アシンメトリー の商品レビュー
飛鳥井さんの作品は初めて読みましたが、やわらかいだけではないけど、はらはらどきどきだけでもなく、大きくうねったりさざなみが立ったり時々穏やかだったりする波にのっているような感覚で、著者の世界に一瞬で惹き込まれました。 対称:つりあい、調和、ふさわしい 非対称:不釣合い、不均衡...
飛鳥井さんの作品は初めて読みましたが、やわらかいだけではないけど、はらはらどきどきだけでもなく、大きくうねったりさざなみが立ったり時々穏やかだったりする波にのっているような感覚で、著者の世界に一瞬で惹き込まれました。 対称:つりあい、調和、ふさわしい 非対称:不釣合い、不均衡 数学の世界では対称とはある一点を通過する直線上にその一点を挟んで等距離にある二点を対称と呼ぶ。つまりは正反対、真逆とも言えるのではかと思います。 同性愛の男性とアセクシャルの女性、一般的ではない人同士が釣り合って結婚して。結婚をゴールに男性を値踏みして彼氏を探す女性と言い寄ってきた女性と寝て流れで付き合うことを繰り返してきた男性、わりとよく聞くタイプの人同士が釣り合って付き合いだして。その四人が仲がよくて。 この関係性をアシンメトリーという言葉で表現しているのだと思いますが、でも釣り合っていようがいまいが、対称であろうと非対称であろうと結局自分と一緒ではないという点では同じことだと思います。 『どういう「好き」なのかよく分からない。』 自分とは違う人を好きになって、その好きな人が好きな人を好きになったりして。色々な「好きになる」という世界を見ることができると思います。
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だいぶ前に読んだ。次々忘れてしまう中、内容覚えている本。切ない…ままならない…としんみりした記憶。 #bookoff
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
4人の男女の、苦み濃いめの恋愛模様。 みんなどこか過不足を抱えて、いろんな意味でひとを想って、のたうちまわるようすが見てて苦しい。 それでも、4人が選んだ形を祝福したいと思えます。 とくに普通でない恋愛に苦しんだ二人のお話は苦しさもひとしお、個人的には希望を感じる部分でもありました。
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「普通」って何? ひと言ひと言がグサグサ心に刺さって、激しく共感したり、逆に反感を持ったり。どんどん引き込まれた。
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タイニータイニーハッピーが好みだったので、買った覚えがあります。やっと読み始めました。女性2人と男性2人の視点で交代に語られる連作短編集。様々な問題が起こり、とりあえず収まる感じのお話でした。朋美の吹っ切れた後の逞しさと、同性愛者の治樹と幼馴染の紗雪の最後のシーンが良かったかな。
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朋美にムカッときながらも 独身時代の自分と思考が似てる気もして痛い。 女の友情って男には不可思議なこと色々だろうな。 相手の事好きだし仲良くても、何処かで競ってたり 毒があったり。 でもそんなのもひっくるめて友情があったりする複雑。 タイニー・タイニ・・・にしても 今回の作品にし...
朋美にムカッときながらも 独身時代の自分と思考が似てる気もして痛い。 女の友情って男には不可思議なこと色々だろうな。 相手の事好きだし仲良くても、何処かで競ってたり 毒があったり。 でもそんなのもひっくるめて友情があったりする複雑。 タイニー・タイニ・・・にしても 今回の作品にしても、女の嫌な部分もさりげなく上手に表現してるな~と思う。
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若干読みづらい気がします。 なので、星4つ。 最初の視点からは全くわからなかった、登場人物たちの性の事情や知られたくない一面が明らかになっていくにつれて、最後には全く違うキャラクターに。 人を見る角度をこれだけ変えて書けるのは、著者の観察力と想像力の賜物だと思います。
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特に印象的なエピソードがあったわけではないけれど、納得することばがたくさんあった。人におすすめしたいというより、ずっと自分の中で大事にとっておきたい一冊です。
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飛鳥井さんは本当にうまいなあ…。 自分の心の中に生まれる、相手に対する違和感や苛立ちを押し隠し続けるうちにこじれて収拾がつかなくなる人たち。その人たちが、ある一つのきっかけで本音を相手にぶつけられるようになり、互いの違和感を隠して仲良さそうに振舞っていた頃よりも、もっとシンプル...
飛鳥井さんは本当にうまいなあ…。 自分の心の中に生まれる、相手に対する違和感や苛立ちを押し隠し続けるうちにこじれて収拾がつかなくなる人たち。その人たちが、ある一つのきっかけで本音を相手にぶつけられるようになり、互いの違和感を隠して仲良さそうに振舞っていた頃よりも、もっとシンプルで軽やかで、なのに決して切れることはないだろうと思える強さで絆を取り戻していく。 どの作品からも感じられて、類型的と言われればそうかもしれない。でも私もそんな人間関係にまみれていて、自分には起こらない展開だから、正直うらやましくて。 アシンメトリーというタイトルは秀逸。飛鳥井さんの作品に描かれる人たちは、お互いがお互いにとって大切であることに本当に気づくまで、その心のあり方はみんな非対称。自分が可愛くて、自分を守ることに必死で、相手を傷つけ、自分も壊れてゆく。不均衡で危うい人たちが、徹底的な関係崩壊すら乗り越えて、新たな関わりを見出す…出来過ぎで、あり得ないかもしれない。 でも…そんな日が来ることを、現実では夢見ていたい私には、どのストーリーもあったかい。 今年大好きになった作家のBest3に入りました。
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「結婚って何なんだろう?」と仲良しの男友達に訊いたことがある。 「好きな人を公に独占できる制度かな」…彼は特別嫉妬深くもないし、私の知る限りでは寛容な性格のはずだ。 リーガルハイでは、3人の男性と事実婚状態の美女(鈴木保奈美さん)が登場して、「浮気は許せないし、真剣恋愛の結果...
「結婚って何なんだろう?」と仲良しの男友達に訊いたことがある。 「好きな人を公に独占できる制度かな」…彼は特別嫉妬深くもないし、私の知る限りでは寛容な性格のはずだ。 リーガルハイでは、3人の男性と事実婚状態の美女(鈴木保奈美さん)が登場して、「浮気は許せないし、真剣恋愛の結果、結婚した。どの夫も納得してこの形をとっている。」と宣う。しかし一夫一妻制の日本では入籍不可。最終的には養子縁組で彼らは公的にも家族になった。 堅実に生きたい朋美、十年来の友人と電撃結婚した紗雪。婚活することもなく、すんなり幸せを掴んだ紗雪に対する朋美の嫉妬や焦りには共感しつつも同族嫌悪。 しかし、紗雪には紗雪の辛い秘密があった…。 報われない想い、すれ違い、打算、嘘、同情。結婚や恋愛について考え込んでしまう。どうしようもなかった恋について思い返すところが多過ぎて辛かった。
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