小さな男*静かな声 の商品レビュー
再読も面白かったです。 読みにくいわけではないのですが、読みながら考え込んでしまう時間が多くて、読み終わるまでに時間がかかりました。 「小さな男」パートより、「静かな声」パートが好きです。静香さんのラジオみたいなのがあったら聴きたいなぁ…「月下虫音」「眠れない貴女へ」はわりと近い...
再読も面白かったです。 読みにくいわけではないのですが、読みながら考え込んでしまう時間が多くて、読み終わるまでに時間がかかりました。 「小さな男」パートより、「静かな声」パートが好きです。静香さんのラジオみたいなのがあったら聴きたいなぁ…「月下虫音」「眠れない貴女へ」はわりと近い気がしますが。 そして、「あらたまりつつある」と思えば、年を取るのも悪くないなと思いました。 まだまだ難しいところもたくさんありますが、生きづらさは年を取る毎に減っていっている感覚です。 でも、知らないこともたくさんなのでもっともっと!と思います。ミヤトウさんの感覚、わかります。 小さな男も静香さんもミヤトウさんも、なんかこんな人いるなぁ…と思って穏やかな気持ちになりました。
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なんとも不思議な、なんとも静かな、なんとも楽しいお話です。みんなが思っていることなのにこんなに上手に表現できるなんてほんとすごい。
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ここ最近の吉田篤弘本。 百鼠の文庫で語られていたように、一人称と三人称の物語。しかもそれが一人ではなくて二人で。 案外ね。読みやすかったですが。でも、確かにじっくりと読んでみたいなぁ、2度3度と。
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朗読劇のような、あるいはひとり芝居のような語り口。 ともに一人暮らしの、味ある小さな男と静かな声の主。 ふたりの直線じゃなく点線でつながっているような、ゆるい距離感がなんとも面映い。 そのほかの登場人物や小物たちまでもが、派手じゃないけどそれぞれの色を放っているようで愛おしい感じ...
朗読劇のような、あるいはひとり芝居のような語り口。 ともに一人暮らしの、味ある小さな男と静かな声の主。 ふたりの直線じゃなく点線でつながっているような、ゆるい距離感がなんとも面映い。 そのほかの登場人物や小物たちまでもが、派手じゃないけどそれぞれの色を放っているようで愛おしい感じ。 せんえつながら、空想だか妄想だか、自分と似た何かを感じてしまった。 まるで自分自身をのぞかれているようで、なんとも体がモゾモゾ。 うまく表現できないけれど、個人的に身の置きどころに困るような、とっても不思議な感覚を味わった作品だった。
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好きすぎて、今まで感想を書くことができませんでした。 ものがたりの筋が?言葉の言い回しが?一人称と三人称の交錯が? いやもう別にそんな評論めいたことはどうでも良いのです。 小さな男が、静かな声が、その声を嫌う彼女が。 アレキサンドリアが。詩としての灯が。自転車が。 日曜日の新聞が...
好きすぎて、今まで感想を書くことができませんでした。 ものがたりの筋が?言葉の言い回しが?一人称と三人称の交錯が? いやもう別にそんな評論めいたことはどうでも良いのです。 小さな男が、静かな声が、その声を嫌う彼女が。 アレキサンドリアが。詩としての灯が。自転車が。 日曜日の新聞が、支度中が、ココアが。 クリームソーダが、心の中の姉が、「ついに」が。 この本の中の文章すべてが、活字すべてが、一冊まるごとの存在が。好きで好きで大好きで愛しているのです。
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小さな男と静かな声の日常生活が 交互に描かれていて、二人の生活が 時々ニアミスで近づいたり、思いがけない 共通な友人が居たり、まったりと読めました。
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小さい男の小さな生活と、静かな声の主のやはり静かな生活。なんでもない物語が淡々と語られているだけなのだが、読んでいると心が落ち着く。読後に「なんにも得るものがなかった、時間の無駄だった」とがっかりしてしまうようなものでもない。読めば分かる良作です。
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わたしは最初、当然のようにその写真を表にして壁にピンで留めてみた。でも、写真だけを眺めているうち、どうしてこれが「当然」なのかと自分を訝った。それで葉書を裏返し、ミヤトウさんの「読めない」文字の方を表にしてあらためて壁にピンで留め直した。壁に静かな湖の写真が貼ってあるのもいいけれ...
わたしは最初、当然のようにその写真を表にして壁にピンで留めてみた。でも、写真だけを眺めているうち、どうしてこれが「当然」なのかと自分を訝った。それで葉書を裏返し、ミヤトウさんの「読めない」文字の方を表にしてあらためて壁にピンで留め直した。壁に静かな湖の写真が貼ってあるのもいいけれど、「こんにちは」とか「では、お元気で」といった言葉を見るたびミヤトウさんの声が聞こえてくるのも悪くない。 それから、しばらく考えた。 絵葉書というのは一体どちらが表でどちらが裏なんだろう。 *・*・*・*・ 小さな男と静かな声の、交互に描かれる日々。 丁寧に日々をきりとって、一人で生きていくオトナを描く。 すごくよかった。解説でもやもやしていたものがストンと言語化されていて、またそれもよかった。
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3読目。 文庫本ははじめまして。 大好きなお話。 表紙をちらりと見ただけで、幸せいっぱいになってしまう。 こういう本をもっと何度も読みたい。 はじめましての本との出会いももちろん大切だけど。 お久しぶりの「小さな男」と「静かな声」のお二人。 お変わりないような、ちょっとだけ前よ...
3読目。 文庫本ははじめまして。 大好きなお話。 表紙をちらりと見ただけで、幸せいっぱいになってしまう。 こういう本をもっと何度も読みたい。 はじめましての本との出会いももちろん大切だけど。 お久しぶりの「小さな男」と「静かな声」のお二人。 お変わりないような、ちょっとだけ前よりお二人に近付けたような。 私も成長したのかしら。 それとも込み入ったことになりつつあるのかしら。 ただひとつ確かなのは、前よりもこの二人のことが好きになってしまったということ。 そして他にもミヤトウさんや、小島さんや、妹さんや、弟さんのことも。 前もかなり好きだったのに(小島さんに関してはもしかしたら少し胡散臭いものを感じていたかもしれないけど)、もっと好きになってしまった気がする(小島さんの胡散臭さまでも)。 これも私の成長の証かもしれない。 成長というより老いの証なのかもしれないが、こんな特典付きなら大歓迎だ。 またこの本をめくる日が待ち遠しい。 今すぐにも読み始めたいくらいだけど、お久しぶりですの距離感が心地良い気がするから。 今回の収穫はもうふたつ。 ひとつは「小さな男」の秘密(大げさ)。 吉田篤弘さんのエッセイに書かれてたいろんなお話が「小さな男」のつぶやきの中にちらほら散らばっていた。例えばノートのこととか。 なんとなく「小さな男」と吉田篤弘さんが重なる瞬間があって、にこにこ、にんまり。 そうかそうか、と何かが分かったような気分。 次の再会の時にはもっと近付けてるといいな。 もうひとつは重松清さんの解説。 とっても素敵な解説だった。 この本の紹介文としては最良のものではないか。 私の長々とした駄文が、こんな素敵な解説に化けてくれたらいいのに。 その気持ちもまた次の再会に取っておきましょう。
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吉田篤弘独特の世界、時間の流れがゆったりとしている。堪能しました。入院してる私には相応しい小説でした。
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