極北ラプソディ の商品レビュー
最近の海堂尊作品は、著者が「現代医療に対して言いたいこと」を言ったら、「次巻へ続く」的な終わらせ方をしてしまう不完全燃焼ばっかだったのだけれど、今回はちゃんと作中の登場人物にきちんとした結末が用意されていてなかなか楽しめた。 『極北クレイマー』のときに肩透かしをくらった速水もち...
最近の海堂尊作品は、著者が「現代医療に対して言いたいこと」を言ったら、「次巻へ続く」的な終わらせ方をしてしまう不完全燃焼ばっかだったのだけれど、今回はちゃんと作中の登場人物にきちんとした結末が用意されていてなかなか楽しめた。 『極北クレイマー』のときに肩透かしをくらった速水もちゃんと出てきてくれたし。次巻は『螺鈿迷宮』の桜宮が出てくることを期待。 『ジェネラル・ルージュ』 『ブラックペアン』 『ブレイズメス』 『ジーンワルツ』 『極北クレイマー』 この5作が背景にあるのに、この1冊でも十分読める作品に仕上がっているのは結構評価できるかと思う。 色々著者周辺には賛否両論あるけれども、医師にしか書けない現代医療の問題点をこうした形で読めるものとして、凡人に提示してくれるのはありがたい。 ※しかし、海堂ユニバースは登場人物がアメコミばりに多くて、読む前に復習が必要になるので、巻頭に登場人物の初出作品を書いてくれると助かるのだが。
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「極北クレイマー」の続編で、地方医療への提言小説ですが、 海堂ワールドの過去の登場人物(ブラックペアン1988の主人公の世良) の物語の一つの決着でもあります。 前作よりの主人公、今中氏と再建請負人、世良氏との関係は、 「ブレイズメス1990」の世良と天城の相似形にも見えますし、 連載中の「スリジエセンター1991 」での天城、世良の不幸も予見させられ、 この先の連載を読むことがつらくなった気がします。 結構、世良という登場人物は、海堂ワールドでは一番の凡人だったので、 気にはなっていたのですが、彼の世界がクローズできたようなので、 自分としては満足しました。
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「極北クレイマーの」続編。赤字病院の再建に挑む世良院長と救急医の速水、孤島の診療所の久世先生のそれぞれの姿にエールをおくりたくなりました。
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内容充実。ドラマも多く、面白い。 海堂作品には(医療ミステリなので当然だが)、医療のプロが多く登場する。医師、看護士、医療技師などがそれに当たる。そこに官僚という行政のプロを横軸として絡めた事が、海堂作品を成立させたキモであることは間違いない。 「ナニワ・モンスター」では地方政治...
内容充実。ドラマも多く、面白い。 海堂作品には(医療ミステリなので当然だが)、医療のプロが多く登場する。医師、看護士、医療技師などがそれに当たる。そこに官僚という行政のプロを横軸として絡めた事が、海堂作品を成立させたキモであることは間違いない。 「ナニワ・モンスター」では地方政治を書いた。先行して書かれた「極北クレイマー」も含めて、地方行政シリーズの流れにある今作ではあるが、既存の「中央と地方」という概念を越境しようという理念が明確な形をもって語られ出している感が強い。 今作では破綻した病院の再生請負人の世良が、病院経営のプロとしての姿を見せてくれる。また、ドクターヘリ関係のもプロも登場する。 海堂作品に登場するプロフェッショナル達が小気味良いのは、それぞれの職分をプライドをもって守り、かつ、自信を持ってその職分を破る、越境する行為にあるのだ、と認識した。
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待ってました「チーム・バチスタ」シリーズ。 今回の本は非常に読みやすいものでした。 世良と速水の関係性が注目。
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大好きなチームバチスタシリーズ最新刊。やっぱり面白い。彦根先生の影もちらつきつつ、の世良&速水。北の土蜘蛛のところがちょっと食い足りない感もあったけれども、速水ファンとしては、隣が空いた?!ので極北市にいきたい気分です。ナースじゃないからダメか(笑)。
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バチスタシリーズから繋がる海堂尊の新刊 世良さんとかジェネラル速水が出てくるのがうれしいなぁ どんどん広がって行く世界観が大好きだ
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『極北クレイマー』に続く話で、財政破綻した極北市の極北市民病院を 再建請負人として病院長に赴任した世良雅志と極北市民病院の元外科部長の 今中医師が活躍します。現実の社会でも起こりうる市民病院の機能停止。 赤字体質の病院を訪問介護の拡充、人員削減、投薬抑制などを掲げ改善していく。 一方救急医療を一手に押し付けた極北救命救急センターではあの将軍こと速水医師や 花房看護なども出てきて、速水医師が望んでいたドクターヘリが活躍します。 海堂さんの作品は以前読んだ別の作品の登場人物のその後なんかも 描かれていて、しかも同時進行している作品の中で描かれて いなかった場面などが違う作品の中で進行形として描かれているので 「あ~あの話の裏ではこういうことになってたんだぁ~」なんて 思ったりもします。今回のラストシーンも色々な作品の終着点みたいで なんだか個人的にすっきりしました。 これでさらに『スリジエセンター1991』が読みたくなりました。
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相変わらず読みやすくてあっという間に読んでしまうのですが、、、 だんだん政治的な意図が強くなってきましたね。 ストーリーは非常におもしろく、ほかの話との関係性も相変わらず。 早くも偉大なるマンネリになりつつあるような・・・ しかし、最後の世良先生、キャラが違うんですけど(笑)。 ...
相変わらず読みやすくてあっという間に読んでしまうのですが、、、 だんだん政治的な意図が強くなってきましたね。 ストーリーは非常におもしろく、ほかの話との関係性も相変わらず。 早くも偉大なるマンネリになりつつあるような・・・ しかし、最後の世良先生、キャラが違うんですけど(笑)。 そして、ジェネラルは相変わらずかっこいい。
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