特捜部Q キジ殺し の商品レビュー
デンマーク社会の上流階級の腐敗を、反吐が出そうになるまで赤裸々に告発した警察ミステリ。デンマーク人の警部補と怪しいシリア人の助手。今回は、さらに頭は明晰なものの、酒癖の悪い、変わり者の女性秘書が主人公をサポートしている。
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図書館で予約してもなかなか受け取れず、また予約しなおして、のループにうんざりして思い切って買った。ひさびさにミステリー買っちゃったよ。の本。ああ早く三作目のPからのメッセージも読みたい。あと少しで図書館の予約がまわってくる。こっちは絶対受け取るぞ。まあそれもあって三作目から先に読むの嫌だったからこの本買ったんだよね節約中なのに。 面白かったけれど悲しくもあった。途中からなんとなく結末は予想はしてたけどやっぱり悲しかった。極悪人どもには死を。キミーは女性であるからこそ結局ハンデがあってだからこそ深く傷つけられて。キミーも悪いことしていたのはわかるけれどあの集団と出会わなければ他の人生もあっただろうに。女性でなく残酷な男たちとつるんでいたのもそれだけつらい思いをしてきたからだし女性であることゆえの強みを無意識ながらいかすことで自分の力を感じることができた。そこから離れても自分の道を探ることができる強さもあったけれど、それを許さず執着してきたそれまでの仲間によって、強みであった女性の部分が今度は弱みとなってしまう。一人で生きていける強さがあるキミーを他の弱っちい男たちは無意識に嫉妬と脅威を感じ執着し続けたようにも感じた。ホモソーシャルな男たちってまじきもいよね、でもほんとよくあるんだよなこういうのって、とも感じ暗澹とした気持ちになった。どこも特権階級ってどこか異常で空虚で。キミーの孤独さと唯一の愛情をそそぐ対象との関わり方が悲しかった。男性にはあんまり理解できないだろうな。
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こんなに陰惨なものをどうしてサラリと書けるのだろう。そこここにユーモア。ドS女キミーにどんどん感情移入をしてしまう。北欧ってフェミニズムが心底叩き込まれている??
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ひどい犯罪なので、読むのが嫌になりそうですが 犯罪を追って進む話はとても面白いので 結局、読んじゃいます。 アサドがますます謎です。
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前作「檻の中の女」が強烈だったぶん、2作目「キジ殺し」は些か期待とは違った感じだった。 20年前におきた事件の捜査を行うことになった、カール・マーク率いる特捜部Q。 これまた大変に病んだ事件。(北欧がこわくなる・・・) この事件、実は犯人はすでに捕まって自白しているが、どうにも...
前作「檻の中の女」が強烈だったぶん、2作目「キジ殺し」は些か期待とは違った感じだった。 20年前におきた事件の捜査を行うことになった、カール・マーク率いる特捜部Q。 これまた大変に病んだ事件。(北欧がこわくなる・・・) この事件、実は犯人はすでに捕まって自白しているが、どうにも納得がいかない。 デンマーク経済界のエリートたちの影がちらついたり、女浮浪者キミーの過去とその行動も気になる。 そして特捜部Qには、助手のアサドに加えて、新たに赴任したローセ。 これまたひと癖もふた癖もありそうで・・・どうなることか カール・マークは、仕事場・家庭と難問だらけなのに・・・ほんとよくやってます しかし、ほんと、北欧ってこんなに病んでるのか?? こわい事件だった・・・ さぁ!第3部はどうなることか、楽しみ!!
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シリーズ2作目。新しいキャラも登場してますます好調。全体に陰惨なイメージに陥りがちなのを、軽妙な語り口が救ってます。アサドの過去とか、これから展開できそうな伏線もたっぷりです。
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相変わらずアサドがいい味だしている。 さらにローセという曲者も加わり、マークの 苦労は増すばかりだが。 次回作あたりでアサドの過去がわかるのかな。 次も楽しみ。
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デンマーク版コールドケースの2作目。 警察小説にして犯罪スリラー。3つの視点で事件を書いていきサスペンスを煽る。 とにかく最後の決着までどうなるのか目が離せない。 残虐な犯罪を書きながら、最後になんともいえない余韻がもたらされる。 賞をいくつか貰った次作の翻訳が今から楽しみ。
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あのデンマーク発の全欧ヒットミステリ『特捜部Q 檻の中の女』に続く第二弾。しかし単独でも楽しめるだろう。 特捜部Qは未可決の重大事件のための専門部署。といってもメンバーは二人きり。責任者のカールと、シリア系の雑用係アサドのみ。しかし、チームにはローセという新たなメンバーが加えら...
あのデンマーク発の全欧ヒットミステリ『特捜部Q 檻の中の女』に続く第二弾。しかし単独でも楽しめるだろう。 特捜部Qは未可決の重大事件のための専門部署。といってもメンバーは二人きり。責任者のカールと、シリア系の雑用係アサドのみ。しかし、チームにはローセという新たなメンバーが加えられることになった。実際には他の部署から押し付けられたのだが。 そんな特捜部Qの今回の事件は、20年前に起こった17歳と16歳の兄妹の暴行殺人事件。誰かがどさくさにまぎれてカールの元にこの兄妹の暴行殺害事件の捜査ファイルを送ってきたのだった。 動機は不明で被害者二人は身元もわからないほどの暴行を受けていた。事件当初、寄宿学校の生徒のグループに容疑がかけられていたが、彼らの父親はデンマークの経済界を牛耳っている有名人ばかりだった。しかし、事件はすでに解決済みだった。寄宿学校の生徒のグループの一人が自首し刑に服している。それは仲間の中で唯一家庭が裕福ではない奨学生だったビャーネだった。 カールとアサドが調査をすればするほど、おかしな点が明らかになってくる。 一方、既に親が築き上げた以上の成功を手にしているディトリウ、トーステン、ウルレクの三人は、ある趣味に没頭していた。タイトルの「キジ殺し」は彼らのこの貴族的な趣味を指すものだ。 同じ頃ホームレスとなっていたキミーは、頭の中の”声”に操られるようにある行動を起こし始める...。 このシリーズの特徴は、シリアスで陰惨な事件を中和させるユーモアにある。今回メンバーに加わったローセにそれをさほど期待できなかったのは少々残念。 警察学校を最優秀の成績で卒業したものの、自動車運転免許の試験に落ちてしまい、どうしても警察で働きたいために秘書として雇ってもらったという経歴のローセは洋服もメイクも髪も真っ黒で不揃いのベリーショートヘア。まるでピアスのないリスベット(ミレニアム三部作の)を連想させる。「強情であけすけで大口叩きで、時にものすごく不機嫌になる」で決して「酒を飲ませてはいけない」。その酒の失敗は、訳者は「ブラックユーモアがお好きなら」と言っていたが、期待するほどブラックではない。 小説全体にもテーマをあれこれと盛り込みすぎて、第一作に比べるとやや散らかった印象を受けるかもしれないが、読み応えはある。 http://spenth.blog111.fc2.com/blog-entry-158.html
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CL 2012.2.18-2012.3.3 面白いことは面白いんだけど、あまりにも気持ち悪すぎる。 ミレニアムもそうだったけど、北欧って米英なんかより よっぽど残虐なんじゃないかな。 フィクションだからってことじゃなく、こういう発想が 生まれること自体が。
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