チェーン・ポイズン の商品レビュー
面白いし感動するし騙されるしで、とてもいい読書時間になりました。 人見知りは、隠れる背中があるからこそできるもの。それがなければ自分でぶつかっていくしかない。 子どもたちの未来が気になるところです。
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久しぶりに著者の作品を読みました。現実とファンタジーの挾間のような、独特の世界観の印象が強くて、著者が元々ミステリ書きだったことをすっかり忘れてました…。油断した。 1年後に自殺するつもりの女性の視点と、女性の自殺の真相を追う雑誌記者の視点。食い違いが生じるのは当然で、随所にひっ...
久しぶりに著者の作品を読みました。現実とファンタジーの挾間のような、独特の世界観の印象が強くて、著者が元々ミステリ書きだったことをすっかり忘れてました…。油断した。 1年後に自殺するつもりの女性の視点と、女性の自殺の真相を追う雑誌記者の視点。食い違いが生じるのは当然で、随所にひっかかるものは確かにあったけれど、あまりに唐突などんでん返しに驚き頭の中は大混乱です。安心半分拍子抜け半分、でも章子はどうなるのか、物語も終盤になってどう収拾つけるのかと余計なお世話なことまで考えてしまいました。結論から言えば、きれいにまとまってはいません。他人を理解し語ることなどできないとはいえ、章子という人物が靄に包まれたままです。一方で、チェーンポイズンのおかげで救われた人がいて、繋がった未来がある。どうか幸せにと祈る。自分の呼吸の一つが巡り巡って届くかもしれない、そういう祈りは生きている人にしか伝わりようも、受取りようもない。 30代を過ぎた頃に始まり、年々強まっていった先の見えない閉塞感、あれは何だったのかと考えることがあります。「孤独」と呼ぶには違和感があるのは、結局恵まれていたからなんでしょう。
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もう死んでしまおう、と決心した時、あと一年生きたら楽に死ねる薬を貰えると言われたら…。そんな彼女の一年と、三つの自殺に関連性を見出した週刊誌記者がその自殺を追う視点との二つが交互に進行します。平凡な女性が一人で生きるとき、自分の存在意義を考えるなという方が難しい。余命一年としたら...
もう死んでしまおう、と決心した時、あと一年生きたら楽に死ねる薬を貰えると言われたら…。そんな彼女の一年と、三つの自殺に関連性を見出した週刊誌記者がその自殺を追う視点との二つが交互に進行します。平凡な女性が一人で生きるとき、自分の存在意義を考えるなという方が難しい。余命一年としたら何をしようというのと、一年後に自殺できると考えて一年生きるのは全く違うのだと彼女の生き方を見ると考えさせられます。気付く人は気づくと思いますが、ミステリとしてもよくできていると思います。読後感が良かったのが嬉しかったです。
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一歩間違えたら私もこういう思考や行動になっていたかもしれないと思った。社会人初めたて(今でも時々考えるけど)は、なんのために働いてる?生きるためだとしたら、そこまでして生きたい理由が欲しい。と思っていた。 3つの自殺を通して、何か一途に頑張ってきた人は、それが途切れた瞬間に、脆...
一歩間違えたら私もこういう思考や行動になっていたかもしれないと思った。社会人初めたて(今でも時々考えるけど)は、なんのために働いてる?生きるためだとしたら、そこまでして生きたい理由が欲しい。と思っていた。 3つの自殺を通して、何か一途に頑張ってきた人は、それが途切れた瞬間に、脆く、崩れやすい様が見て取れた。何を目標にしたらいいのか迷ったり、昔の自分の姿と重ねて惨めに思えたり、出来ない今を不満に感じたりしてしまう。それはある意味、目標に縋って生きてきたとも思えた。 生きがいや、生きる理由が見つかるのも、要は偶然でしかなくて、見つけても経済的な理由だったり、環境だったりで続けていけるかどうかも分からない。だからこそ掴み取れた人は運がいいし、その中でトップを取れるような人は、その運の強さの中で努力を続けられてきた人なんだろうなと思った。 ミステリーとしては、ゴリゴリに頭使ってとっても疲れるけど、心地よい疲労感が残る本だと思う。要は最高。
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あれ?なんなんだ?途中から読み返してみる…上手い!静かにそうだったのかと納得&ミスリードさせられた。内容は重いし所々で考える。 この本を読んだキーワードは孤独…何を孤独というのだろうか?… 色々と考えたが、個人差があるので答えは無い…けど、本人が孤独と思えば、かなり辛い生...
あれ?なんなんだ?途中から読み返してみる…上手い!静かにそうだったのかと納得&ミスリードさせられた。内容は重いし所々で考える。 この本を読んだキーワードは孤独…何を孤独というのだろうか?… 色々と考えたが、個人差があるので答えは無い…けど、本人が孤独と思えば、かなり辛い生活になる…んじゃないのかな… でも、私的に言えるのが本当に物じゃない者を、守りたいとか、幸せな時間を共有したいとか沢山あると思う。そんな人間が居れば、孤独というという思いは無くなるんじゃないと言いたいけど。 この本は最後まで読むと意義があと思う。静かに…おススメしたい本。私はハッピーな気分で読破した。
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え、ちょっと待って、どーゆうこと!? ラスト5分の1くらいでパニックに。 ラスト20ページくらいで、なんだなるほど、そーゆうこと! 意外な結末に驚かされはしたけど、なんだかスッキリしないんだよねー。 2018/08
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立場も境遇も異なる三人の自殺者、その共通点は服毒死と一年という猶予期間。内一人の足取りを追う雑誌記者は【死のセールスマン】の存在に辿り着く―。周囲から伝え聞く高野章子の人物像と彼女の語り口調に違和感はあったものの、見事にミスリードされた。強引な偶然が多い気はするが、この騙され方は...
立場も境遇も異なる三人の自殺者、その共通点は服毒死と一年という猶予期間。内一人の足取りを追う雑誌記者は【死のセールスマン】の存在に辿り着く―。周囲から伝え聞く高野章子の人物像と彼女の語り口調に違和感はあったものの、見事にミスリードされた。強引な偶然が多い気はするが、この騙され方は嫌いじゃない。生と死、その袂を分かつものは一体何か?本作では残された時間の捉え方であったように思う。死を拠り所とした者、運命を天に任せた者、そして…誰かと繋がれた者。雑誌記者が今度こそはと手を伸ばす先、そこに救いがあると信じたい。
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最後の最後まで、完全に騙された……。そういう目で読み直したら、確かに、あらゆるところに伏線が張られてる。なんでも感心するのは良くない癖かもしれないけど、この作品もまたすごい。
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面白かった! 最後にそう来たか!ってなって読後感もスッキリ 満足感たっぷりの物語でした。 最初はファンタジー&SFの展開かと思っていましたが、しっかりミステリーとして仕上がっていました。 本当に死ぬ気なら1年待ちませんか? 確実に苦しまず自殺できる方法を1年後に教えてくれると...
面白かった! 最後にそう来たか!ってなって読後感もスッキリ 満足感たっぷりの物語でした。 最初はファンタジー&SFの展開かと思っていましたが、しっかりミステリーとして仕上がっていました。 本当に死ぬ気なら1年待ちませんか? 確実に苦しまず自殺できる方法を1年後に教えてくれるという謎の人物との出会いを経て、何のとりえもない30代のOLがその1年をどう過ごすのかが語られます。 そして、3人の自殺者の謎を追いかける週刊誌記者。 この記者の視点と先ほどのOLの視点が交互に切り替わり物語が進んでいきます。 3人の自殺者は、人気絶頂ながら難聴になってしまったバイオリニスト、陰惨な事件の被害者家族の男性、30代のOL。 それぞれ死には自殺する理由がありながらも、なぜか1年生きた後に自殺しているという共通点があります。 なぜ、1年も自殺を待つ必要があったのか? 30代のOLはその1年の間に、何を考え、どう生きたのか? そんなストーリが交錯する中で、明らかになる真実というところです。 結果、叙述トリックでものの見事にだまされてました。 すばらしい。スッキリ(笑) さらに、1年後に自殺しようとしていた先ほどのOLの生き様もよかったです。自分自身の存在価値をそれこそ命を張って見出した彼女の生き様に心うたれます。 あんまり書くとネタバレになるので、これ以上コメントなし。正しくコメントするとネタバレにつながる(笑) これはネタバレしないで読んでほしい物語です。 お勧め
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