ウィンター・ホリデー の商品レビュー
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なんて居心地がいいんだろう。 坂木さんの作品を読むといつもそう思う。完璧に出来上がった一つの世界。 そこで繰り広げられるさまざまな出来事や、行き交う人達のすべてが、もうずっとこのまま浸っていたくなるような温かさを持っている。 ヤマトが登場するこの物語には基本的には毒はない。父と子のこれから創り上げる物語だから、後味の悪い要素は少ないのだ。 前作にも増して、進は「お母さん」度がアップした。こんな小学生、ちょっと行く末を案じてしまう。でもヤマトに対する態度は、やっぱり可愛い。甘えを素直に出せない子供の気持ちが切ないほど伝わってくる。ヤマトの鈍感ぶりも相変わらずだったけど、でもヤマトも少しずつ成長してる。 本作では、いよいよ進の母親、ヤマトの元カノ由希子が登場する。前作ではヤマトの中のイメージだけだったので、どんなに繊細な女性だろうかと思っていたが、やはりあれはヤマトの幻想だった。 なかなかに迫力もあって、びっくりしているヤマトがすごく可笑しかった。 ナナちゃんも寂しさに向きあう道を見つけたようでよかったのだが、雪夜はまたしても謎が残った。次は雪夜の話が読みたいなあ。 「和菓子のアン」に登場した桜井さんが花嫁姿で登場したのには驚いた。あと「洋菓子かとれあ」も健在で、坂木さんの作品はこういう楽しみがあるのがいい。羊羹の中に美味しい栗が入っているみたいな感じ。 「和菓子のアン」のときも思ったのだが、最近の作品は口調がとても有川浩さんに似ている気がする。文体とかリズムなどに同じようなテイストを感じるのだ。 有川浩さんのほうが少し骨太な感じがするが、どちらも登場人物がとても男前である。 それも、「女の子が思うような」男前ぶり。 やっぱり坂木さんは女性なのかもなあ、と思ったりもするが、もはやどちらでもよくなっている。 とにかく坂木さんの創りだす世界を、これからももっと読みたいと思う。
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読みながらニヤニヤが止まらない。ほのぼのするわー。リカさんが格好良すぎて悶える。ちょっと酔っぱなリカさんの格好良さがヤバい。
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【元ヤンキーで元ホストの大和と突然現れたしっかり者の息子・進のひと夏の絆を描く『ワーキング・ホリデー』待望の続編登場。宅配便配達員の仕事にも馴染んだ大和、冬休みに進がやって来るのを心待ちにしつつ、自分の知らぬ間に女手1つで頑張っていた元恋人で進の母親・由希子のことが気にかかって仕方がない。クリスマス、お正月、バレンタインとイベント山盛りの季節を大好きな人と一緒に過ごせる幸せに改めて気づかせてくれる1冊】
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