だ。総じて、授賞式のあの悪態からは想...
加虐性欲に狂う父の血を引き、自分自身にその一端を見るようになる青年の苦しみを描いた良作。父の狂気と子の葛藤という意味では、カラマーゾフの兄弟のそれを彷彿とさせる。また、巻末収録の瀬戸内氏との対談でも指摘されているように、女性の描き方が実に魅力的だ。総じて、授賞式のあの悪態からは想像できないほど読みやすい。笑笑
Posted by
暴力と恐怖。しんどい。後味も悪い。 見たくないし触れたくない部分をえぐられる感じ。 深く想像しイメージを鮮明にしながら読むと疲れる。
Posted by