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戦友の恋 の商品レビュー

3.7

26件のお客様レビュー

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2023/08/28

読むのが怖い、で、北上さん・大森さんともに評価が高かった印象があり、読んでみよう、となった本書。 文庫版では北上さんの解説もあり、ベタ褒め! ・・・なのに、私の評価は普通、、だ。北上さんごめんなさい。 ただ、戦友を喪った佐紀が喪失感を抱えながら、それでも自分は生きていかなくては...

読むのが怖い、で、北上さん・大森さんともに評価が高かった印象があり、読んでみよう、となった本書。 文庫版では北上さんの解説もあり、ベタ褒め! ・・・なのに、私の評価は普通、、だ。北上さんごめんなさい。 ただ、戦友を喪った佐紀が喪失感を抱えながら、それでも自分は生きていかなくてはいけない、その静かだけど深い悲しみが胸を打つのは確かだ。 激しい悲しみを劇的な出来事を持って描くのではなく、佐紀の日常を追いながら、日常にこそ滲む寂しさが、何ともリアルで、親しい人を喪った時の喪失感て、こんな感じだよなあ、と思うのだ。 「喪うことに慣れた」と思っていても、月日が流れても、急に波のように寂しさが打ち寄せて来る、そんなことの繰り返しだよなあと。

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2022/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大切な人を失った山本佐紀の失意と再生の物語。 泣けた。 第一章のワタルくんとの出会いの場面からもう涙が出た。 私自身が大事な人を亡くしてしまったような、なんだかそんな気持ちになりました。 喪失感に苛まれながらも、自分を取り巻く環境は何かが変わったようで、でも何も変わってないようで。 心にポッカリ開いた穴も、いつの間にか塞がっているようで、でも実は塞ぎきれてなくて。 大事な人は亡くなってしまったけれど、でも自分は彼女のいない世界で生きて行かなくてはいけない。 っていうもどかしさというか切なさというか、そういう空気が漂ってるのが、なんか胸に刺さるなー。 という感じもしたけれど、でも、スランプという長い長い喪を抜け出た佐紀は、きっとまた前以上に前進できるんじゃないかな。なんて思ったりしました。 とても素敵なお話でした。 装丁もかわいいですよね。

Posted byブクログ

2021/12/12

戦友を突然亡くし、でも、日常は続く。 亡くなってもなお、どこかしらに彼女の存在があり続けていくが、決してそれは囚われているわけではなく、いい意味で人生に関わっているところが、前向きだなと思った。

Posted byブクログ

2020/10/27

親友、という以上に、人生の一時期を濃密にわかちあった女友達を、突然失ってしまったとしたら。 さみしい、とか、辛いという言葉では言い表せない喪失を抱えて、でも何気ない顔をしながら、その後の人生を生きていく、30代半ばの女性の話。 死んだ彼女をともに知っていた人たちや、主人公がそうと...

親友、という以上に、人生の一時期を濃密にわかちあった女友達を、突然失ってしまったとしたら。 さみしい、とか、辛いという言葉では言い表せない喪失を抱えて、でも何気ない顔をしながら、その後の人生を生きていく、30代半ばの女性の話。 死んだ彼女をともに知っていた人たちや、主人公がそうと知らない形で愛した人たちが搭乗するけれど、そこから何か、流行りの「エモい」ドラマに発展するわけではない。人生ってそんなものじゃない。淡々と日は流れるようでいて、でもそこかしこに、永遠に喪われた人の影がともにある。 「喪うことに慣れてしまったからこそ、ようやく繋がった、ようやく見つけたこの細い線を手放してはならないのではないか」。そう気づかせてくれたことこそ、今はいない友が残してくれた最後の贈り物といえるのだろう。 とはいえ、主人公より年をかさねてきた今でも、これから来るはずの喪失に耐えられるかどうか、まったく自信はないのだが。いつか来るその日の先に、開けた風景の中に立つことを願って。

Posted byブクログ

2020/01/17

「ほどけるとける」が面白かったので,解説で紹介されていたサイドストーリーの本書も講読. 漫画原作者の佐紀さんが主人公のバディもの.ただし,相方の玖美子さんはすでに亡くなっている. 「戦友」を失った喪失感と,「長い長い喪中」を経てゆっくりと再生して行く姿が,日常の生活を通してゆった...

「ほどけるとける」が面白かったので,解説で紹介されていたサイドストーリーの本書も講読. 漫画原作者の佐紀さんが主人公のバディもの.ただし,相方の玖美子さんはすでに亡くなっている. 「戦友」を失った喪失感と,「長い長い喪中」を経てゆっくりと再生して行く姿が,日常の生活を通してゆったりと描かれている. ラストシーンの,達貴君の得意げな顔と夕日の光に満たされていく二人の姿が印象的. 本書だけでも十分面白い(と思う)のだが,「ほどけるとける」のあの場面で,佐紀さんはこうだったんだと言うのがわかって,より楽しめた. 大島先生,君津君や律子さん視点の話もお願いします.

Posted byブクログ

2019/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「戦友」だったひとの死、というところから始まる物語だけど、頑張ってるのになんだかのんびりゆったりしている。 慟哭もなく、劇的な出来事もなく、感動的なセリフもなく、というのが良い。 「喪うことに慣れてしまったからこそ、ようやく繋がった、ようやく見つけたこの細い線を手放してはならないのではないか。」 そうだよね、と思う。いずれ失うものだとしても、だからこそ、しっかりつかんで、大事にしないといけないよね。

Posted byブクログ

2019/08/27

本の雑誌を購読している。その中で、蔦屋書店を通じて本の雑誌社が選んだ数冊を送ってもらえるサービスがある。いつもどうしても偏ったものを読んでしまう。 こういった、「恋」と名のつくもの、ページ数が少ないものは、内容も見ずに手に取らない。 人に選んでもらった数冊は、すべて大変刺激的であ...

本の雑誌を購読している。その中で、蔦屋書店を通じて本の雑誌社が選んだ数冊を送ってもらえるサービスがある。いつもどうしても偏ったものを読んでしまう。 こういった、「恋」と名のつくもの、ページ数が少ないものは、内容も見ずに手に取らない。 人に選んでもらった数冊は、すべて大変刺激的であった。このお話も、じんわりと胸に残る。どこが、と言われたら人間関係なのかな、はっきりと言えないが、数年後に必ず読み返すと思う。ミステリばかり読んでいたが、 これを機会に同じような作品に手を伸ばし始めている。

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2019/08/24

ブクログで評価を確認して、珍しく自分で購入したが、自分の好みではなかった(笑) まぁ、そんなこともありますね(笑) 漫画家志望だった佐紀が、とある雑誌の編集者玖美子に出会い、漫画家の夢を捨て、漫画原作者になる。 佐紀と玖美子は偶然にも同学年で、20代の頃に知り合い、お互いお酒...

ブクログで評価を確認して、珍しく自分で購入したが、自分の好みではなかった(笑) まぁ、そんなこともありますね(笑) 漫画家志望だった佐紀が、とある雑誌の編集者玖美子に出会い、漫画家の夢を捨て、漫画原作者になる。 佐紀と玖美子は偶然にも同学年で、20代の頃に知り合い、お互いお酒が大好きで、仕事の話をしたり、恋の行方を話したり。 いつのまにかかけがえのない戦友となっていた。 何もかも分かち合ってきた2人だったのだが、ある時玖美子が急逝する。 玖美子との戦友時代。玖美子を失った後の佐紀の人生が丁寧に描かれている作品。 作品のボリュームによるものなのか?私がアホだからか?佐紀の個性は面白く読ませて頂いたが、淡々と物語が幕を閉じたなぁという印象(^_^;) 大きな感動も希望も無い(^_^;) でもここまで気楽な女友達がいたら楽しいだろうなぁ。 毎日お酒飲んでクダまいて!

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2019/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

北上次郎大絶賛の本作、俺も読んでみた。 北上次郎書評はぴったりハマる時と、首をかしげるときが両方あるんだが、本作はハマった方である。北上好みの情表現が俺好みの方に上手いというか、表現はカラっとあっさり読めて、ちょっと考えると「あぁそれあるある」と入り込めるというか…。 親友同士女性二人の物語で、片方が亡くなってから話が始まるって設定も斬新だが、奇をてらった感は少なく、むしろこの設定ないと書けない友情モンなんだっただろうなぁ。 …あっ、この設定にある何かこそ、北上次郎を揺さぶったものなのかも。残された人々の日常って、好きそうやモンな。

Posted byブクログ

2018/03/08

恋愛小説と思うと構えてしまう自分がいて、というのはそれを読んで感じ入った記憶が殆ど無いからであって、本作も入手してみたものの、なかなか手が出なかった作品。”読むのが怖い”で大森氏も絶賛しているのを見て、それならばってことでトライ。で、これがまた素晴らしかったんです。やはり出色は表...

恋愛小説と思うと構えてしまう自分がいて、というのはそれを読んで感じ入った記憶が殆ど無いからであって、本作も入手してみたものの、なかなか手が出なかった作品。”読むのが怖い”で大森氏も絶賛しているのを見て、それならばってことでトライ。で、これがまた素晴らしかったんです。やはり出色は表題作だけど、それ以外も色んな人間模様が描かれていて、バラエティ豊かで○。サラッと読める分量だけど、しっかり余韻を残す物語でした。

Posted byブクログ