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或るろくでなしの死 の商品レビュー

3.5

51件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

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2023/09/28

 多義的な「死」にまつわる七つの物語が収録された短編集。多義的と書いたのは、「死」を迎えるのが人間にかぎらず、世界だったり、感情だったり、意味だったりするから。ついさっきまで生き生きと存在していたものが、「それぞれ徹底的に蹂躙され、破壊されてい」く(「あとがき」より)。その様は本...

 多義的な「死」にまつわる七つの物語が収録された短編集。多義的と書いたのは、「死」を迎えるのが人間にかぎらず、世界だったり、感情だったり、意味だったりするから。ついさっきまで生き生きと存在していたものが、「それぞれ徹底的に蹂躙され、破壊されてい」く(「あとがき」より)。その様は本当に徹底的で、生々しく、グロテスク。事故、虐待、自傷行為、殺人など、思わず顔を顰めてしまうような描写も多かった。「あとがき」の末尾に、「この本が、読者のみなさまの日頃の憂さと、もやもやを吹き飛ばす妙薬と成ることを祈って」と書かれている。憂さを吹き飛ばす妙薬。。。ちょっとよくわからなかった。

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2023/07/13

『死』にまつわる七編。 初読みの平山夢明先生。独特の世界は不気味で不思議で繊細かつ大胆でした。 私は或る愛情の死が衝撃的でやるせない気持ちになりました。

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2021/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

胸糞だけとちょっと切ないのか、切ないけど盛大に胸糞なのか…いずれにせよ気分が悪い、そんな著者、平山夢明。 この人次読むのはしばらく間を空けてからにしよう。 追)どなたかのレビューにあったのですが、確かに、著者さんのあとがきがあるのがなんか新鮮でした。こんなにキモイ話が湯水のごとく湧き出てるんでなくて、割と悩みながら書いておられるようで、なんか安心しました(←ほめてる)

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2019/05/11

まず著者の作品「デブを捨てに」を最初に読んだ。息苦しさの中に軽快さと明るさを覚える、ダークユーモアな平山ワールドに、新たな自分の好みを発見した気がして、2冊目にこちらの本を読んだ次第。 が…私にはこちらの本は期待外れだった。息苦しいの中にまた息苦しさしか見い出せず。闇金ウシジマく...

まず著者の作品「デブを捨てに」を最初に読んだ。息苦しさの中に軽快さと明るさを覚える、ダークユーモアな平山ワールドに、新たな自分の好みを発見した気がして、2冊目にこちらの本を読んだ次第。 が…私にはこちらの本は期待外れだった。息苦しいの中にまた息苦しさしか見い出せず。闇金ウシジマくんから、現実味を抜いて代わりにグロさと厨二病要素をたっぷり足した感じというか。。 「デブを捨てに」の読書感を求めて、著者の他の本にも挑戦してみたいと思う。

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2017/09/02

なんだこのやり切れなさ…。 読んでる間中ボディブロウを喰らい続けているようで、表題作まで読み終えたところで流石にえずいた。おえっ。

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2017/05/01

「或るろくでなしの死」 震えながら、戦きながら、そうとは知らずに。七人の人間たちが迎えた決定的な死の瞬間。 やっちまった。調子に乗って読んでしまった。惹きつけるものはあるけど、自分に向いてるか否かだったら向いてないなと。「ダイナー」は、疾走感がある分後半は読み切れたけど、これ...

「或るろくでなしの死」 震えながら、戦きながら、そうとは知らずに。七人の人間たちが迎えた決定的な死の瞬間。 やっちまった。調子に乗って読んでしまった。惹きつけるものはあるけど、自分に向いてるか否かだったら向いてないなと。「ダイナー」は、疾走感がある分後半は読み切れたけど、これは死を扱ってる+いつものグロテスクさがありありで疲れました。 とはいえ、印象深い短編集ではあります。表題の死は、殺し屋の「俺」が、仕事の現場を小学生のサキに目撃されることから始まります。一見イカれたサキの話かと思いきや(だってハムスターを可愛がって殺すって...)、正当化できる訳ではないが、サキには辛いことが降りかかっていて、それによって殺し屋が変わる?ような話でなんというかどーんとくる。 「或る嫌われ者の死」も印象深いです。日本人がマイノリティになっている世界の話で、凄い差別が出て来てとても悲しい。最後なんか悲し過ぎる。この短編は、グロテスクではないが、差別の残酷性が出ている。辛い。 平山夢明の世界としては普通なのだろうが、こたえる人にはこたえました。ちょっと暫くは笑える小説に浸りたい。

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2016/03/30

今月は再読月間。コレも再読で、登録のみで、レビューを書いていなかったので、この機会に……。なお、再読なので、年間のカウントには、含めません。 様々な形、意味の「死」にまつわる短編が7編。 今回もそれぞれのあらすじは省略させていただきます。 個人的には、平山流ハードボイルド風...

今月は再読月間。コレも再読で、登録のみで、レビューを書いていなかったので、この機会に……。なお、再読なので、年間のカウントには、含めません。 様々な形、意味の「死」にまつわる短編が7編。 今回もそれぞれのあらすじは省略させていただきます。 個人的には、平山流ハードボイルド風クライム小説の香りプンプンの〈或るろくでなしの死〉が一番好み。続いては、歪みまくった恋愛小説〈或るからっぽの死〉。他も、SF的なモノあり、お得意の不条理モノありでヴァリエーションに富んでいます。また、鬼畜度、グロ度はまだまだミドル級。なので、平山夢明、入門編には、コレか、(やや、不条理系多めの)『他人事』をオススメします。 そして、2016年から新設の再読月は平山夢明に始まり、平山夢明に終わるのでした。

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2016/01/09

色んな死にかたを集めた短編集。 日本はわりと治安がいいのであまり死に対してリアルな感覚が薄いんだけど、確実に死は誰にでも訪れるのだなぁというのが解る。 例えば自動車事後の描写など。 平山ワールド全開です。 グロの泥沼の中に文学という透明な硝子珠を見つけたときのヤッタネ感とそれを...

色んな死にかたを集めた短編集。 日本はわりと治安がいいのであまり死に対してリアルな感覚が薄いんだけど、確実に死は誰にでも訪れるのだなぁというのが解る。 例えば自動車事後の描写など。 平山ワールド全開です。 グロの泥沼の中に文学という透明な硝子珠を見つけたときのヤッタネ感とそれを口に含んで「冷たいなぁ」と思う感覚が味わえる。

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2015/08/07

不愉快さ不条理さがハマる人にはハマる、それが平山夢明だと思う。 とにかく一気読みするには体力が要るので、一話ずつ分けて漸く読了。 何か言葉にしがたい気持ち悪さが胸に残る。初読はだいたい2年前だったのだが、今の今まで本について考えるときは必ずこの平山流の気持ち悪さが思い浮かぶ。ある...

不愉快さ不条理さがハマる人にはハマる、それが平山夢明だと思う。 とにかく一気読みするには体力が要るので、一話ずつ分けて漸く読了。 何か言葉にしがたい気持ち悪さが胸に残る。初読はだいたい2年前だったのだが、今の今まで本について考えるときは必ずこの平山流の気持ち悪さが思い浮かぶ。ある種心に残る作品と言えるかもしれない。 なんだか解らないけど、好きという言葉は合っている気がしないのだけれど、印象に残る一冊です。

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2015/04/17

エログロや暴力のアイデアや場面設定はよいのだけれど、そこで書かれる言葉の深みというか奥行というか重みというのが物足りない、怖いのだがまあこの程度か、となるのはそれが原因で、どうしても言葉の安易さ軽さが目についてしまう。小説というよりは映画のシナリオを読む気分だし、言葉のチョイスが...

エログロや暴力のアイデアや場面設定はよいのだけれど、そこで書かれる言葉の深みというか奥行というか重みというのが物足りない、怖いのだがまあこの程度か、となるのはそれが原因で、どうしても言葉の安易さ軽さが目についてしまう。小説というよりは映画のシナリオを読む気分だし、言葉のチョイスが安易でジャンクフードを食べている気分。それでも、ラストの2作「或る英雄の死」「或るからっぽの死」はよかった。あっ、ちゃんと力量のある作家なんだ、ということが分かってほっとした。着想はどの掌編も本当にいいんだけどね、小説の出来不出来はやはり語りと描写力であることを改めて考えさせられた。もちろん、ジャンクにはジャンクの旨さがあると言われれば、返す言葉もないわけで…。

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