君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
浅田次郎「君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい」、2011.12発行。浅田次郎のことがよくわかるエッセイです。①昭45.11.25三島由紀夫の自死を受け、昭46年春から2年間、陸上自衛官として過ごす ②「1に花屋、2に本屋、3に食事」同じ順序の女性を妻に(22歳)③動物好き:犬も猫も小鳥もちゃんと人間の言葉を理解する。心の底から語りかければどんなことでもきちんと理解する。要は説得なのである。(保健所に連れていかれそうだった貰い犬、子犬のパンチに数時間の説得w)4匹の猫、多いときは13匹居たそう。 「地下鉄に乗って」で、吉川英治新人文学賞(これで、小説家になれた) 「鉄道員」で直木賞受賞(これでメジャーな作家になれた) 「壬生義士伝」で柴田錬三郎賞(メジャーの中から、さらに選抜された賞)。
Posted by
この人の文章はいつ読んでも気持ちがいい。ごつごつと難しい言葉を交えながらも、読みやすく、ビートに乗れる。不幸は怠惰の結論であるという言葉は、長い下積み時代から努力を続け、このような文体を獲得した人の言葉だから説得力がある。
Posted by
浅田次郎さんの小説が好きだ。正直、そう公言できるほどに多く読み込んではいないが、今まで読んだものはすべて面白かった。このエッセイには、彼の小説への思い入れや、やめられぬ博奕である競馬との付き合い方などが懇々と書かれている。この本を読んだことがきっかけとなり、浅田さんを真似て1日1...
浅田次郎さんの小説が好きだ。正直、そう公言できるほどに多く読み込んではいないが、今まで読んだものはすべて面白かった。このエッセイには、彼の小説への思い入れや、やめられぬ博奕である競馬との付き合い方などが懇々と書かれている。この本を読んだことがきっかけとなり、浅田さんを真似て1日1冊の読書を己に課してみることにした。幼い頃、無類の本好きだった自分を思い出す。浅田さんは本好きのまま読書を重ね、私は病で集中力を失ってからろくに本を読まなくなった。もちろんその差は埋められるものではないが、自分の人生に、やはり読書は欠かせないものであってほしい。
Posted by
我が読書の師、浅田大先生のエッセイ集。 収録されているエッセイは、1990年代のものから2000年代後半のものまで幅広く、その時々の事情もうかがえ、なかなか面白いものでした。 浅田さんは、社会人時代を中心に、何でもソツなくこなしてしまうから人の避けることばかりを率先してやり、...
我が読書の師、浅田大先生のエッセイ集。 収録されているエッセイは、1990年代のものから2000年代後半のものまで幅広く、その時々の事情もうかがえ、なかなか面白いものでした。 浅田さんは、社会人時代を中心に、何でもソツなくこなしてしまうから人の避けることばかりを率先してやり、いわゆる「器用貧乏」だったらしいですが、全く他人事ではないのです。自分も何かのスペシャリストになりたいと思い、セコくニッチに色々チャレンジしたりしましたが、瞬間風速的に抜け出すことはあっても継続は難しく、上には上がいるものです。最近はすっかりあきらめモードで、それならいっそ、器用貧乏のスペシャリストを目指そうかと思ったりします。
Posted by
浅田さんのエッセイを読むのはこれが初めてだったのですごくわくわくした。実際に読んで吃驚したのも事実、励まされ、意外に納得し、所々で戸惑い、様々な発見をもたらした一冊だった。文体もどちらかというとかためなのに、小説になると途端にスイッチが入ったように人物が浮かび上がって生き生きと動...
浅田さんのエッセイを読むのはこれが初めてだったのですごくわくわくした。実際に読んで吃驚したのも事実、励まされ、意外に納得し、所々で戸惑い、様々な発見をもたらした一冊だった。文体もどちらかというとかためなのに、小説になると途端にスイッチが入ったように人物が浮かび上がって生き生きと動き回る。こういった目線で書いているのか、とか、本当に好きなものには目がないのだなとそこかしこで感じさせられる。うちは頭がかたいので会得するにも時間がかかる。速読でもないが飛ばし読みもしばしばやるのだが、これはじっくりと読んでしまった。だったら小説の方をじっくり読めばいいのにと思うが、小説は引き込まれて読んでいることを忘れるのでじっくり読むということができない。何はともあれ、すごく楽しい時間を過ごすことができるエッセイだった。
Posted by
以前読んだ、浅田次郎さんのエッセイは結構爆笑物のエピソードが多かったですがこれはどちらかというと真面目な感じです。
Posted by
座右の銘は孔子の「論語」から。 訳すと、ボーッとしているくらいなら博奕でもしているほうがまし、だって。 さすが生粋のギャンブラーですね。
Posted by
本当に文章が好きなんだなってわかるエッセイ。作家になるために生まれてくる人もいる。「小説家という聖職」にこの人の文章に対する愛がギュッと詰まってるように思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルは、やんちゃで問題児だった少年期の著者に、叱るでもなく説教でもなく、微笑みながら言ってくれた恩師の言葉を引用したものらしい。この著者、中学の頃から無類の読書好きで、学校の図書室の本も古今東西片っ端から読み尽くし、面白いと思う小説は声に出して読み、それだけでは飽き足らず原稿用紙に書き写し、さらに「こうしたほうがもっと面白い」と原作を改ざんするようになり、かくしてついに小説を書きはじめるようになったのだとか。40歳目前にしてようやく作家デビューを果たし、売れっ子作家になった今でも1日4時間かけて1冊を遅読する習慣は続いていて、著者曰く「作家として生き残るために、修行僧のような努力は怠らない」というのだから、恐れいる。アメリカ人の思想を皮肉ったり、飼い猫の話で笑いをとったり、うんうん、なかなかおもしろかった。
Posted by
個人的には特に第4章と第6章が面白かった。村上春樹さん同様、毎日毎日、朝から昼まで執筆していると知り、自分の執筆スタイルを反省した。
Posted by