或るろくでなしの死 の商品レビュー
死の表現がえぐいです。 でも、淡々としたえぐさなので、それほど抵抗なく読めてしまった自分が怖い。 「或るはぐれ者の死」 「或る嫌われ者の死」 「或るろくでなしの死」 「或るからっぽの死」 の4編が好きでした。 特に「からっぽ」は泣けてしまった。 ハードカバーでのあとがきも嬉し...
死の表現がえぐいです。 でも、淡々としたえぐさなので、それほど抵抗なく読めてしまった自分が怖い。 「或るはぐれ者の死」 「或る嫌われ者の死」 「或るろくでなしの死」 「或るからっぽの死」 の4編が好きでした。 特に「からっぽ」は泣けてしまった。 ハードカバーでのあとがきも嬉しい。
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死をテーマにした短編集。 グロテスクだけど引き込まれてしまう。 ページが次々に進んでいく。 不思議な作品でした。 個人的には最後の或るからっぽの死が良かった。
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こういうのを市立図書館で貸出していいのでしょうか・・・ めちゃめちゃ怖かった。 描写の仕方がリアル(現実で見たことは勿論ないけれど)で、精神的にもズゴンとキます。別段心臓の弱い訳でもない私で、心臓がドックドクしたので、心臓の弱い方は、ホントに気を付けた方がいいと、思います。 でも...
こういうのを市立図書館で貸出していいのでしょうか・・・ めちゃめちゃ怖かった。 描写の仕方がリアル(現実で見たことは勿論ないけれど)で、精神的にもズゴンとキます。別段心臓の弱い訳でもない私で、心臓がドックドクしたので、心臓の弱い方は、ホントに気を付けた方がいいと、思います。 でも読後に、読まなきゃよかった感はありませんでした。 いやはや。
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「ろくでなしの死」の、ラストのお仕置き(ハンニバル+闇金ウシジマくんか!)。 「からっぽの死」が個人的には、ハードボイルドと悲しさが混じっていてベストの一作。 ただ描写にそろそろ飽きが来ているのか、パワーが落ちてきている感が否めない。
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「あとがき」で述べられているように、各々異なる「死」を題材とした短篇集です。 流石としか言えないクオリティの高さなのですが、中でも「或るからっぽの死」の最後の一文がたまらない。あの圧倒的虚無感は素晴らしいものがあります。 表題作「或るろくでなしの死」も素敵ですね。主人公はいわゆる...
「あとがき」で述べられているように、各々異なる「死」を題材とした短篇集です。 流石としか言えないクオリティの高さなのですが、中でも「或るからっぽの死」の最後の一文がたまらない。あの圧倒的虚無感は素晴らしいものがあります。 表題作「或るろくでなしの死」も素敵ですね。主人公はいわゆる殺し屋なのですが、淡々とした一人称叙述が展開と見事にマッチしています。本当に上手い…… 全体的に読みやすくもあり、平山夢明入門としてもおすすめできるかと。
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一人の人間が死んでいく短編。川上未映子がエッセイで「自分の死は見ることができないので存在しないんやで」ゆうておりましたので、一人称の語りでストーリーが始まった時、自らの死をどう語るのかとても興味を惹きまして、最後なるほどと思いました。幽霊になって伝えてますなんて不誠実な結末でなく...
一人の人間が死んでいく短編。川上未映子がエッセイで「自分の死は見ることができないので存在しないんやで」ゆうておりましたので、一人称の語りでストーリーが始まった時、自らの死をどう語るのかとても興味を惹きまして、最後なるほどと思いました。幽霊になって伝えてますなんて不誠実な結末でなくてよかったです。
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さすがだ~♪平山夢明。なかなか言葉にし難いけど本当にスゴい小説だわ。独白する~よりはかなり普通になってるぶん、ガンとぶちのめされるワンフレーズの衝撃が大きい。みんなに言いたいけど秘密にもしておきたい作家さんNo.2。No.1は飴村行~♪関係ないけど(笑)
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〈或るはぐれ者の死〉では、まともを装っている世間の顔を引っぺがそうとした浮浪者が、 〈或る嫌われ者の死〉では、祖国を失い他国で嫌われ者として生きなければならない日本人が、 〈或るごくつぶしの死〉では、他人を家具のように扱いながら逃げ切ろうとした青年が、 〈或る愛情の死〉では...
〈或るはぐれ者の死〉では、まともを装っている世間の顔を引っぺがそうとした浮浪者が、 〈或る嫌われ者の死〉では、祖国を失い他国で嫌われ者として生きなければならない日本人が、 〈或るごくつぶしの死〉では、他人を家具のように扱いながら逃げ切ろうとした青年が、 〈或る愛情の死〉では、災厄による悲劇をナルシシズムに置き換え自らを崇めた母親が、 〈或るろくでなしの死〉では、ある少女を取り巻く世界が、 〈或る英雄の死〉では、過去の栄光を、よすがにしていたぼんくら男たちの友情が、 〈或るからっぽの死〉では、皮肉な力を身につけた青年の愛が、 蹂躙され、破壊されていきます(作者あとがきより)。 〈死〉を描いた7つの物語。 文句なく面白いです。 これを面白いって言ったら顰蹙ものなのかな? ただ三話目と四話目は母親目線で読んでしまい苦しかったです。 特に四話目は、事故のシーンから先に読み進めることができなくて、2日後になってようやくページをめくることができるようになりました。 父親による残酷な子供の選択。 今思い返しても胸が重苦しくなる話でした。 五話目はアルマーニ着た殺し屋と少女って設定がどうにもこうにも期待を高まらせてくれたんですが、期待は裏切られませんでした。 結構デデさんが好き。 七話目はラストがショッキング。あと引く終わり方ですね。 『ダイナー』読んで平山さんのすごさを知った後、借りてみた2冊目の本だったのですが、やっぱりこの人の書く文章好きかもしれません。 そこここに溢れる平山さんならではのセンス、もっと感じてみたいですね。 遡って昔の作品借りてみようっと。
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あらゆる「死」にまつわる短編集だが、短編集としては前作となる『他人事』のいくつかの話にも漂っていた純文学的な要素を継承したような物語が目立った。 ホームレスの見つけた路上の“付着物”にまつわる『或るはぐれ者の死』、日本人が希少種となった近未来設定の『或る嫌われ者の死』、ひとりの人...
あらゆる「死」にまつわる短編集だが、短編集としては前作となる『他人事』のいくつかの話にも漂っていた純文学的な要素を継承したような物語が目立った。 ホームレスの見つけた路上の“付着物”にまつわる『或るはぐれ者の死』、日本人が希少種となった近未来設定の『或る嫌われ者の死』、ひとりの人でなしが誕生するまでを綴った『或るごくつぶしの死』、ぼんくら一代記『或る英雄の死』などの淡々とした物語にその匂いが濃厚。 で、個人的には、家族の再生を歪に且つ決然と謳った『或る愛情の死』、殺し屋と少女の交流を描いたノワール譚『或るろくでなしの死』、特殊な視覚を持つ男が世界からフェードアウトしてく様を描いた『或るからっぽの死』など、比較的エッジの立った作品に惹かれた。 全体的に静かな作品が多い印象だが、傑作『DINER』にも通じる、『或るろくでなしの死』のような世界観がまた読めたのは嬉しかった。この路線、続けて欲しいものである。
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ほの暗い視界の中で生きる人々の死を描いた短編集。静かに淡々としたリズムで消えてゆく命の姿は気持ち良いほど潔く、また清い。 命は尊いものだなんて本当、誰が言い出したんだろう? 命は何故大切にしなくてはいけない? そう繰り返すことが暗黙のルールとなっている世の中に対して、唾を吹っ...
ほの暗い視界の中で生きる人々の死を描いた短編集。静かに淡々としたリズムで消えてゆく命の姿は気持ち良いほど潔く、また清い。 命は尊いものだなんて本当、誰が言い出したんだろう? 命は何故大切にしなくてはいけない? そう繰り返すことが暗黙のルールとなっている世の中に対して、唾を吹っ掛けるような作品だった。個人的には、一番最後の作品が一番好き。ある朝起きて、鏡にパジャマの袖がひらひらとしていたら、その時は潔くドロップアウト、だ!
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