倒立する塔の殺人 の商品レビュー
ヤングアダルト(YA)向けだったらしく、皆川博子にしてはおそろしく読みやすい、ほのかに色っぽい戦争時の女学生もの。トリックを楽しむというよりも、叙述そのものを楽しみたいタイプのミステリ。 ミステリ嫌いの私でも十分楽しめた。
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雰囲気とか良かったし、伏線も全部回収されてて綺麗に終わってるけど、トリックとかちょっと残念な感じがする。
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少女たちの世界。複雑に絡み合う関係。 戦争中という非常時にも少女は少女であることを忘れていないのがいい。 物語はまるで入子になっているように感じ、前半は、今自分は何を読んでいるのか、なんの世界に入り込んでいるのかよくわからない。 まるで、夢の中でまた夢を見ているような感じである。
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ここ最近の私的ヒット本。 純幻想文学というよりミステリー風味。 一文一文に酔いしれた。数行しかないが、上級生と踊るシーンが特にお気に入り。 もっとこの世界に浸っていたいと思えた一冊。
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少女時代と云うものは、実は何重ものベールに覆われていて、真の姿を簡単には見せないものだ、とこの作品を読んで思い出した。 でも、そのベールは、ある日突然無くなってしまう。 剥ぎ取られるのか、自ら脱ぎ捨てるのか。 あるいは両方か。 ベールに代わるものを必死に探しながら、余命を生きる。...
少女時代と云うものは、実は何重ものベールに覆われていて、真の姿を簡単には見せないものだ、とこの作品を読んで思い出した。 でも、そのベールは、ある日突然無くなってしまう。 剥ぎ取られるのか、自ら脱ぎ捨てるのか。 あるいは両方か。 ベールに代わるものを必死に探しながら、余命を生きる。 だけどもう真の姿を隠してくれるものは現れない。 沢山の細かな傷を抱えながら、そうしてどんどん鈍感になりながら。
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解説で三浦しをんさんが述べていた通り 「すごい」 の一言に尽きるだろう。 倒立する塔の殺人をいう回し書きの小説 を通してべー様と小枝は真実へと近づいていく。 この際読者は登場人物から一歩離れた倒立の 読者へと変わる。そうなることによって物語をより 身近に感じられている気がした。
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戦時中の女学校を舞台に巡る秘密のノート。 幾人もの手に渡り書き出され、明かされる真実。 作中で流れる歌や語られる絵画と文学に読者までも引き寄せられる。 物資が乏しい寒々しい時代の中で、知識と教養で色づく女学生たちが眩しかった。 書き綴られた結末と最後の真相しばらく浸ってしまう作品...
戦時中の女学校を舞台に巡る秘密のノート。 幾人もの手に渡り書き出され、明かされる真実。 作中で流れる歌や語られる絵画と文学に読者までも引き寄せられる。 物資が乏しい寒々しい時代の中で、知識と教養で色づく女学生たちが眩しかった。 書き綴られた結末と最後の真相しばらく浸ってしまう作品。 ジャスミンティーが飲みたくなる。 解説では三浦しをんさんが熱く語っており、より楽しむことが出来ました。
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皆川さんはドイツものばかりついつい読んでしまうが、この人の素晴らしさはミステリにもあって、すごく綺麗なお話でした。
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皆川博子の長編に初挑戦。 戦時中のミッションスクールでの小説の回し書きと、それをめぐる事件。表紙のインパクトに負けない美しいミステリー。 相変わらず面白かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
分かりずらいうえに時系列がややこしい。 話の中で別の文章が出てくるのは 何度読んでも苦手なんですが、 そこがまたわかりずらい。 ですが、文章的には 面白かったので、ほかの作品も 挑戦してみたいです。
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