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或るろくでなしの死 の商品レビュー

3.5

51件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

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2014/12/21

前作『ダイナー』を読んだとき奇才だなあとおもい、この作品にも期待したが、さすがに練りに練ったえぐいストーリーはインパクト十分だが、あまりにえぐすぎて読み進むのが少しつらくあった。多作ではなさそうなのでまた次回作までには時間がかかりそうだが次作に期待したい。

Posted byブクログ

2014/10/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

珍しくあとがきがあり、作者さんの人間性を垣間見れたのがうれしい。 『はぐれものの死』は、ある意味期待通りというか、救いのないはなし。だからこそ意味があるとおもえるはなし。 『ろくでなしの死』は、一番好き。あとがきでは紆余曲折してこの展開に落ち着いたようなこと書いてありましたが、覚悟した以上に救いのある結末にほっとしました。えげつなさもありつつ、珍しく後味の良い作品。 あと心に残るのは、『嫌われものの死』かな。日本人という記号を物語にしたものが他の短編集にもありましたが、風刺的で殺伐として、人間らしさが物悲しい。

Posted byブクログ

2014/06/25

これぞ短編小説の傑作! かけ値なしの絶望と論理をも飲み込む狂気のオンパレード! 偽善者どもめ、死にさらせ。 様々な死を描いた本作は、間違いなく傑作中の傑作。序盤からぶっ飛ばしてきやがる。道路の真ん中にあって、日の熱さにドロドロに溶けちゃっててタイヤに轢かれまくったせいで地面とほぼ...

これぞ短編小説の傑作! かけ値なしの絶望と論理をも飲み込む狂気のオンパレード! 偽善者どもめ、死にさらせ。 様々な死を描いた本作は、間違いなく傑作中の傑作。序盤からぶっ飛ばしてきやがる。道路の真ん中にあって、日の熱さにドロドロに溶けちゃっててタイヤに轢かれまくったせいで地面とほぼ一体化している物体を、くっさいホームレスの主人公が救済しようと努力するが……。 二本目は、二本目だけに日本人だ。なんかヤベェウイルスを蔓延させちまった日本人が忌み嫌われている世界が舞台。日本人が電車に挟まって瀕死にあるんだが、そいつを救おうとするレスキュー隊たちとの小さな物語。なんでこんなちっぽけな話なのに世界観や人物のディテールが施せるんだろうか? ほんと凄い。 三本目は、浪人生とそのセフレの間に過失的に生まれた赤ん坊の死。或いは、精神的に死んだセフレを描くもの。どうしようもねえ浪人生のクズっぷりと、それに流される頭からっぽ女の描写がやっぱり上手い。この短編集の中で最も生々しく且つ現実的。ラストが美しくもある。 四本目は、息子を見殺しにした夫を責める妻と、その家族の崩壊を見事に絶望感スーパーフルマックスで書かれる一作。百聞は一見に如かず、これに限っては是非読むべし。 五本目は表題作、或るろくでなしの死。ハムスターを石で撲殺しまくる少女と、少女に仕事現場を見られた殺し屋の関係を描く。少女のちょっとキ印入ってる苦悩と殺し屋の妙な人間らしさが不思議で心地よい。ラストは最もエグいのでご注意。 六本目は、クソ野郎になっちまった旧友と主人公の話だが、微エロ・グロてんこ盛りの平山さんらしい短編。猫に奉仕してもらった挙句それをブチ殺す男や、表情ひとつ変えずに指関節をズタボロにしたり眼球を埋めちゃう筋肉兄弟などが登場。個人的にはこの短編集で一番好き。 ラストは、SFじゃないけど奇妙な病気に罹った男と、汚れ仕事をしてきた娘の恋愛物語。恋愛とかいってるけどそこは平山さん。絶望ふりかけをたっぷり掛けてある。とはいったものの、この短編集の中では異質な存在であることに疑いはなく、何故か読後感も爽やかというか切なさというか……マイルドに読了させてしまう一作なのだ。ひとつ前の話がエグかったので、これでちょっとは飽和されるんじゃないかな。 平山さんの作品の特徴は無国籍だと思う。名前はカタカナや英語が多いし、舞台も一概に日本に限定することはできまい。 彼は無国籍で、無関心で、理解不能な、底無しの恐怖を現代人にリアルに見せてくれる。なんて逞しい作家なんだろう。

Posted byブクログ

2013/09/28

うーん。 どこかでお勧めと見て、読んだのですが、自分で手に取っていたら絶対に読まなかっただろうと思う本です。 読み切ってしまったので、それなりに文章力があって内容もおもしろかったのだとは思いますが、グロテスクな表現が苦手なので・・・。 この作家さんの本はもう読まないですね、...

うーん。 どこかでお勧めと見て、読んだのですが、自分で手に取っていたら絶対に読まなかっただろうと思う本です。 読み切ってしまったので、それなりに文章力があって内容もおもしろかったのだとは思いますが、グロテスクな表現が苦手なので・・・。 この作家さんの本はもう読まないですね、たぶん。

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2013/08/22

私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ ...

私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2013.8.13読了 あまり面白くはないですが、個人的に好きです。 話自体は、グロテスクで救いがなくて、物語としてもそれほど面白くないというか、どちらかと言えば、うーんという物語が多いです。 文章も、もちろん読みにくいとかそういうことはないですが、何かざらつく感のある、気持ち良くない文章です。 では、このグロテスクな所が怖い物見たさなのか、ちょっと変態趣味があるのかと言えば、まあ、変態趣味に関しては無いとは言えないですが、この年になると、ちょっとそれとは違うというのが分かって来ます。 それでは、何でこれが好きなのか? きっと、この小説の独特の雰囲気なんだと思います。 普通ここでよく、良い小説の条件として、その小説独特な匂いとか雰囲気が必要だと言っていますが、それはどちらかというと、文体やその作家独特な小説の構成や細かな記述や描写から、醸し出されるものなのだと思っています。 ですが、この小説の雰囲気はそれではなくて、何か、そのグロテスクで救いようのない無惨な物語の中身に見え隠れするというか、あって欲しいと思うような綺麗なもの、人間の善性のようなものを見つけたくなるようなものがある、そういう書かれ方をしているということだと思います。 でも、作者のあとがきに憂さやもやもやを吹き飛ばして、と書いてありましたが、それは無理です。もっと、もやもやします。 あっ、それと皆さんのレビュー見てて、けっこうダイナー好きな人、多いんですね。これはハリウッドで映画化、決定だな。

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2013/09/15

どれも、やり切れない、切ない「死」を描いてて、グロいし、あーここで終わりにしようと何度も思ったのだけども、結局、全部読んでしまった。読後感が、不思議と悪くないのだ。不思議な作家さんだ。この本はもう二度と読まないけど、他の作品は読んでみたいと思った。

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2013/08/14

(収録作品)或るはぐれ者の死/或る嫌われ者の死/或るごくつぶしの死/或る愛情の死/或るろくでなしの死/或る英雄の死/或るからっぽの死

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2013/06/01

殺し屋の「俺」は、仕事の現場を小学生のサキに目撃される。「俺」を怖がるふうもなく、逆に自分の云うことを聞くよう脅迫してくるサキ。だが彼女は「俺」にねだったハムスターをしばらく可愛がった後、唐突に石で頭を打ち砕いてしまう。真っ赤に目を腫らしながら…。こうして、殺し屋と少女の不思議な...

殺し屋の「俺」は、仕事の現場を小学生のサキに目撃される。「俺」を怖がるふうもなく、逆に自分の云うことを聞くよう脅迫してくるサキ。だが彼女は「俺」にねだったハムスターをしばらく可愛がった後、唐突に石で頭を打ち砕いてしまう。真っ赤に目を腫らしながら…。こうして、殺し屋と少女の不思議な関係がはじまった―。(表題作より)ほか「或るはぐれ者の死」「或るごくつぶしの死」「或る英雄の死」「或るからっぽの死」など粒選りの七編を収録。

Posted byブクログ

2013/05/04

図書館より 物理的な死や感情、世界の死を描いた短編集。 印象的なのは『或る嫌われ者の死』日本人がほとんど死滅した世界で、列車に下半身を挟まれてしまった日本人男性の救助に当たる救急隊員の目線の話。 ラストの落とし方が淡々としていながらも、ほんとに一編の救いもなく何とも不可思議な読...

図書館より 物理的な死や感情、世界の死を描いた短編集。 印象的なのは『或る嫌われ者の死』日本人がほとんど死滅した世界で、列車に下半身を挟まれてしまった日本人男性の救助に当たる救急隊員の目線の話。 ラストの落とし方が淡々としていながらも、ほんとに一編の救いもなく何とも不可思議な読後感でした。 『或るからっぽの死』は特殊な能力を持った男が主人公。 これも印象的なのはラスト。思わず「ああ……」とつぶやいてしまいました。アイディアとしてもとっても巧いし、語りかけるような語り口も話を際立たせています。 平山さんは以前アンソロジーを読んで(ある意味)すごい話を書くなあ、と思っていて、レビューでも作品のグロさについて言及しているものが多く、覚悟を決めて読んだのですが、この短編集は思ったほどグロさはなく、どれも文学的な雰囲気が漂っていました。 正直読み終えた後も具体的にどこが良かったのか、説明するのが難しいです。でも全ての短編に不思議と引き付けられるのはこの話に出てくる、ろくでなしたちがどこかで自分の何かと似ているように感じるからかもしれません。

Posted byブクログ

2013/05/02

今回のはあまり面白くなかったです。 平山さんって外国のハードボイルドが好きなんだろうなとは思うんですが(勝手に)オリーヴの実を食べるシーンがあるんだけどあれはすごい不味いものだと思ってるから「すかしてんなあ」と思ったりしました。 だって、日本人が日常シーンでオリーヴをつまみに...

今回のはあまり面白くなかったです。 平山さんって外国のハードボイルドが好きなんだろうなとは思うんですが(勝手に)オリーヴの実を食べるシーンがあるんだけどあれはすごい不味いものだと思ってるから「すかしてんなあ」と思ったりしました。 だって、日本人が日常シーンでオリーヴをつまみにマティーニやワインボトルあけるってなんかぐっとこなくないですか。

Posted byブクログ