「『ジューシー』ってなんですか?」 の商品レビュー
小市民の職場での会話や人間関係がとても愛しく、私は大好きな作品だった。 ・ジューシーってなんですか? 新聞のラテ欄を作る多忙な部署の人たちの話なのだけど、仕事のつらさよりも、その合間の何気ない会話や、ちょっとした息抜きなんかが中心に書かれている。 そんな中で、ふと浮かび上がる...
小市民の職場での会話や人間関係がとても愛しく、私は大好きな作品だった。 ・ジューシーってなんですか? 新聞のラテ欄を作る多忙な部署の人たちの話なのだけど、仕事のつらさよりも、その合間の何気ない会話や、ちょっとした息抜きなんかが中心に書かれている。 そんな中で、ふと浮かび上がる思考がぽこぽこと間に挟まる感じ。 職場ってこういうさりげなく優しい交友関係がいいんだよな、私もこういうのが楽しくて働いてるな、と思う。 「先に続く仕事や、実りのある恋だけが、人間を成熟へと向かわせるわけではない。ストーリーからこぼれる会話が人生を作るのだ。」という文章が作中にあり、とても素敵な言葉だと思った。 普通の人の小さな営みを肯定してくれるような。 ・ああ、懐かしの肌色クレヨン 主人公であるアルビノの鈴木さんの言動がとてもキュートなので、かわいいお話だなあと読み終わったものの、違和感はいろいろあったので2周目も読んでみる。 これ、もしかしたら今村夏子さん「ピクニック」と同じ構造…? 告白や精一杯の口説き文句を受け流されたり、美術館のチケットを自分の分だけ金券ショップで調達されたり、挙げ句の果てに館内では勝手にどこかに行かれちゃうの、おかしいよね…? 結局、主人公は、はっきりとはわからないくらいに、差別され、距離を置かれていたということなんだろうか。 そう考えると物語の印象が180度変わる。 とても面白い読書体験だった。
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小説は特別な感情や出来事をテーマにするものが多いので、ここまでありきたりな会話や日常を小説にできることに驚き。ジューシーってなんですか?の台詞が出てくるタイミングが唐突で完璧。私のありきたり平凡な毎日にもこういう言葉が落ちてるのかな。
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サクサク読める ほとんどが職場の描写なので、登場人物の深いところまではわからない あー職場って感じ それぞれがいろんな思いを抱えながら、日々働く みんな、えらい
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詩的な文章。スルスル読めて、心に残るとかそういうのではなく淡々とした職場小説ではあるが、また読みたくなる文章。解説が羽田圭介さんでこれも面白い。
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だいぶ前に読了したせいで、ほとんど内容を覚えていません← なので、読んでいた時に付けていたドッグイヤのセンテンスを以下に抜粋。 “世間の規範から外れた幸せが欲しい。 ひとりだけで、こっそり笑うような。” →自分だけの幸せが欲しい、って言えるなんて、なんて孤独で、だけどなん...
だいぶ前に読了したせいで、ほとんど内容を覚えていません← なので、読んでいた時に付けていたドッグイヤのセンテンスを以下に抜粋。 “世間の規範から外れた幸せが欲しい。 ひとりだけで、こっそり笑うような。” →自分だけの幸せが欲しい、って言えるなんて、なんて孤独で、だけどなんて美しいんだろう、って読んでる時も思った気がします。今も。 “先に続く仕事や、実りのある恋だけが、人間を成熟へと向かわせるわけではない。ストーリーからこぼれる会話が人生を作るのだ。” →そうだといいなあって思う時期だったんですな、多分(笑)。仕事に転機があったり、振られたりした6月前後に読んだんだったわ、そう言えば(笑)。
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何か前によんであんまり覚えてない。よかったーというかんそうもないきがしたけど、もういっかいよんでみるか、でとりあえずの棚へ
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人と関わりながら働いている人の多くは、きっと共感出来る部分のあるお話。 淡々とした(登場人物たちのキャラクターの所為もあるかも)人間関係の冷ややかさと、働くことに対する情熱やら誇りやらの熱さが相反していて、お互いにくどくなりすぎなくてちょうどいい。でも、関係性が親密にはなり過ぎ...
人と関わりながら働いている人の多くは、きっと共感出来る部分のあるお話。 淡々とした(登場人物たちのキャラクターの所為もあるかも)人間関係の冷ややかさと、働くことに対する情熱やら誇りやらの熱さが相反していて、お互いにくどくなりすぎなくてちょうどいい。でも、関係性が親密にはなり過ぎない程度での思いやりや温かさもあって。 大変なのはみんな一緒。 明日からも仕事頑張ります!!ε- (´ー`*)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ナオコーラさんの小説によく出てくる、新聞の校正をする会社の人たちの話し。 ジューシってなんですか、というタイトルと、 文庫本の表紙の組み合わせがとても本の内容とマッチしていると思う。 日常生活で、 ジューシーとかマッチとかエンジニアとか最適化とか よくわからない言葉をつい使ってしまう。 なんですか、それ。
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山﨑ナオコーラってこういう感じの小説を書く人らしいので、この本もまさに「らしい」感じだった。 でも主人公の広田くんが好青年なので、やっぱり普通のお話のようにもっと掘り下げた内容の方が好きだな。 解説に、「職業小説」というよりは「職場小説」と書いてあったけどまさに。 正社員と契約社...
山﨑ナオコーラってこういう感じの小説を書く人らしいので、この本もまさに「らしい」感じだった。 でも主人公の広田くんが好青年なので、やっぱり普通のお話のようにもっと掘り下げた内容の方が好きだな。 解説に、「職業小説」というよりは「職場小説」と書いてあったけどまさに。 正社員と契約社員の微妙な関係がムムムだった。
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普通の職場が舞台の不思議な小説。行間の空き方がとてもオモシロい。短い小説なのに考え考え読んで時間がかかってしまった。
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