モダンタイムス(下) の商品レビュー
テーマが興味深かった。 検索しただけ。ただそれだけと思いきや、全ては監視されていて、検索した人々は奇妙な事件に巻き込まれていく。 ありえない話だとは思わない。ネット社会に潜む危険の一面、またシステム化された社会、「そういうことになっているだけ」ということの機能性と危険性をうまく...
テーマが興味深かった。 検索しただけ。ただそれだけと思いきや、全ては監視されていて、検索した人々は奇妙な事件に巻き込まれていく。 ありえない話だとは思わない。ネット社会に潜む危険の一面、またシステム化された社会、「そういうことになっているだけ」ということの機能性と危険性をうまく深堀りしていると思う。 沢山の複線を回収しながら徐々に核心に迫っていくあたり、非常に楽しく読めるが、終盤は話がごちゃごちゃしすぎてきてなんかよくわかんなくない、というかどうでもいいやって思ってしまったのはちょっとあるかも。。 けど最後の読後感は悪くなかった。 あと最後に一言、結局奥さん何者?(笑)
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前に書いた『魔王』の感想を読み、安藤潤也・詩織を記憶に甦らせて、下巻に戻る。 ここに来ると不穏な空気の下に隠されていたものが脈絡を見せずに一気に噴出し、いや~これは大変、どこからどう収拾したら良いのか、ゾクゾクしてくる。 上巻の感想に『独裁者』を思い起こすと書いたけど、その中の台...
前に書いた『魔王』の感想を読み、安藤潤也・詩織を記憶に甦らせて、下巻に戻る。 ここに来ると不穏な空気の下に隠されていたものが脈絡を見せずに一気に噴出し、いや~これは大変、どこからどう収拾したら良いのか、ゾクゾクしてくる。 上巻の感想に『独裁者』を思い起こすと書いたけど、その中の台詞が引用され、安藤潤也のお金に纏わる話に『ライムライト』を思い起こせば、『勇気と想像力と少々のお金』も後から出てくる。 「あるキーワードの組合せをインターネットで検索した人たちに何かが起こる」という話に追いつ追われつ、『魔王』やチャプリンの映画との緩~いリンクに引っかかりつつ、書き留めておくことが出来ない程繰り出される洒落た台詞に、在り得そうもない話を読ませてしまう緩急自在の運び。 この話、どう読むか。 一連の事件を巡るキーワード「見せかけの真実」や「そういうことになっている」にも深い問いかけがあって、勿論、それに対峙する主人公たちの行動が同時期に書かれた『ゴールデンスランバー』と対をなし興味深いのだけど、私が最も共感したのは『人生は要約できない』とか『小さな行動や会話の一つ一つが、人生の大事な部分』というやつで、ここでもまた、『ゴールデンスランバー』の中の『習慣と信頼』という言葉ともつながり、人が生きていくことの意味を表現して、とても好ましく思うのです。
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久しぶりに触れた伊坂ワールドはちょっとした違和感と登場人物への愛着を起こさせてくれました。伊坂作品の登場人物は冷めているんだけど嫌いになれないというか、感情移入できるというか。 伊坂さんだなぁとニヤニヤしながら読み終わった気がします。 下巻でやっと魔王の内容を思い出すという感じ...
久しぶりに触れた伊坂ワールドはちょっとした違和感と登場人物への愛着を起こさせてくれました。伊坂作品の登場人物は冷めているんだけど嫌いになれないというか、感情移入できるというか。 伊坂さんだなぁとニヤニヤしながら読み終わった気がします。 下巻でやっと魔王の内容を思い出すという感じで、そういえば魔王ってこんな話だったなと繋がっていく内容。 種々様々な小さい疑問や不満は残るものの、やっぱり面白かったです。
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井坂のあたりの流れまでは面白かった。 が、中盤あたりからちょっと流れが変わったというか そこからの評価が落ちたかもしれない。 佳代子が上巻だと怖い大人の嫁かと思っていたが、 下巻だと子供ぽい頼りがいのある嫁に見えてくる。 五反田と大石はどうなったんだろうか…
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途中から全部同じに思える伊坂幸太郎作品。最初の『陽気なギャング〜』が面白かったから読み続けてるけど、果たして全部読む必要あるかな。飄々とした独特の空気感や、世の中の大きなことと小さなことが一緒に進んで行く感じは好きだけど、あまりにも似通ってる気がする。個人的にラストの二段オチは逆...
途中から全部同じに思える伊坂幸太郎作品。最初の『陽気なギャング〜』が面白かったから読み続けてるけど、果たして全部読む必要あるかな。飄々とした独特の空気感や、世の中の大きなことと小さなことが一緒に進んで行く感じは好きだけど、あまりにも似通ってる気がする。個人的にラストの二段オチは逆がいい。いっこめのオチの方がやりきれないから。事件の内容はどうでもよかったっていうけど、やっぱりそこで狂気を感じられないと意味ない。
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んで、下巻になると… なんか色々考えさせられる。 なんか読みやすい部分と読みにくい部分がある。 なんか引き込まれる。 そんな感じ。
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伊坂幸太郎らしい作品だな、という印象。あとがきでも触れられていたが、『ゴールデンスランバー」と双対をなす作品だと思う。結末には同じものをかんじる。 複線を回収しながら次々と展開していく物語。作者の考えがストレートに伝わる気がした。
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読み終わりました~。 結末にはとても驚きました。分かりやすい終わり方でないのは確かですが、納得させられました。世の中は勧善懲悪を容易には行えないのでしょう。主人公の出した結論に対しては???でしたが、そういう選択肢もあるのか~と思いました。 世の中そうなっている。システムは賢いという世界観は自分のモノに近いと感じました。
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じわじわとのしかかる緊張感。読み終わるまで思わずぐっと息苦しさを感じてた「魔王」同様。それでも最後には、ふうっと息をつく場所に辿り着きたい気持ちでどんどん読み進めてました。分かる語彙と語調で、細かく小さなモノを使って大きなモノを伝える。テーマを幾重にもこちらに向けてくる作品。
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さらっと読んでしまいました。どう頑張っても個人はシステムに勝つのは難しい。でも、だからといって諦めるのもつまんないので、できる範囲で頑張る。いいね。 主人公の奥さんであるところの佳代子さんがいいですね。
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