チェインギャングは忘れない の商品レビュー
「お話」の楽しさを堪能できる作品。 前作「グッバイ・ヒーロー」もそうだったが、横関さんの描く男の子はかっこいい。「こんな人がいたらいいなあ」と心から思ってしまうようなキャラクターなのだ。 「修二」と名乗る男が早苗の生活に入り込んでくるあたりのやり取りが、楽しいんだけどかすかに不穏...
「お話」の楽しさを堪能できる作品。 前作「グッバイ・ヒーロー」もそうだったが、横関さんの描く男の子はかっこいい。「こんな人がいたらいいなあ」と心から思ってしまうようなキャラクターなのだ。 「修二」と名乗る男が早苗の生活に入り込んでくるあたりのやり取りが、楽しいんだけどかすかに不穏な雰囲気を漂わせていて、読んでいてドキドキする。 同時進行で進められる「サンタクロース」の事件とはどんなふうにつながるのか、なかなか全貌が見えなくてページをめくる手が止められない。 プロローグでさらっと描かれる人間関係が、最後にかちっとハマるあたりは快感である。 現実味は薄いけれども、「いい話だったなあ」と思ってしまう。 もう少しチェインギャングについて書きこんであったらもっと満足度が上がったかも。
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