頭のうちどころが悪かった熊の話 の商品レビュー
ずっと読んでみたかった本。何よりタイトルがいい。どの話にもちょっぴりブラックなユーモアにあふれている。まさに大人のための寓話。「いただきます」のトラが旅人を食べようとする下りがいい。これで本当にたべられってしまったら、悲しかったけれどそうではないことが続きでわかって安心。りっぱな...
ずっと読んでみたかった本。何よりタイトルがいい。どの話にもちょっぴりブラックなユーモアにあふれている。まさに大人のための寓話。「いただきます」のトラが旅人を食べようとする下りがいい。これで本当にたべられってしまったら、悲しかったけれどそうではないことが続きでわかって安心。りっぱな牡鹿では、カーヴァーのsmall good thingsを思い出した。お腹が満たされるって大切なことだよね。本能に直結していることだから。体は全部知っている。
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動物関係の短編の物語の収集! 様々な動物から自分の周りの友人が連想できて久々に深い一冊だった。多分なにも考えずに物語として見るのと自分の近い存在の人に置き換えてから見るのとじゃ全然ちがうとおもう。
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たまたま行ったカフェに置いてあってパラパラと読んでみたのですが面白かったので、後日購入して読みました。
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頭を打ってすべてを忘れてしまった熊が探しはじめたのは、愛するパートナー、レディベアだった。彼女は乱暴だったけど、熊はそんな彼女に会いたかったのだ―動物世間のよもやま話に奇妙で不思議な現実がみえ隠れ、これって、私たちのこと?生き物世界の不条理がキュンと胸にしみる、シュールで痛快、ス...
頭を打ってすべてを忘れてしまった熊が探しはじめたのは、愛するパートナー、レディベアだった。彼女は乱暴だったけど、熊はそんな彼女に会いたかったのだ―動物世間のよもやま話に奇妙で不思議な現実がみえ隠れ、これって、私たちのこと?生き物世界の不条理がキュンと胸にしみる、シュールで痛快、スパイシーな7つの寓話集。イラスト全14点収録。話題のベストセラーを文庫化。(「BOOK」データベースより) 頭のうちどころが悪かった熊は喪失した大切な記憶と最愛の人を取り戻し、キツネを食べてしまったトラは後悔して号泣し、ヘビの一家は家族の絆を確認し、ひねくれ者のカラスはないものねだりをし、おたまじゃくしはたったひとりの自分の世界の王様になり、立派な牡鹿は意味という言葉の意味を考え、冬眠が出来ない不眠症の月の輪熊は三日月と戯れる(解説 小泉今日子) 大人のための絵本というかんじの本だと思った。出てくる動物たちは現代に生きる人々のように見えて、人間たちよりもずっとシンプルに思った通りに行動していてはっとさせられる場面が多かった。一番好きなのは、池の中の王様。 【頭のうちどころが悪かった熊の話】 奥さんのレディベア思ったより凶暴。この奥さんにぶたれた時に頭のうちどころ悪くしてるから。クマバチと陸亀の恋が切ない。 【いただきます】 虎のお腹の中に広がるワンダーランド。食物連鎖の中で食べたことを後悔したらこうなる。ハエがトラによくしてくれてありがとうって言ってみんな納得。ぐるぐるまわりだったんだね。 【ヘビの恩返し】 カコの実を食べたお父さんととミライの実を食べたお母さん。こんな両親いるなと思う。裏返しにして実を取り出すのが斬新。 【ないものねだりのカラス】 文句ばっかり言って人のものをほしがりすぎてないかとドキッとなった。ひねくれてしまったら素直になるのに時間がかかるね。この終が怖いのは、シラサギと友達になれたら次はカワセミと全く根本が成長してないところ。 【池の中の王様】 「父さん。ぼくに見えているものと父さんに見えているものと、違っているような気がするよ。」「ぼくが目をつむりさえすれば世界はなくなる」「ぼくは僕の世界の王様になりたい」すごく哲学が詰まってる。ヤゴとおたまじゃくしの友情も成長すると反転するのもおもしろい。 【りっぱな牡鹿】 頭のいい人ほど思い悩むいい例。溜め込みすぎるとおかしくなる人ってこういうこと考えてるのかな。牡鹿はみんなに好かれているからこういう場面に出くわしても優しさに包まれる。 【お客さまはお月さま】 頭のうちどころが悪かった熊の友達の月の輪熊。この話は唯一動物的だと思った。月と友達というのがなんだか良く似合う。
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※このレビューにはネタバレを含みます
頭の打ちどころが悪かった熊の話 いただきます ヘビの恩返し ないものねだりのカラス 池の中の王様 りっぱな牡鹿 お客様はお月さま 書評再録小泉今日子 いただきますが、シュールでなかなかよかった。話同士も全く関係ないんじゃなくて、いただきますに出てきた人間の男が別の話にもでてきて、死んでなかったことがわかったり。 大人と子供では、感想の違う本かもしれません。やごとオタマジャクシの友人とかあるいみとても面白い組み合わせです。
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なんかジワジワきた。寓話というが、深い意味を考えず、ふわふわ読むのがいい。意味を探ろうとすると、面白くなくなる。 それでも、心にジンワリ染み入ってくる一冊。子どもに読ませたい。
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☆4.2 どことなく不思議な7つの寓話集?イラストも可愛いし、あと、擬音が不思議。 「トラはそういうと、しっぽで鼻をボオオンとかんだ」p28 「キツネはそういって金色の目から銀色の涙を、キロン、キロンとおとした」p30 「ニワトリは下のまぶたをパチリととじ、小さい涙をポチリとおと...
☆4.2 どことなく不思議な7つの寓話集?イラストも可愛いし、あと、擬音が不思議。 「トラはそういうと、しっぽで鼻をボオオンとかんだ」p28 「キツネはそういって金色の目から銀色の涙を、キロン、キロンとおとした」p30 「ニワトリは下のまぶたをパチリととじ、小さい涙をポチリとおとした」p31 とかね。あと表現もいちいち可愛い。言葉にセンスがあるなぁ。
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【収録作品】頭のうちどころが悪かった熊の話/いただきます/ヘビの恩返し ないものねだりのカラス/池の中の王様/りっぱな牡鹿/お客さまはお月さま
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表紙とタイトルにつられて購入。 なかなか面白かった。童話かと思いきや結構シュールで、寓話のような、あるあるネタのようで、あっとゆう間に読んでしまった。 子どもの読ませたい1冊。
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全六編の短編集でさくっと読めるが、面白く中々深い。小泉今日子の書評が寄せてあるが、そこにある“子供部屋から立派な書斎まで、どこに収まっても、どんな人が手に取っても素敵な一冊になると私は思う。”というのは言い得て妙だと思う。 奇妙なタイトルと表紙ではあるが内容も相当に奇妙だ。動物を...
全六編の短編集でさくっと読めるが、面白く中々深い。小泉今日子の書評が寄せてあるが、そこにある“子供部屋から立派な書斎まで、どこに収まっても、どんな人が手に取っても素敵な一冊になると私は思う。”というのは言い得て妙だと思う。 奇妙なタイトルと表紙ではあるが内容も相当に奇妙だ。動物を擬人化した寓話集であり、どの話も世知がない世の中や迷える人々を写したようではあるが独特の空気感があり、優しくあたたかいものを感じさせてくれる。
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