倒立する塔の殺人 の商品レビュー
ミステリーとしては普通、というか物足りないくらい。でも百合的見地から言って、欣子が小枝に与える親切の美しさはすばらしい。
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想像に反し、戦時中の話(驚) いくつかの話が重なっていて判りづらい。 しかもトリックが思ったほど大したことなくて、拍子抜け。 しかも動機もたいしたことなくて・・・
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皆川作品を何冊読んでも いつも、違和感が残る。 言葉の選び方やシチュエーションの 勿体なさを歯痒く思う。 多分、ツボから微妙にずれてるんだな。
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皆川博子さんの作品を読むのは2作目。(1作目は随分前に薔薇密室を。) 期待に違わず面白かったです。 タイムリーと言うか、つい先日70歳とちょっとの女性と話す機会があって、その方のお友達の話も含めて、 ・戦前はカタカナ教育だったとか、 ・ひらがなは習わなかった、いや、戦後はひらがな...
皆川博子さんの作品を読むのは2作目。(1作目は随分前に薔薇密室を。) 期待に違わず面白かったです。 タイムリーと言うか、つい先日70歳とちょっとの女性と話す機会があって、その方のお友達の話も含めて、 ・戦前はカタカナ教育だったとか、 ・ひらがなは習わなかった、いや、戦後はひらがな教育だ、とか、 ・敵性語として英語は習わなかったからアルファベットから今習っている、とか、 そんな戦争前後の教育の混乱の話を聞いたばかりだったものだから、よりリアルに物語の舞台となる時代を想像しました。 そんな時代の描写でありつつ、女学校の生徒たちの“百合”めいた交流や、ミッションスクールを舞台にした、ちょっと雰囲気のある世界を描き出し、かつミステリとしても最後まで惹きこまれる文章力。 他の作品も色々読んでみたいです。
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戦時中のミッションスクールを舞台としたミステリ。 文章や小物が古いわけではないのに 表紙や設定からマリ見て的な世界観かと思いきや、耽美的な要素は薄い、いたってまっとうなミステリだった。 『倒立する塔の殺人』とタイトルだけ記されたノートに記されるリレー小説の秘密と、少女の死の...
戦時中のミッションスクールを舞台としたミステリ。 文章や小物が古いわけではないのに 表紙や設定からマリ見て的な世界観かと思いきや、耽美的な要素は薄い、いたってまっとうなミステリだった。 『倒立する塔の殺人』とタイトルだけ記されたノートに記されるリレー小説の秘密と、少女の死の謎をめぐる作品。 作中作の部分が大半。 文章と世界観がしっくりこず流し読みしたらあまり楽しめなかった。。。 時間があれば読み返してみる。
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この手の作品では一般的な女の子の視線が必要だと思う私には、ベー様の存在がとても嬉しかった。何より解説が三浦しをんであることも嬉しい(三浦しをんの秘密の花園でも一般的な女の子の視線が描かれている)。ミステリ要素としては消去法で答えを導きだせるものの、解決に向かうまでのすべてのディテ...
この手の作品では一般的な女の子の視線が必要だと思う私には、ベー様の存在がとても嬉しかった。何より解説が三浦しをんであることも嬉しい(三浦しをんの秘密の花園でも一般的な女の子の視線が描かれている)。ミステリ要素としては消去法で答えを導きだせるものの、解決に向かうまでのすべてのディテールが計算された美しさで素晴らしい。
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【内容紹介】 戦時中のミッションスクールでは、少女たちの間で小説の回し書きが流行していた。 蔓薔薇模様の囲みの中に『倒立する塔の殺人』とタイトルだけ記されたその美しいノートは、図書館の書架に本に紛れてひっそり置かれていた。ノートを手にした者は続きを書き継ぐ。 しかし、一人...
【内容紹介】 戦時中のミッションスクールでは、少女たちの間で小説の回し書きが流行していた。 蔓薔薇模様の囲みの中に『倒立する塔の殺人』とタイトルだけ記されたその美しいノートは、図書館の書架に本に紛れてひっそり置かれていた。ノートを手にした者は続きを書き継ぐ。 しかし、一人の少女の死をきっかけに、物語に秘められた恐ろしい企みが明らかになり……物語と現実が絡み合う、万華鏡のように美しいミステリー。
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積読だったものをやっと読了。 文中にでてくる小説や画家に触れたくなる。 戦時中の雰囲気もリアルだ。
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舞台はミッションスクール(女学校)で、そこに通う女生徒たちによって紡がれていく物語はたくさんの人が死にいく戦時中という暗い時代背景に反してどこか華やかで、強く、儚く、毒々しくてとても美しかった。 憧れの上級生をお姉様と呼ぶことや好きな相手の下駄箱などに花束やカードを入れること、...
舞台はミッションスクール(女学校)で、そこに通う女生徒たちによって紡がれていく物語はたくさんの人が死にいく戦時中という暗い時代背景に反してどこか華やかで、強く、儚く、毒々しくてとても美しかった。 憧れの上級生をお姉様と呼ぶことや好きな相手の下駄箱などに花束やカードを入れること、お姉さまから妹と認められることをSということやローマ字占いなど、物語の中で出てくる物事は戦時中という時代背景の中で見ている夢や空想のよう。そんな中で繰り広げられるミステリーも甘美的で、一度世界観に入り込むと抜け出せない。 皆川博子の書く女性は同性に向ける気持ちの形がとてもリアルで、毎回色々な意味でドキドキさせられる(笑) 歴史を細かく描写している文章と、そこに息づく登場人物たちの感情の混ざり具合が絶妙で、そこも毎回魅了され続けている。
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皆川博子が『お姉様』や『お嬢様』を書くと本当に凄い。 戦時中のミッションスクールを舞台に、一人の少女の死と『倒立する塔の殺人』というタイトルのノートを巡る事件。 正直、ミステリ部分に関しては普通だと思うが、それを遥かに凌駕する筆致で紡がれた物語に幻惑される。 ミッションスクー...
皆川博子が『お姉様』や『お嬢様』を書くと本当に凄い。 戦時中のミッションスクールを舞台に、一人の少女の死と『倒立する塔の殺人』というタイトルのノートを巡る事件。 正直、ミステリ部分に関しては普通だと思うが、それを遥かに凌駕する筆致で紡がれた物語に幻惑される。 ミッションスクール、蔓薔薇、お姉様、Sなどの魅力的な設定やアイテム。そこに実際に戦中を生き抜いてきたであろう皆川博子が息を吹き込むと、甘美でありながら熱気とざわめきと匂いを含んだリアルが浮かび上がってくる。 豊富な語彙と広く深い教養に裏打ちされた文章は、読むものを心地の良い渦の中に飲み込んでいく。文学、絵画、音楽、神話。ありとあらゆるイメージが明滅し頭と心を酔わせる。 巻末の三浦しをんの解説がまた贅沢だ。こちらも一読の価値あり。 『部屋で一人興奮して、「すごい」の一言を繰り返すほかなかったのだった』と最後に書いているが、全く同意。
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