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限界集落の真実 の商品レビュー

3.8

38件のお客様レビュー

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2012/06/05

この本の中で一番重要な指摘は 「日本がひとつになる過程で過疎、高齢化集落があらわれる」 という点だ。 集落で自己完結するような関係性を越えていくなかで 地域間での人口の流動化が進み限界集落と呼ばれるものが作られた。 それは限界集落だけの問題ではない、というのは実に正しい。 ...

この本の中で一番重要な指摘は 「日本がひとつになる過程で過疎、高齢化集落があらわれる」 という点だ。 集落で自己完結するような関係性を越えていくなかで 地域間での人口の流動化が進み限界集落と呼ばれるものが作られた。 それは限界集落だけの問題ではない、というのは実に正しい。 しかし、ここでさらに気になるのは グローバル化の人口の動きはどのようなものか、という点だ。 程度は小さいものの似たようなことは起こりつつあると思われる。 今はゆっくりした動きだが 現在あるボーダーは何かのテクノロジーで 乗り越えられた瞬間に一気に動き出すと思う。 その時に今ここでの対応が活かされるはずだ。 重要な課題として取り組むべき価値のある問題です。

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2012/05/17

我が相馬地区のろうそくまつりの里・沢田も紹介されていますし、その調査以来のつきあいの著者のメジャーデビューだけにうれしい本ですが、どうも力が入ってしまって硬く繰り返しの内容が多いのが残念。 山下先生、くどいです。(笑)

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2012/05/11

読みたい本リストにいれてたのが図書館に入ってたので借りてきた。なんで読もうと思ったかは忘れた。 過疎の村、高齢者ばかりのまちなど、いわゆる限界集落について、いろんな調査の結果や事例や筆者の経験をまとめた本。 高齢化が進みいずれは無くなると言われている「限界集落」、そういう報道は...

読みたい本リストにいれてたのが図書館に入ってたので借りてきた。なんで読もうと思ったかは忘れた。 過疎の村、高齢者ばかりのまちなど、いわゆる限界集落について、いろんな調査の結果や事例や筆者の経験をまとめた本。 高齢化が進みいずれは無くなると言われている「限界集落」、そういう報道はよく見るし私自身もいずれそういう集落が出てくるんだろうなーと思っていたけど、確かに実際に「集落が消えた」っていうニュースは見た覚えがない。 じゃあ、この危機はどこで誰が言い出したのか。 この危機は実現しそうなのか。 危機を避けるためにはどうしたら良いのか。 っていうかんじ。 20年前の予測では、高齢化率が50%を超えると、地域は存続しえなくなるとされていたが、現実には実はそうなっていないそうで。 ではなぜそうなっていないかと考えたときに、これは、我々が気が付いていない地域を存続させる隠れた構造が存在しているのかもしれない。それを探りたい、というのが筆者の目的のようです。 で、その結果がこの本の6章である程度示すことが出来ている。 限界集落の周辺に住むひとびと、集落そのものは「限界」だけど周辺に頼れる家族が住んでいるから、集落ごとじゃなく、周辺も見てみるのが重要っていう話が一番おもしろかった。T型集落点検は、住んでるひとや住んでた人はなんとなく感じている「むら外の家族」の存在を可視化して本当の集落の姿を表すっていう方法が、おもしろかった。なるほどこういうつながりのない都市部のひとたちにとってままじで高齢者ばかりの町でどうやってみんなくらしているのか謎だろうなーと。 なんか思ったことをダラダラ書いてしまったので脈絡のない文になってしまった。 オススメの本です。

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2012/05/07

限界集落論が、集落消滅の直接の原因にはならない高齢化にのみ焦点を当てているという指摘が面白かった。紹介されていた集落の再点検は有益だし、意義があることだと思う。コミュニティーはそこに「住む」人だけでできているのではないと実感した。

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2012/05/02

過疎地域は消えていない。限界集落は限界ではない。限界集落は決して、無能な地域ではない。限界集落はかわいそうな地域ではない。可能性に満ち溢れた土地である。限界集落の真実は現場にある。限界集落のイメージは中央の想像である。この本は使えます。

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2012/04/30

都市にいる30~40代が日本社会の在り方に気付けるかが、この問題解決のカギと筆者は言っている。萌芽はある。

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2012/03/21

 90年ころに提起された「限界集落」という概念。高齢化で消滅の危機にある集落とされるが,未だにそのような「消滅集落」に至った例はないらしい。再生は期待できるという前向きな議論。  著者は研究者で東北の過疎地のフィールドワークを熱心にしているようだ。効率優先のグローバル経済に不信感...

 90年ころに提起された「限界集落」という概念。高齢化で消滅の危機にある集落とされるが,未だにそのような「消滅集落」に至った例はないらしい。再生は期待できるという前向きな議論。  著者は研究者で東北の過疎地のフィールドワークを熱心にしているようだ。効率優先のグローバル経済に不信感があるようで,過疎地域も捨てたものではないとのこと。過疎は,明治以降の近代化の中,特に昭和を通じた大変動期を,多くのむらが「家族の広域拡大化」で乗り切ろうとしたことに起因。  限界集落に金をばらまいたり,箱物を作るとかいったハードの対策でなく,広域拡大した(つまり都市に出た)家族の力を使ったソフト的対策が重要なのではないかとの主張。先は明るいという。むしろ「限界集落」という言葉が独り歩きして,本当に消滅集落に至ってしまう「予言の事故成就」を警戒。

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2012/01/12

 職場の本屋の平積みから購入。  自分より10年も若い、首都大学の社会学の先生。  何がいいっていうと、フィールドワークをきちっとしていること。社会学の本って、都市社会学の分野はよく読むのだが、何か統計分析を駆使して、都市の地区の高齢化とか、所得分布、コニュニティの壊れ方とか...

 職場の本屋の平積みから購入。  自分より10年も若い、首都大学の社会学の先生。  何がいいっていうと、フィールドワークをきちっとしていること。社会学の本って、都市社会学の分野はよく読むのだが、何か統計分析を駆使して、都市の地区の高齢化とか、所得分布、コニュニティの壊れ方とか分析しているのだが、なんとなく、ピンとこない。  山下先生は、限界集落を実際にみてまわって、世の俗説を否定。 (1)限界集落は、昭和一桁台に支えられ、高齢化しているが、なくなっていない。なくなったのは、開拓村など特殊事情によるもの。なくなった集落でも耕作は行われていて、いわゆる廃村のイメージとは違う。 (2)高齢化している集落でも、結構、家族が日曜日とか農繁期に通ってきており、その力をいかせば活性化は可能。 (3)「最悪であったのは、このタイミングでの平成の市町村合併であったことになる。」(p256)  これは、都市計画の分野でもそうで、首長さんが熱心で、細部にわたったきめ細かな歴史的街並みの保全とかやっていたのに、合併して、その存在や位置づけが薄れてきている感じがする。  市町村がばかでかくなり、都道府県は広域行政やるには中途半端に小さい。やはり、市町村の中の地区単位のマネジメント組織を考えるのと、都道府県を廃止して、道州制に一本化して国の内政権限と都道府県の中継ぎチェック権限を一体化したら、効率的になるのにな。

Posted byブクログ